- 特集 確かめよう!支援の効果とその評価法
- 特集について
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- 提言
- 実践できる評価と効果的な評価
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- 事例 支援力をつける「支援の効果」確認法
- 【小学校】1 子どもが成長を実感する指導と評価のサイクル
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- 【小学校】2 子どものつまずきに気づき すすめる ひらがな指導
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- 【小学校】3 「安心」と「自尊心」がキーワード
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- 【小学校】4 発達障害の理解につながる相互理解教育の授業効果―多面的評価を通した児童理解と参観教師の実践意欲の把握―
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- 【小学校】5 PDCAサイクルを意識した支援をめざして―実態把握から結果の検証まで―
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- 【中学校】6 全校体制で授業のユニバーサルデザイン化を実践するための評価の工夫〜校内研修を中止にしたPDCAサイクルを通して〜
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- 【中学校】7 LDI−Rを使った通常の学級の生徒のための効果的な支援でスピーディーな評価につなげよう
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- 【中学校】8 個別学習支援の進め方
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- Essay
- 特別支援が特別でなくなる日を求めて
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- 子どものページ
- 作品名「大平17面相」/作品名「描き初め」
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- 【特別寄稿】CBM:学習支援の効果を客観的に評価する
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- 親の会ニュース (第42回)
- 共に支え合い,共に生きる
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- 〜自閉症の人たちとの共同体が新しい社会をつくる〜
- 医療との連携 (第42回)
- オプトメトリストの視点から
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- 〜見る力が弱い子どもへの具体的支援 眼球運動トレーニング〜
- 実践の小箱/臨床学校現場から (第40回)
- 学習障害のある児童への算数指導について
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- 〜指導へつなぐアセスメント〜
- 情報最前線/行政や海外の動向は (第42回)
- 米国における発達障害のある子どもへの支援機器の動向
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- 選べる! ユニバーサルデザインな授業づくり (第2回)
- 「協同学習」のススメ
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- 〜子ども同士の学び合いの力でユニバーサルデザインな授業ができる〜
- LDのための英語教育 (第2回)
- LDが英語でつまずかないために
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- 〜英語の音を獲得し、読みにつなげる〜
- 誤り分析から子どもの算数を支援する! (第2回)
- 文章問題の誤り分析
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- 発達障害の子どもを持って (第6回)
- 支えられて今,そして将来へ
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- 一度は手にしたい本
- 『幼児自閉症の研究』(L.カナー著)/『RDI「対人関係発達指導法」』(スティーブン E.ガットスティン著)
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- 編集後記
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特集について
緒方 明子/明治学院大学教授
様々な教育の現場でもPDS(Plan−Do−See)サイクルの意義が認識されるようになってきました。新しい施策や制度の評価だけではなく,新しい教授法やプロジェクト研究等の取り組みについて,必ず評価が伴うようになってきています。新しいことを試みたならば,その成果を評価するのは当たり前のことのように思われますが,必ずしも常に行われているわけではありません。特に教育の領域では,私見ではありますが,明確な結果に対する評価を行うことなしに,新しい試みがいつの間にか拡がってしまい,さもそれが普通のことのように扱われていることがいくつもあるように感じられます。例えば,学校選択制です。どのような成果があったのか,あるいはどのような問題があったのか。まだまだ拡がりを見せているものの,止める地域も出てきています。
子どもへの支援は途中で止めたり,あるいは明確な根拠もなく新しい指導方法をやみくもに取り入れたりすることは許されません。やはり,支援を実施することにより,それが本当に効果があったのか,子どもの成長につながったのか,あるいは教師の力量の向上に寄与したのか,ということが確かめられなくてはなりません。
支援の効果を確認するためには,支援を実施する過程で以下のような手続きが実施されていることが必要です…@実態把握,A指導目標の設定,B支援方法の工夫,C記録の取り方や記録用紙の工夫,D変化の把握,E目標が達成されたかどうかの評価。
これらのことを通常の学級で完璧に実行することは難しいかもしれません。しかし,工夫により,実践していることを評価して次の支援につなげることは可能です。通級指導教室や特別支援学級で行っている評価の方法も参考になるはずです。本号では,支援の効果を確認する方法について,いくつかアイデアを提供していただき,日々の実践に取り入れながら支援力の向上を目指したいと思います。
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- 明治図書