- 特集 「算数で討論」教材がしっかり定着する授業
- 〈巻頭特集論文〉シンプル,明快,知的で美しい発問―算数「向山の授業」を追試した強烈な手応え―
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- 論文審査解説ページにある向山の授業は,「教材研究を発問にまで凝縮できる能力」の結晶である
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- この教材&発問・指示で討論がうまれる
- [1年]1年生は教師と討論をして言葉を整理させる
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- [2年]「局面の限定」「式と図,言葉との対応」で討論の授業を仕組む
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- [3年]示された答えをもとに討論する
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- [4年]討論を通して量感を身につける
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- [5年]向山氏の論文から発問づくりのための思考回路を学ぶ
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- [6年]討論成立の条件を意識すること
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- ミニ特集 これができたら合格!学期末まとめ問題60選
- [1年]つまずきには,繰り返し具体的操作をさせる
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- [2年]1学期の学習を総チェック!
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- [3年]ポイントを押さえてチェックする
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- [4年]計算間違いしやすい部分を確認
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- [5年]この10問で1学期の確認ができる
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- [6年]基本問題をしっかりと定着させる
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- 表紙のイラスト (第28回)
- 問題:立方体の面に上下左右それかを指す矢印を描きます。矢印の描き方は全部で何通りですか。
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- グラビア
- 講師の代案に,「おぉー!」のため息の連続!!
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- 〜向山型算数セミナーIN東京 2013.4.7〜
- イラスト競演!向山型算数ハイライトシーン (第4回)
- 全員が時計を読めるようにしよう!の巻
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- びっくりドッキリ!当世教育事情 (第4回)
- 大阪市の評価テストが白黒!?である教育事情
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 教師の力量を上達させるには,練習して型を身につけることである
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- 教科書3割増に対応する学年別教科書の教え方 (第16回)
- 1年「のこりはいくつ」
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- 1年「ちがいはいくつ」
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- 2年「3けたの数」
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- 2年「水のかさのたんい」
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- 3年「あまりのあるわり算」
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- 3年「あまりのあるわり算(あまりを考える問題)」
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- 4年「垂直・平行と四角形」
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- 4年「折れ線グラフ」
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- 5年「合同な図形(意味・弁別)」
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- 5年「合同な図形(作図)」
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- 6年「比と比の値」
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- 6年「比と比の値(比の利用)」
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- 初心者のための基本技レベルアップ講座 (第4回)
- 算数教科書を活用して教師の「説明」を削る
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- 「論文審査」突破力をつける (第4回)
- 石の上にも3年,5年,10年!必ず成果は表れる
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- 算数教科書教材に挑戦/論文審査 (第164回)
- シンプルにスッキリと理解させることが大切だ
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- 向山型算数実力急増講座 (第166回)
- 説明を制する者は「学テ」を制する
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- 向山型算数WEBサロン (第160回)
- 教材教具を有効に活用すると「対称な図形」で平均90点を実現できる
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- 〜ザ宿題・直写ノート・電子黒板〜
- 甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第52回)
- 説明する型をワークを作り教える
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- 「わかる」より「できる」
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- 中・高・塾教師の告発状!学力不足がもたらす悲惨な実態 (第16回)
- 高校教師が小・中学校教師に望む3つのこと
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- 生徒を救うためにも教師は学び続ける
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- 発達障害への林ドクター教育コーチ!教師が切れた発達障害児の言動Q&A (第52回)
- 教師の行為や言葉を否定的に捉える子どもへの対応
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- <子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第40回)
- 低学年/「はこ→つつ→ボールチャレラン」
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- 中学年/「mg→g→kgチャレラン」
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- 高学年/「分数→小数→分数チャレラン」
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- あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第40回)
- <今月のテーマ>保護者と一緒に学ぶ「親学」 おすすめの授業&情報
- 〈1年〉子どもの様子と一緒に伝える保護者会の親学〜お箸の持ち方や親子の会話〜
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- 〈2年〉良質な資料と実態調査が決め手
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- 〈3年〉日本の子育ての素晴らしさを伝える
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- 〈4年〉親にも力を与える1/2成人式
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- 〈5年〉保護者会で「算数の教え方」や「ノート指導」について体験してもらう
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- 〈6年〉親子で取り組もう「昔の教科書」
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- 「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第52回)
- TOSS教材でAさんができた!
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- すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第28回)
- 楽しく数学的思考力を高める問題
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- プロが解説!教材研究「基本用語」事典 (第4回)
- キーワード「合同条件と決定条件」
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- 向山型算数セミナー
- 算数で討論の授業
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- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 向山型算数は学力を保障する
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- セミナー模擬授業での学び
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- 論文ランキング
- 4月号
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- TOSS最新情報
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- 珠玉の論文に出会い、共感する
- 編集後記
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- 「子ども算数検定」に挑戦! (第4回)
- 7月
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- 算数教科書教材に挑戦/指定教材 (第166回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 教師の力量を上達させるには,練習して型を身につけることである
/向山 洋一
何かを練習するとき,上達したいと努力するときは,「練習する方法」「上達する方法」があったはずである。
サッカーでも,ピアノでも,書道でも,少林寺でも,ダンスでも,合唱でも,スイミングでも,何でもいい。そこには,「練習する方法」「上達する方法」があったはずである。
「自分で思うようにやってごらん」で,ピアノはうまくならない。指導者の思いつきでやってもうまくいかない。
「練習方法」とか「上達方法」のほとんどは,その道のトッププロが作ってきた方法である。その方法がすぐれていれば,多くの上級者をうみ出す。小澤征爾をはじめ100名からのトッププロを育てた「齋藤メソッド」のように。
教師は,「わり算ができる子に育てる」が,つまり,その問題を解けるようにするが,実はそのことを通して,「わり算の解き方・やり方」を身につけさせるのである。つまり,すべてのわり算ができるようにさせるのである。
それがメソッドであり,型である。「子どもの学び合い」では,絶対に出てこないのである。教師さえ自覚していないことを,子どもが発見することなどあり得ないのだ。
教師は,メソッド,型つまり「基本型」を自覚して身につけていることが大切だ。
そういう教師だけが,できない子を伸ばしていけるのである。
栃木の松崎先生は,転校生の母親から「勉強が全くできない子」といわれた子どもへの指導を次のようにした。
■東京から転校生がきた。母親によると,まったく勉強ができないという。とにかく何をやらせても遅いという。
算数のはじめにテストを行う。わり算がほとんどできない。最初にわり算の問題があれば,そこで止まって,あとの問題はほとんどやらない。
たしかに,4年生で学習したことがほとんどできない。それでも救いは,かけ算九九は言えた。これで大丈夫だと思った。
教室で算数の学習をした。転校生は,はじめテストを行う。結局,1問もできなかったのだ。わり算を見ると,「私できない,難しい,わかんない」の繰り返し。30分程度だったが,わり算やひき算の指導をする。
商の立つ位置を決める
立てる
かける
うつす
ひく
おろす
この繰り返しを数回行う。立てるというのが一番難しいが,この子は指でかくして商を立てることをすぐにマスターした。
ひく数が大きければ,商を1つ小さくすることも簡単に理解した。
こうして,何度か行えば,必ず正しい商にたどり着くことを覚えた。わり切れると,何となく気持ちがいいとも言っていた。
「1年後には,わり算なんて簡単といっているよ」そう話すとうれしそうだった。■
(向山) 線で囲んだ所がわり算指導の型である。いくら強調しすぎてもいい部分だ。
この型は,多くの教師の努力で完成した。昔は「うつす」がなかった。そこで,つまずく子どもがけっこういのたのである。
「うつす」は,向山の発明である。「うつす」が入ることによって,この指導システムは更に完成された。
これを,「どの教材で,どのように学習させる」のか。それが教師の技量の基本となる。
上級の教師に自分のやり方を見てもらって指導を受けなければ,上達はない。練習するしか教師技量の上達はないのである。
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- 明治図書