- 特集 発達障害の子の算数的特性と授業対応策
- 〈巻頭特集論文〉「視覚映像優位・色優位・3D認知」と「聴覚言語優位・線優位・2D認知」これらの特徴を理解した指導法の研究を!
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- 高機能自閉症児のこだわりに対応し,満足感を与える
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- 小さな成功体験の積み重ねがやる気を引き起こす
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- 作図の指導はデジタルコンテンツでサポートする
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- 授業中体を揺する対人不安なA児にも有効なセルトニン5
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- 百玉そろばんと赤鉛筆指導でのりきった1年間
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- 2つの算数的特性への対応策
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- 子どもの困り感に自作教材で対応する
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- ミニ特集 算数で伸ばすグラフの読み方・作り方
- 基礎基本をおさえた後に,発展的に読み取らせる
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- わかりやすいと実感させる
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- 初めてのグラフ指導から原則を徹底させる
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- 基本をおさえた繰り返し指導
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- 目盛りの読み方と大きい順になっていることをおさえる
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- 表からグラフにかいてわかる重要性
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- グラビア
- TOSS教育最前線:対応能力をつけよ
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- 若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
- 忘れ物指導
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- 新卒フレッシュ先生のための向山型算数キーワード
- セルフ・エスティーム(Self-esteem)
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 全員100点を目指したが、害が大きかった方法
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- 学年別10月教材こう授業する
- 1年・たし算(くり上がり)
- 「習得型」の授業
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- 「活用型」「探究型」教材と授業
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- 2年・かけ算(1)
- 「習得型」の授業
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- 「活用型」「探究型」教材と授業
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- 3年・大きい数のしくみ
- 「習得型」の授業
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- 「活用型」「探究型」教材と授業
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- 4年・わり算の筆算(2)
- 「習得型」の授業
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- 5年・面積
- 「習得型」の授業
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- 「活用型」「探究型」教材と授業
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- 6年・体積
- 「習得型」の授業
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- 「活用型」「探究型」教材と授業〉
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 全員100点を目指したが,害が大きかった方法
向山 洋一
30年も昔の話である。
計算や漢字の10問テストをして,全員が100点をとるまで,毎日同じテストを続ける方法が流行していた。
まじめな組合の先生に多かった。この方法は,全員に100点をとらせたいという善意から生まれたものであった。
しかし,効果ははかばかしくなく,害のほうが大きかった(教えてほめる方法でなかったからだ)。
赤ねこスキルは,「間違った問題のみに再挑戦する」という方法である。私が考えた方法だ。この方法は,効果が著しかった。
それまで,80点ぐらいをとっていた子は,復習をあまりしなかった。次に,また80点をとれるからである。
しかし,向山の方法だと,80点の子でも全くできない場面が生まれる。子どもたちは,みんな熱中して,間違い直しをするようになった。そして,いつの間にか,赤ねこスキルは全国に大きく広がり,「お化け教材」になってしまった。県内の大半が採用している所もある。
今回の学力テストで,算数がトップクラスの県,著しく躍進した県では「向山型算数」と同じような指導がとられている。算数の問題解決学習は,低学力をもたらすことを反省し,改善した県が伸びている。
次は,ある女性の先生の報告である。
■向山先生のコメントを拝読し,思い出しました。私が小学4年生のとき,これ,やってました!今も苦い思い出で残っています。
〈向山先生のコメント〉
昔,ミニテストで,全員が100点をとるまで繰り返すという方法が流行しました。
全国でされていました。
いい方法なら今も続いているはずです。
私が4年生のときです。
夏休みが終わり2学期にはいってからすぐ,突然先生が「全員100点を目指そう」「全員が100点をとれるまで同じテストをするよ」「簡単な問題だからね。がんばってね」といい,毎朝同じ漢字10問テストが繰り返されました。
休み時間は先生の周りにみんな群がり,テストの〇つけを見ていました。
まずは自分が100点かどうか確かめます。自分が100点じゃないと「おまえのせいじゃよ」と言われるからです。自分が100点だったのを確かめたら,あとは他の子を応援します。マル,マル,マル,と100点が続く中,×がつけられると……。
「あーあ」とみんなため息です。
これが1ヶ月ぐらい続きました。
やってもやっても全員100点にならないのです。
いつも100点がとれない子は決まっていました。A君でした。
休み時間,大勢が先生の採点を見守り,36人中35人が100点で「あと1人」「あと1人」コールの中×がつけられ,「あーあ」「きょうもあかんかった」「またA君や」と言われるA君。
今思うと,これは教師が「この子はできない子」というのを証明している犯罪行為ともいえると思います。
事実,いじめもあり,A君の菌つけや,鬼ごっこでもA君をさけたりということもありました。
1ヶ月以上たったある日,どうにかこうにかA君も100点になり,「やったー」とみんな大喜びしました。
私も喜んだのですが,「やっと終わった」という気持ちのほうが大きかったのを覚えています。
「いい方法なら今も続いているはずです」と向山先生のコメント。
その通りです。それからすぐに全員100点がとれるまで同じ問題をする,という方式は終わりました。
いい方法なら続いていますよね,確かに。拝読してウンウンと頷きました。(百マス計算も95%以上の学校がやめました)■
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- 明治図書