- 特集 小・中学校特別支援教育5年の成果と今後の描き方
- 特集について
- 総論
- 1 特別支援教育の求めたもの、そしてこれから
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- 2 特別支援教育の積み上げと方向性〜今後のシステム創り〜
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- 事例【行政から】
- 1 神奈川県における特別支援教育に関する取組について
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- 2 「担任力」を育む学校を創る
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- 事例【小・中学校教育現場から】
- 3 一人ひとりに応じた特別支援教育の校内体制づくり〜全職員で作る個別の教育支援計画をもとに〜
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- 4 理解のすそ野を広げた5年→個に応じたきめ細やかな指導へ
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- 5 中学校の特別支援教育コーディネーターの役割〜通常の学級の支援において〜
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- 6 副校長はコーディネーター
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- 7 連携をいかした特別支援教育をめざして〜小規模校の利点を生かして,フットワーク軽く〜
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- 8 互いの気持ちが響き合う瞬間〜交流及び共同学習を通して〜
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- 9 通常の学級での授業づくりの「今」と「これから」
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- 事例【特別支援学校から】
- 10 特別支援学校のセンター的機能のこれまでの推移〜全国特別支援学校知的障害校長会の調査研究から〜
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- 事例【保護者から】
- 11 当事者から見た特別支援教育の課題〜保護者の立場から〜
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- 楽しく学ぶ簡単手作り教材 (第18回)
- 〈三匹の子豚〉牛乳パックシアターのはじまり、はじまり
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- 授業がはずむ「おすすめアイテム」 (第85回)
- おすすめアイフォーンアプリ! テレビに映して楽しさアップ
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- 提言
- 子どもの学びを見据えた合理的配慮を
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- 問題行動への対応のコツ
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- 〜アセスメントから支援方法を導く〜
- 「6つの喜び」の場面を設定しよう!
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- 授業を面白くする手づくりグッズ
- さまざまな場面で使える手作りタイムエイド
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- 動きのある絵本
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- 〜仕掛けのない絵本〜
- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】「読みたい! 書きたい!」気持ちを大切に
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- 【算数・数学】好きな物を数えて詰めよう
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- 【造形】「パロディマスク」で楽しもう!
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- 【音楽】ゲーム感覚で強弱を表現しよう
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- 【生活単元学習】「三尺ささげ」を育てよう!
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- 【自立活動】聴覚に過敏のある児童への対応
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- 〜刺激を能動的に、選択的に取り入れる〜
- コーディネーター便り (第30回)
- まずできることをやってみよう! 続けていこう!
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- 障害理解教育をどう進めるか (第6回)
- 交流及び共同学習と障害理解
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- トピックス (第30回)
- 「交流及び共同学習、副次的な学籍、特別支援教室構想等」について
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- 〜第13回中央教育審議会「特別支援教育の在り方に関する特別委員会」配布資料より〜
- フォトライブ「授業」Part22/鳴門教育大学附属特別支援学校 (第3回)
- 小学部/生活単元学習「調理」
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- 〜見通しをもって取り組む調理活動〜ラーメンを作ろう!〜〜
- 将来の「働く生活」を実現するキャリア教育 (第6回)
- 「働く生活」を実現するための能力や態度を育てる「家庭との連携」
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- 情報機器のなるほど活用術 (第30回)
- 大画面でアプリを見よう
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- 【特総研】発達障害教育情報センター発! (第6回)
- いろいろな教材教具・支援機器
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- 子どもへの支援 手作り教材の活用例 (第6回)
- 九九が苦手な子ども
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- 視覚シンボルでコミュニケーション (第6回)
- 社会へ シンボルやVOCAを味方に
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- 【小学部低学年】文字・かずの指導のポイント 発達支援と教材・教具 (第12回)
- 特別支援学校における「文字・かず」の指導を振り返って
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- 発達障害にかかわる医療と教育の連携 (第6回)
- 「発達障害の捉え方」を通して連携を考える
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- 編集後記
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特集について 小・中学校特別支援教育5年の成果と今後の描き方
平成19年4月1日,学校教育法の一部改正の施行から,特別支援教育の実施が開始されました。それまでの準備期間にも,多くの地域・学校では,少しずつ様々なチャレンジを地道に行ってきていました。しかし,法的に裏付けられた全国一斉のスタートは,特別支援教育の歴史的なターニングポイントであったことは確かです。
あれから5年。私たちは,特別支援教育の開始に至った子どもたちの教育的なニーズに,そして,教育的な課題に,どれだけ応えられてきているのでしょうか。今後の取り組みの方向性を明確にしていくには,「できてきたこと」「課題」を,実践者の視点で浮き上がらせていくことが大切です。
今回の特集では,小学校・中学校の特別支援教育の実践・成果に焦点を絞ってみることにしました。「小・中学校特別支援教育5年の成果と今後の描き方」をテーマにし,それぞれの立場で「努力したこと」「今後の課題」を提起しました。
まず総論では,特別支援教育へと転換する必然はなんだったか,求めていたことは何かの基本も含めて,現在の特別支援教育全体を見渡す視点を示唆しています。
次に,何より全国各地での取り組みです。特別支援教育のスピリット・方向性を希求しながら,それぞれの地域・学校の実態・ニーズに沿って試みてきた実践は,地域・学校の数だけあるはずです。同時に,それぞれの立場から尽力したこと,見えてきたこともあるかと思います。すべてを紹介することは,もちろん難しいわけですが,その分,それぞれの視点の共有が大切です。「取り組むうちにこんな考え方が生まれた」「こんな関係ができてきた」……。そんな具体的な成果の積み重ねが特別支援教育には大事なのではないでしょうか。
「5年も経ったのに」「まだ,5年でしかないのだから」見方はそれぞれです。どちらにしても,特別支援教育はポジティブ志向が一番の財産です。できていることを大事にして広げる,今後のできることを1つでも多く探していく,それには全国の知恵,先行経験から学んでいくことで,新しいスタートが切れると思います。
「特別支援教育の実践情報」編集代表/東洋大学教授
宮ア 英憲
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- 明治図書