- 特集 あなたの“授業習慣・口癖”診断治療のヒント
- 〈巻頭特集論文〉向山氏が算数の授業でよく使うフレーズに学ぶ
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- 「マイナス思考」を「プラス思考」へ
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- 何気ない行為や言動に見られるNG指導
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- その習慣・口癖が日本を駄目にする
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- 悪い習慣・口癖は意識して克服しないと体のどこかに残る
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- 自分の授業をビデオで見たり,斬ってもらったりする経験を積み重ねるとともに優れた授業から学ぶ修業を続ける
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- 向山氏の口癖は名言,わが口癖は?
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- 徹底した新卒3年間のICレコード修業とD表検定で克服する軟弱な授業グセ
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- ミニ特集 一目おかれるプロ教師が読んでいる本
- 夏休み前の知的読書への誘い。「不易」と「流行」双方併せ呑む
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- 事実に基づいた本を読む
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- 時代の先駆け最先端を読む
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- 分野にとらわれず,手当たり次第に読み漁る!少しでも気になった本は即購入!
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- 最先端脳科学者の書いた本で算数授業を創る
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- 事実・数値に基づいて冷静に考えるために
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- 表紙のイラスト (第5回)
- 正六角形の対角線は全部で何本?
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- グラビア
- 授業時間内で教科書の全ての問題、計算スキルを行うためには
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- 子どもレポーター“わが教室の授業風景” (第5回)
- 子どもに聞きました。甲本先生ってどんな先生
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- 新卒フレッシュ先生にプロが解説!学習指導案「基本用語」事典 (第5回)
- キーワード「研究仮説」
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 算数の授業が,かくも違う
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- 向山型をめざして!学年別「基本的算数指導事典」 (第5回)
- 1年〈押さえどころと授業の組み立て〉
- 10より大きいかず
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- なんじなんじはん
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- 2年〈押さえどころと授業の組み立て〉
- 水のかさのたんい
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- 水のかさ(加減)
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- 3年〈押さえどころと授業の組み立て〉
- 大きい数のしくみ
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- 大きい数(数値線)
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- 4年〈押さえどころと授業の組み立て〉
- 折れ線グラフ(読み方)
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- 折れ線グラフ(かき方)
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- 5年〈押さえどころと授業の組み立て〉
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- 約数,公約数
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- 6年〈押さえどころと授業の組み立て〉
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- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第137回)
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- 「向山型算数」と堂々と言えることを目指す
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- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第141回)
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- 向山型算数実力急増講座 (第143回)
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- 〈2年〉一筆箋の力で親子も教師も満足!
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- 〈6年〉1枚の「一筆箋」が,保護者と子どもを変えた
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 算数の授業が,かくも違う
向山 洋一
教師は,教科書を使うことが決められている。学校教育法にはっきりと書かれている。
教科書を使わない教師たちがいて,裁判になった。「内容は扱っている」「プリントには,教科書のことが書かれている」などと主張したが,認められなかった。
「プリント」は,「教科書ではない」のである。当然のことだ。福岡高裁,最高裁で判決が出た。教師は全員,懲戒免職になった。
ところが,現在,算数の問題解決学習をすすめる教師は,「教科書を使うな」「授業中教科書を見せるな」と主張している。
明確な法例違反であり,懲戒免職ものである。日本中にいっぱいいる。
〔最新の報告〕
■若い先生の授業を見る機会があった。算数の授業。
私が教科書を使うと指導し,問題の読ませ方,指示の出し方など,知っている限りを教えた。しかし,新任研という名で、教頭からしつこく「教科書は見せない,閉じる」と指導を受け,教科書を閉じさせていた。
閉じさせたはいいが,先生がどうしていいかわからない表情なのはすごく伝わった。「どうしますか?」と聞くと,式が出ておしまい。「他にありませんか?」と聞いても出ない。できる子が発言するだけ。他の子は,鉛筆や定規をさわって遊んでいる。
終わったあと,「困っていたよね」と聞くと,
「そうなんです。どうしたらいいですか」
現実はそうだろうと思った。教科書を閉じたところで何をしていいかわからない。何でこんなやり方をしつこく教えるのだろう。■
百玉そろばんは,かつて日本中の小学校で使っていた。教科書も百玉そろばんだった。
いつの間にか,「タイル」「ブロック」に追い出されてしまった。組合を中心に広がった。
私たちは,百玉そろばんを復活させている。ブロックの30倍は効果がある。
1と2しかできなかった自閉傾向の子どもも変化した。その報告である「かたまり」をつくれるのがどれだけ重要かと思うと,「すごい」としかいいようがない。これぞ教師の仕事である。百玉そろばんだからできたのだ。
■百玉そろばんすごい!
支援学級の自閉傾向のT君。
順番じゃないとものを数えられなかった。
4月に百玉そろばんで,数えずに,1度でつくれるのは1と2だけだった。
4月から約2ヶ月間,百玉そろばんでの,1から10の順唱・逆唱,10の階段,数つくりを授業のパーツに組み込んで取り組んできた。
はじめは,数をつくるのに,「いーち,にーい,さーん,うー!さん!」と絶対に順番に数えていた。
でも,それを毎日,続けた。
平山先生の講座で聞いた話が頭の中にあった。「できることを繰り返し,繰り返しやり続ければ,子どもの脳は変化します。シナプスのつながりが変わります」
そしておよそ,2ヶ月。
先週,「3」を1度でつくることができた。
「そう!そう!3だね。よくできた。かしこい!すごい!」
めちゃめちゃほめた。自分もうれしかった。
そしたら,今週になって,「5・6・7・8・9・10」まで自分でつくれるようになった。さらに,数えなくても「見るだけ」で,それがいくつかを「10」まで言えるようになった。
T君は,去年1年間,2つ以上の数のかたまりを意識できなかった。2つ以上は,順に数えてしまっていたらしい。
それがこの2週間で,怒濤のような変化である。努力曲線の話そのままだなと思う。■
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- 明治図書