- 特集 通知表―子どもを伸ばす親の見方・誉め方
- 立派な子どもに育てるために通知表のどこを見るか
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- 通知表を大きく3つの視点で見ると
- 通知表を見る視点は「わかりやすい」「励みになる」「方向が示されている」の3点
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- 誉めて励まし、認めて伸ばすもの
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- 学習活動の効果の一部分です
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- 通知表から見える学力、安心してはいけない評定
- 単元末テストの結果から見えること
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- 通知表のつけ方はまだバラバラなんです
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- 絶対評価の曖昧さと教師の見栄が反映している通知表が存在する
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- 通知表同じAでもこれだけ違う
- 不安定な基準と教師の裁量の幅が違いを生む
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- 教師によって、授業の質によって変わるA評定
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- 算数ノートを見れば本当に学力がついたのか一発で分かる
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- 算数テストどれだけとれば安心か
- 80点をめやすに、3つの観点のチェックも万全に
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- 間違いの傾向をつかめば、弱点は克服できる!
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- 国語テストどれだけとれば安心か
- 大きくパターンに分けてから観点を見る
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- 国語は音読と漢字が基本。テストの目標は95点です。
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- 所見の受け止め方
- どんな記述でも子どもを誉める材料にしよう
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- 「所見」に書かれた教師の思いをこう読む
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- よい所を心から誉めてやる気をもたせましょう
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- 私はこうして通知表を見て子どもを誉めた
- 「本気」「頑張り」「変化」を見つけられるか
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- 「たかが通知表」と思っている悪い親です
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- 「がんばろう」をもらっても励まし続ける
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- 通知表の思い出
- 親として思ったこと「通知表は、具体的な描写で書いてほしい」
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- 小学生の時に、深く、深く心を傷つけられた所見
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- けなされて育つか、認められて育つか
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- 通知表は子どもを励ますものであってほしい
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- 時を経て通知表が教えてくれたもの
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- 困った親の通知表への苦情
- 本当に困ってしまう二つのケース
- バランスよく育ったときが一番よくのびる
- ミニ特集 小学校英会話の授業
- 小学校英語の原則
- 第一に聞く、第二に話すの順で…中学校英語教育の失敗をくり返さないために!
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- TOSS英会話の原理
- 中国もイギリスも「聞く・話す」からスタート!TOSS英会話の原理は世界のスタンダード!
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- まずたくさんの「聞く」から始めましょう
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- 保護者が感動し、子どもを意欲的にするTOSS英会話の授業
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- 参観日で英会話の授業を行う
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- 楽しくて力のつく小学校の英会話授業
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- イラストで見る家庭教育のポイント (第16回)
- 友だち
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- 家庭教育のポイント (第16回)
- 「一人ぽっちの子」が発見できれば解決する手はいくらでもある
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- 編集前記
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- PTA会長奮戦記
- 何事も全力投球
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- つぶやきに見る子どもの成長
- 名詞にふさわしい動詞・二語文のはじまり
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- 園長が語る子育ての極意
- 二輪の和―保育園と家庭の和―
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- 校長が語る子育ての極意
- 我が子を叱ることができますか?
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- 医師 普通の家庭教育の大切さ
- 思春期挫折症候群―子供には自由が必要―
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- 医師 私の子育て日記
- 徳育のすすめ―あいさつと和顔施―
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- 教師・読者座談会 (第4回)
- TOSSデーや五色百人一首大会に参加されたお母様方にお集まりいただきました。
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- 最新最大の子ども調査
- 七夕の願い事が減ってきた
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- 年少のドラマ、年中のドラマ、年長のドラマ
- 年少/やったね!みんながチャンピョン
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- 年中/心の扉
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- 年長/子ども達の輝かしい未来を願って
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- 小1のドラマ、小2のドラマ、小3のドラマ
- 小1/くものたいしょう
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- 小2/「上手!これが2年生の初めて描いた絵?」と口々に聞こえてくる酒井式描画法
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- 小3/ゲーム脳の恐怖
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- 古今東西人類の知恵「子育て語録」
- 子どもを伸ばす鉄則
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- 心に残る名作・名詩―父を思う・母を思う―
- 読書好きの父に買ってもらい、何度も読んだ『床下の小人たち』
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- とっておきの話・親子でお話ぬりえ
- ブルちゃん 三日坊主からの脱出
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- SOS 子ども・親が電話相談をする時
- 子どもの気持ちがわからない
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- 保健室から1ページ
- 夏休みがやってきます!
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- こんなときどうする?平山先生!
- 集中できないことはひらめく力/五色百人一首は前頭葉での神経ネットワーク作りに有効
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- ツーウェイチャレラン
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- 衝撃のドラマ・算数が大の苦手の子が満点をとった
- 計算の手順を言うこと、これがAさんの算数をできるようにした
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- 感謝の心は、幸福行きの切符
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- 神谷先生・辻野先生の漢字文化教室
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- 親子でイラスト作文 (第4回)
- きたかぜとたいよう
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- 酒井式描画法・感想画
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- しつけや学力以前に大切なこと
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通知表―子どもを伸ばす 親の見方・誉め方
立派な子どもに育てるために通知表のどこを見るか
向山洋一
本誌編集長/日本教育技術学会会長/千葉大学非常勤講師
無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰
TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表
子どもが学校からもらってくる通知表には、子どもの「学習の成績」「生活の様子」などが書かれています。
親として、子どもを立派に成長させていく上での貴重な資料です。子どもを立派に育てるのは、親次第なのです。
親があるからこそ、子どもは立派に育つのです。
「子どもを放りっぱなしにする」「親の気分で子どもに接する」と、子どもの成長に歪みが生まれます。
その「つけ」は、十年後、二十年後に親にもどってきます。何倍にもなってです。
「子捨て」の親が増えており、教育現場で大きな問題になっているのです。
親から放りっぱなしにされていた子どもには、三つの大きな特徴があります。
第一に、道徳規範がないことです。悪いことと、良いことの区別がつかないのです。
平気でウソをつきます。
大人になっても直りません。
中学校の先生が、廊下でタバコを吸っている生徒を注意すると、靴でタバコをもみけして、平気で「吸ってません」と言いはるのです。
信じられない人もいるでしょうが、このような子どももめずらしくないのです。
第二に、耐性がないことです。少しのことにはがまんをするということです。
自分でコントロールする力がほとんどなく、思いのままに、欲望のままに行動するのです。
「耐性」という「人間らしい人格」は、赤ちゃんの時からの長い長い時間の中で育ちますが、それがないのです。
第三に「努力する」「続ける」ということが、ほとんどできません。
すぐにあきて、投げ出します。
いかなる文化、いかなる技術も身につけるには「時間」がかかります。
ところが、すぐに投げ出すので、何も身につかないということになります。
このように育った子が、中学、高校を出ていくと、いかなる人生を歩むのか、目に見えるようです。
よほどの大事件が人生に生じて、心を入れかえることがない限り、いわゆる「負け犬」のつらい人生を送ることになります。
いつまでも親がついていられないのです。
教育の目的は、いつか「一人立ちしていける人間」に育てることです。
多くの人が願うのは「人並みに平和な、幸せな人生を送ってほしい」ということでしょう。
中には「勉強、スポーツ、音楽」などの才能を伸ばして、「豊かな人生を送ってほしい」と願う人もいるでしょう。
子どもの、幸せな人生を願う時、子どもを育てる親の責任は重大です。
では、通知表のどこを見ればいいのでしょうか。
「成績なんか、ほとんど関係ない」というのが、私の考えです。
「オールC」でないならば、あわてることはないと思っています。
ただし、小学校のうちは「算数」「国語」だけは、注意しておいてほしいと思います。
「小学校四年生までの読み書き算」ができれば、一人立ちして人生を生きていけるのです。これが、本当の最低ラインです。
算数は「教科書の問題がすべてできればよい」のです。これが、基本です。
ところが、教師の中には五割ぐらい「教科書」をまともに教えてない先生がいます。そういう先生は「問題を解決する力を育てているのです」とか「プリントで学習しています」とか、説明しますが、そこで納得してはいけません。
「教科書をきちんと教えてないクラスの学力は大変低い」からです。日本教育技術学会の全国学力調査で明らかです。
同じ学校の隣のクラスと、平均点が三十点も違った所もあります。
また、教科書をきちんと教えないクラスからは「大量の落ちこぼれ」が生まれます。
クラスの三分の一が落ちこぼれているのはザラです。
このような教師に(学校に)六年間習っていると「真性の落ちこぼれ」になってしまいます。
その子たちは、どの子も市販テストで九十点、百点をとれる能力のある子なのです。
私たちTOSSの実践では、それまで算数で〇点、五点だった「軽度知的障害」を持った子でも、五十点、八十点、百点をとる例が、全国で生まれています。
「算数の教科書の問題がすべてできるようにする」ことが、親の最大のポイントです。
学校の担任が、算数の教科書をきちんと教えてくれているなら、赤飯をたいてください。それほどラッキーなのです。
その担任は同僚から「いやがらせ」をされている可能性大ですから、励まし支えてください。良い先生を支えるのも、親の大切な仕事です。
国語は「教科書がスラスラ読める」「漢字を書ける」「原稿用紙一、二枚の作文が書ける(または、教科書の文を原稿用紙二、三枚に正しくうつせる)」三つのことが目安です。
算数、国語についての以上のことができれば「一人立ちしていくための学力の基本」は、あるといってもいいでしょう。
中学受験をする子は「教科書」プラス「一冊の問題集のカンペキマスター」が目安になります。
私はこの方法で、クラスから十一人の子を麻布、慶応、聖心、日本女子大、などに合格させたことがあります。
さて「学力」よりも、もっと大切なことがあります。
「行動規範」が身についているかどうか。
「耐性」が育っているかどうか。
努力、持続が身についているかどうか。
これこそが、長い人生を左右していくわけです。
これらのことは、通知表の中の「所見」「記録」などの文章にあらわれます。
教師は「十の悪いところ」でも「一くらい」にして「やわらかい表現」で書きます。
良いところは、そのまま書きます。
文章のところに、良いところが書いてあれば(いかなることでも)それは、すばらしいことなのです。
「貴方は、人間として立派ですよ。将来もちゃんと生きていけますよ」ということなのです。
うんとほめてやってください。
「お母さん、とってもうれしいよ」「貴方のことをほこりに思うよ」と、言ってやってください。
さて、その中に「ちょっぴり、直した方がいい」ことが書かれているのが普通です。
例えば「おそうじを、まじめにやってくれたらと思います」とか「友だちと仲良くしていくことを願います」とかいう文です。
ここを直すと、もっと成長しますよということです。
その点を、ガミガミ言っては駄目です。
まずは、子どもに聞いてみましょう。
「こんなこと書いてあるけど、思いあたることある?」
じっくりと、聞いてみましょう。
そして、解決の方向を子どもに言わせましょう。
「そう、よく分かったわ。解決するのは、貴方ができるでしょう。お母さん、信じている。どんなことを注意したらいい?」
子どもは、自分で、解決していくものです。
こうして、子どもは、大切なことを学び身につけていくものです。
注意することがあります。
「友だちといつも大げんかをする」「自分勝手に行動する」
幼稚園の時から、このように言われた子もいると思います。
「軽度知的障害」の可能性もあります。
子どもの中の、六、七パーセントはいると推定されます。一番まずいのは、そのまま放置して、なりゆきまかせにすることです。傷は大きくなっていきます。
もし不安なら「小児神経科」「心療内科」などをたずねることをすすめます。
心配しなくて大丈夫です。
医師の指導があり、親と教師が正しく理解し教育するなら、立派に育ちます。
エジソンや坂本龍馬も「ADHD(注意欠陥多動性障害)」の軽度知的障害だったのです。エジソンは母親が、龍馬は姉が立派に指導していました。
この子たちの指導で大きな効果をあげるのは、小学校二、三年生頃までと言われます。その後は、急速に困難がましていくのです。
「障害」ですから、親は「どこか変だ」と思っているはずです。何より大切なのは、専門医に相談されることです。
「何でもありませんよ。お母さんが、キリキリしているだけですよ」ということかもしれません。
特にADHDの子は、医師にかかって、見違えるように変化し、トラブルも激減したという例がいっぱいあります。成績も急上昇しています。
以上通知表の見方のポイントを述べました。
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