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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 熱心に時間をかけても子どもは反乱するが……
向山 洋一
その若い女の先生は30代を越えたくらい。高学年担任が多く,子どもの指導に熱心だった。熱心のあまり,職員会議などにも大幅に遅れてきた。子どももなついているように見えた。
学年主任の私が,机の上に「大切な会議なので,遅れないようご配慮いただけたらと思います」というメッセージを置いたら,私の目の前でビリビリに破き,ゴミ箱に投げすてた。
それから20年近くが過ぎ,名門と言われる小学校に転任して高学年を担任した。子どもたちにそむかれ,病休になり,退職した。
発達障害の子のこと,授業のことなど,学んでいなかったのだ。時間をかけ,熱心に仕事をしていたが,しょせん「我流」は通じない社会になっていた。
その名門小学校では,学年主任経験者の50代女教師が,次々とやめている。子どもたちが反乱しているのだ。「TOSSで学んだことだけが通用した」と,TOSSデー参加の先生方は言っていた。
暗い話が多いが,明るい話もたくさんある。
大変な子どもの担任になった先生の報告だ。
新学期担任して,すぐに子どもが変わったのだ。
■昨日,保護者懇談会があった。
その席でAの親が興奮しながら言った。
「先生!この1週間でAがすごく変わったんです!今まで,学校に行きたくないって,しょっちゅう休んだり頭痛いといっていたのに,今週はそれが全くないのです。学校が楽しい!って言うんです!」
Aは知能的にもかなり厳しい子だ。
6年生だが,かけ算はもちろん,たし算もできない。
どの授業でも,初めの頃は机に突っ伏し,ノートも全くとらなかった。
会話もたどたどしい。
生活面も厳しく,服も汚れている。
昨年病気で,長期にわたり学校を休んでいた。
「先生!Aが家に帰ってきてから,教科書を出して読み出したんです。すごく楽しそうに読むんです。分からない漢字は私が教えていますが,すごく楽しそうに読むんです。こんなことはじめてです!」
母親によると,きれいに書いた算数のノートも見せられたそうだ。いままで,家で授業の話などしたことがなかったAの変わりように,母親はすごく興奮して話していた。
他の保護者からも,たくさんわが子の変容ぶりが報告された。
「家で先生の話を毎日聞かされるんです」
「授業が楽しい!といつもいっています」
「先生は,算数の教え方がうまいじゃなくて超うまい!と言っていました」
そんな我が子の話をする保護者の笑顔をみて,私も,とても幸せな気分になった。
昨年度,担任が病休になったときも,復帰した時も全く反応をしなかった子どもたちだ。補助に入った校長や教務主任いわく,
「あんなクラス,今まで見たことがない」
というくらい「殺伐」とした雰囲気のクラスだった。全く会話のない人間関係やいじめが存在していた。
そんな子どもたちが,楽しそうに学校の話を家でしている。
いままでにないハードな新学期の初めの1週間だったが,そんな「事実」を得て,手ごたえを感じ始めたこの週末であった。■
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