- 特集 子どもの未来を照らす「アセスメント」基礎
- 特集について
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- 〈提言〉アセスメントが照らす子どもの未来
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- 〈解説〉認知能力のアセスメント
- WISC-Xを支援に生かすため
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- 〈解説〉実行機能のアセスメント
- 実行機能の見立てと支援
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- 〈解説〉学力のアセスメント
- 読み書きの見立てと支援
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- 〈解説〉適応能力のアセスメント
- Vineland-U適応行動尺度を支援に活かす
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- 〈解説〉言語能力のアセスメント
- ことばの発達のつまずきの見立てと支援
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- 〈解説〉運動能力のアセスメント
- DCDの見立てと支援
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- 〈実践〉アセスメントから個別の指導計画へT
- 書字の困難さがあり,学習全般に意欲が低下した子どもへの支援
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- 〈実践〉アセスメントから個別の指導計画へU
- アセスメントを指導・支援に活かす〜不器用さ,視機能のつまずきがあるケース〜
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- ESSAY
- 発達障害と「個を重んじる」教育
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- 写真で見る運動発達支援と教具 (第9回)
- 学校生活への参加を楽にするアイデア@ 授業の準備
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- 発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第45回)
- ページ開きでちょこっと支援
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- 発達障害のある子どもへのキャリア教育 (第1回)
- キャリア発達と子どもの思い
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- 発達障害と医療の最新情報 (第1回)
- オンライン診療は知的・発達障害の診療に何をもたらすか?
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- 教室で行う みんなの認知行動療法 (第1回)
- 授業準備を始める―Plan(計画)―
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- 特別支援教育コーディネーターの仕事術 (第1回)
- 過ごしやすい学校づくりのために
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- 〜コーディネーターこそ助けられ上手に〜
- 通級指導教室 私の教室紹介 (第1回)
- 自分をみつめ,自分の良さを発揮する子をめざして
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- 発達障害と不登校 (第1回)
- 不登校の背景にある発達障害
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- 一度は手にしたい本
- 教師の流儀(川上康則著)/大学生の時間管理ワークブック(中島美鈴・若杉美樹・渡辺慶一郎著)
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- 特別支援教育ステップアップ講座 (第22回)
- 有資格者としての倫理
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- S.E.N.S実践の小箱 (第6回)
- 集中・見る力をつける指導を軸に通級指導を組み立てる
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- SENS for S.E.N.S (第40回)
- S.E.N.Sになって
- 人とのつながりを大切に
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- 笑顔につながる 笑顔でつながる
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- 特別支援教育士資格認定協会からのお知らせ
- 編集後記
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編集後記
本特集では,子どもの未来を支えるために重要な「アセスメント」について,その基礎と活用方法を取り上げました。私たちが日々直面する支援現場では,子どもたち一人ひとりの特性や課題を的確に捉えることが,最適な指導や支援を行うための出発点となります。そのために欠かせないのが,認知能力や実行機能,学力,適応能力,言語能力,運動能力といった多様な側面から子どもを理解することです。
認知能力や実行機能は,子どもが情報を処理し,問題を解決する力を把握するための重要な手がかりとなります。また,学力や言語能力,運動能力,さらには適応能力といった多様な観点からの情報を得ることで,子どもの姿を立体的に捉えることが可能になります。しかし,これら多くの観点から得られた情報を統合することは決して簡単ではありません。この過程は,まるで探偵が手がかりを集めて謎を解くような作業に似ています。支援者は多様な情報をもとに推理を働かせ,子どもの特性を解き明かしていくのです。このプロセスには難しさも伴いますが,同時に発見の楽しさもあり,支援者自身が楽しみながら取り組めることを願っています。
これら多角的な情報を得た上で,次に求められるのは,それらをいかにして個別の指導計画に落とし込むかということです。アセスメントで得た結果は,それ自体がゴールではなく,あくまで子どもの未来を照らすための道しるべに過ぎません。その道しるべをもとに,支援者や指導者は子ども一人ひとりに最も適した指導や支援を設計していく必要があります。
本特集を通して,多くの皆様が改めて「アセスメント」の重要性に気づき,実践に活かせる新たな視点を得ていただけたなら幸いです。アセスメントは時に難しく,複雑に感じられることもありますが,その先には子どもたちの笑顔や成長があります。私たち支援者自身も試行錯誤しながら,一歩一歩前に進んでいくことが大切だと感じます。
最後に,特集をまとめるにあたり,多くの執筆者や関係者の方々のご協力に心より感謝申し上げます。この特集が,支援現場で頑張る皆様の一助となり,子どもたち一人ひとりの未来をより明るいものにすることを願ってやみません。
/小笠原 哲史
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- 明治図書