- 特集 「学びの連続性」を実現する! 主体的・対話的で深い学びの視点からの教科の授業づくり
- 特集について
- 総論
- 知的障害のある児童生徒に対する「学びの連続性」を実現する授業づくり
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- 主体的・対話的で深い学びを追求する授業づくりのポイント
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- PDCAサイクルを活用した教科指導と評価の要点
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- いまさら聞けない! 特別支援教育における「主体的・対話的で深い学び」
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- これだけはおさえておきたい! 各教科の授業づくりのポイント きほんの「き」
- 【国語】授業づくりのポイント きほんの「き」
- 言葉の三機能・三要素に着目し,言葉への自覚を高める
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- 【算数・数学】授業づくりのポイント きほんの「き」
- 数量の概念の把握と,使って身につく教材教具の選択
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- 実践 主体的・対話的で深い学びの視点からの教科の授業づくり
- 特別支援学校 小学部
- 【算数】「自分で考えさせる」ことでできる自信を育む
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- 【音楽】主体性を引き出す音楽の授業づくり
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- 特別支援学校 中学部
- 【国語】教材との対話を大切にした学習
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- 【体育】友達と一緒に「楽しい!」「またやりたい!」授業づくり
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- 特別支援学校 高等部
- 【社会】生徒が主体的に社会と関わり,生活を豊かにする授業を目指して
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- 【音楽】表現力を深めるために
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- 小学校 特別支援学級
- 【国語】学習の楽しさを主体的に味わいながら語彙力を向上させる授業づくり
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- 【音楽】音楽が楽しいと思う授業づくり
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- 中学校 特別支援学級
- 【理科】釣りゲームを通して,磁石の性質をとらえ直す
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- 【体育】コミュニケーションから生まれる主体的な授業を目指して
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- トピックス (第69回)
- 特別支援学校教育要領・学習指導要領解説 総則編(幼稚部・小学部・中学部),各教科等編(小学部・中学部),自立活動編(幼稚部・小学部・中学部)の公表について 他
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- わたしと特別支援教育 (第15回)
- サラマンカ宣言から仁川宣言 星槎で見てきたこと
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- 子どもの心理的負担を減らし,スモールステップで不安を取り除く「道具と遊びを利用した緘黙改善プログラム」
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- 子どもにあった英語学習を目指して!
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- 〜小学校通級指導における英語指導の試み〜
- 授業を面白くする手作りグッズ
- みんな大好き 大きなすべり台
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- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】構成を意識した,わかりやすいレシピの作り方
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- 〜オリジナルレシピを残そう〜
- 【算数・数学】重さの比較の理解が不十分な生徒に対する授業実践
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- 〜見た目の重さにまどわされないようにするために〜
- 【造形】紙すきでクリスマスグッズを作ろう
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- 〜生徒一人一人がもつ力を発揮できる“学び合い”の工夫〜
- 【自立活動】自分でできる自信をつける
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- 〜アシストスマホ,タブレットの活用を通して〜
- 写真で見る 工夫がキラリ★教室環境づくり・校内環境づくり (第3回)
- 子どもが自分で「わかる」教室環境づくり
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- 手と目で話そう! 言葉の前のことばとしての教材教具 (第3回)
- 言葉に至る学びB 点の世界から形の世界へ
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- はじめて特別支援学級の担任になったら―Q&Aでズバッと解決! (第3回)
- 個別の教育支援計画や個別の指導計画は,どのような手順で作成したらよいですか?また、そのときの留意点は何ですか?
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- 子どもの個性に寄り添って♪ 感覚統合の考え方を生かした指導のアイデア (第3回)
- 感覚情報処理の問題〜パート2〜
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- 知的障害のある児童生徒の主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善 (第3回)
- 学びの文脈をつくる単元・授業の展開
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- 発達障害がある子のためのグループプレイセラピーにおけるコミュニケーション支援 (第3回)
- 展開期におけるグループプレイセラピーのプログラムについて
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- コピーして使える! 文字が苦手な子のための絵枠トレーニング (第3回)
- 10までの数字を覚えよう
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- どの子も楽しく! 指導のポイントがバッチリわかるわくわく造形活動 (第3回)
- みんなが夢中になる!モダンテクニック フロッタージュ
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- 特別支援教育最前線―紹介します,わが県のホープ&エース (第3回)
- 石川県
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- 編集後記
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編集後記
特別支援学校学習指導要領の改訂の基本的な方向性は,幼稚園教育要領や小学校・中学校・高等学校学習指導要領の改訂の基本的な方向性と変わりません。社会において自立して生きるために必要な生きる力の理念を具体化し,教育課程がその育成にどうつながるかをわかりやすく示すとされています。
特別支援学校の現行の学習指導要領では,幼稚園や小学校・中学校・高等学校に準ずる教育を施すとともに,障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識を授けることを目的としています。しかし,新学習指導要領では,いわゆる「準ずる教育」から,異校種間における学習指導要領相互の連続性を考慮した改訂となっています。特に,知的障害者については,小・中学校と同様に育成を目指す三つの柱に基づき,各教科の目標や内容が整理されました。
すなわち,幼稚園,小学校・中学校・高等学校と特別支援学校が,これまで以上に近づいた学習指導要領等となり,インクルーシブ教育システム構築のために,相互の連続性がさらに重要となってきています。授業づくりにおいても,特別支援学校や特別支援学級では,今後さらに連続性を考えた教科指導を行っていく必要があり,幼児児童生徒一人一人の状態を的確に把握した個別の指導計画を作成するうえでは,育成を目指す三つの柱に基づいた目標を明確にし,指導計画を作成することが必要となります。
また,育成すべき資質・能力を身につけるための教育的アプローチとして,障害のある幼児児童生徒に効果的な主体的・対話的で深い学びを追求していく必要があるでしょう。従来,障害のある子どもの興味・関心を引き出すことは,特別支援教育において重視されており,そのことを一層,主体的・対話的で深い学びにつなげていくことが求められています。
さらに,これらの授業づくりを進めていくためには,新学習指導要領の趣旨をふまえた評価を実施することも大切です。これまでのPDCAサイクルを見直し,評価・改善がより効果的に行われることが,よりよい授業づくりへとつながっていくことでしょう。
以上のことから,新学習指導要領の改訂の趣旨をふまえた各教科の授業づくりについて方向性を探るとともに,その方法としての主体的・対話的で深い学びの実践,常に改善を目指すためのPDCAサイクルの確立等に関して,先進的な取り組みを行っている学校の実践をご紹介いただきました。読者の先生方の参考にしていただきたいと願っています。
/是枝 喜代治・山中 ともえ
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- 明治図書