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- 編集後記
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特集について
多動性・衝動性を持つ子にどう対応するか
東京学芸大学教授/松村茂治
先般,刊行されたばかりの「LD&ADHD」誌を,大学で勉強されている小・中学校の先生方にお見せすると,異口同音に,今,現場で一番必要とされている本だとおっしゃってくださいます。彼らのほとんどは通常の学級の担任で,必ずしもLDやADHDを持つ子の指導を専門にしているわけではありませんが,今,通常の学級の先生たちこそ,こうした問題について勉強しなければならないと力説します。
もちろん,そうした診断名をつけられた子が通常の学級に在籍するようになり,教師として,どういう性質の問題かを知っておきたいということもありますが,先生方の最大の関心事は,そうした子どもたちの示す「多動性と衝動性」にあるように思えます。
授業中なかなかおしゃべりを止めなかったり,落ち着きがなかったりする子,あるいは,何か気に入らないことがあると,すぐにカッとして大声を上げたり手が出てしまうような子が一人でもいたら,学級経営という観点からは,教師にはかなりの負担がかかってくることになります。
「学級崩壊」の原因の全てが,そうした子どもたちにあるとは言えませんが,文部科学省がまとめた「学級経営をめぐる問題の状況とその対応」(平成12年)には,「学級がうまく機能しない状況」の1つの類型として「特別な教育的配慮や支援を必要とする子どもがいる事例」をあげ,そのなかでLDやADHDとの関連のある場合を指摘しています。
上記の報告書のなかには,そうした子どもたちとどうつき合っていったらいいかについての具体的な方策は書かれていません。これから,一人一人の実践のなかで,明らかにされていくことが多いのだと思います。多動性と衝動性にどう向き合っていくことが可能なのか,一緒に考えていきたいと思います。
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