- 特集 日本古来の知恵に学ぶ“子育て金言集”
- 特集巻頭
- 丸暗記の「素読」が近代日本をつくった
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- 各藩の教育
- ならぬものはならぬ(会津)
- 日本古来の教育から「家訓」をつくり規範意識を身につけさせる
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- 鋭きも鈍きも、ともに捨てがたし(大分・広瀬淡窓)
- 個性を認め伸ばすことが大切です。
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- 時代を築く人材を輩出(明倫館・松下村塾)
- 教育は人を変え社会も変える
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- 自ら学ぶ教室(大阪適塾)
- 適塾の学習システムは習得型だ!
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- 現代日本まで影響を与えた中江藤樹
- 「知行合一」「五事を正す」の精神を反映した子育てを!
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- 薩摩藩「郷中教育」
- 地域の教育力として今も残る郷中教育
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- 素読の学習はなぜ優れていたか
- 素読は、近代日本の礎を築いた日本を代表する学習方法である。
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- 我が家に伝わる教えとそれに直面した時
- 弱いものや小さいものには優しくせねばならぬ
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- 「信用」と「責任」が大切だった
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- 「人様に迷惑をかけるな」「続けること」の大切さを伝えていく
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- 会話が起こる食環境 過ちをも包み込む愛情
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- 日本の教育の思想
- それ学問の学の字を「まなぶ」とよむなり
- 「学ぶ」は本来「真似ぶ」でした
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- 江戸時代に確立された教育の方法
- 〈和俗童子訓(貝原益軒)〉和俗童子訓には現代に通じる珠玉の教育論が満載。
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- 〈細井平洲〉細井平洲さんの主張は、現代にも通じる大切なことです
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- 昔から伝わるすぐれた教材
- 百人一首/百人一首は、日本語の基礎を培う
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- 百人一首/日本人の「学び方」文化の基本を押さえた、長い歴史が作り上げた教材
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- 字突き棒/読みがたどたどしい子どもも字突き棒を使うとスラスラ!
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- そろばん/動き、音があって、操作がしやすい百玉そろばんの威力
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- ミニ特集 家庭団らんがなぜ大切なのか
- 食卓教育は親からの最高の贈りもの
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- 「茶の間」と「ちゃぶ台」を復活させよう
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- 家族団らんは、心を育む
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- 言語表現の豊かな子は家族団らんの中から
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- 情報交換の場である
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- 当たり前の幸せに気づくことができるために
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- 今月の名言・格言・ことわざ (第23回)
- 和を以って貴しとなす
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- 向山編集長が語る「今月の名言・格言・ことわざ」 (第23回)
- 和を以って貴しとなす
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- 〜幼い時から耐性を育てる〜
- 編集前記
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- 子どもTOSSデーのドラマ
- 熊本/楽しかったです!また参加したいです。
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- 千葉/「跳び箱が跳べた!」学生、保護者が感動を共有!
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- 我が家のお手伝い
- 幼児・低学年/「あなたのおかげで私は嬉しい」子どもとの関係をアドラー心理学からつくってみる
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- 高学年・中学/大変な仕事を汗を流しながら一緒にやり遂げる
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- 親子で楽しむあそび 年中行事
- 身近な材料を利用しての楽しい工作
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- 今月の躾
- 背筋ピン! 口角キュッ!
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- 我が家の食卓
- お父さんの食卓「うんちく」講座
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- 全国縦断! 五色百人一首大会のドラマ
- 毎年毎回ドラマが生まれる冬の陣
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- つぶやきに見る子どもの成長
- つぶやきに学ぶ
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- 〜負うた子に教えられる・母と子の落差B叱り方〜
- シングルエイジ時代(0〜9歳)教育のポイント
- 叱りたいときがチャンス!
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- 家庭教育の創造
- 大学生はどんな家庭で育ってきたかA
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- 〜家族が心の居場所になるには〜
- 親子で楽しむ絵手紙
- 春がすぐそこまで来ているよ。豆まきで寒さを一気に吹き飛ばそう。
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- SOS 子ども・親が電話相談をする時
- 男の子のくせに泣き虫でぐずぐずしているか?
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- 保健室から1ページ
- 「献血俳句」に応募しよう!
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- こんなときどうする?平山先生!
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- キッチンからのメッセージ
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- お金をきちんとそろえるのも大切な金銭感覚。お金を大切にすることを教える。
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日本古来の知恵に学ぶ“子育て金言集”
―明治維新、近代日本をつくり上げた日本の教育
丸暗記の「素読」が近代日本をつくった
本誌編集長 向山洋一
日本教育技術学会会長、千葉大学非常勤講師。無料の世界最大の教育情報サイト、インターネットランド主宰。TOSS(会員1万名の教師の研究団体)代表。
明治維新は、ヨーロッパ以外の国で、初めて近代国家をつくった世界史的な出来事でした。
中国革命の指導者となった人々の中にも、日本に留学して学んでいった人が多くいます。
先日まで、我が家にケニアからの留学生がいましたが、明治維新のことを熱心に聞いていました。ちなみに、ケニアの学校では、広島は原爆が落ちて今でも廃墟のままであると教えられているそうです。
そこで、広島に連れて行きましたが、びっくりしていました。そして「ケニアでこのことを話しても、誰も信じないだろう」と言っていました。
さて、明治維新は、その当時の人々の知性の高さ、学力の高さがもたらしたものです。
ペリーがやって来た翌年には、日本では大型の船が造られたのです。
ペリーは、蒸気機関車とレールの四分の一の模型を持ってきて、日本人を驚かせようとしましたが、翌々年には佐賀藩で、レール、蒸気機関車を自力で造り、走らせていました。
このような高い知性と学力は、教育から生まれました。
その教育方法は「素読」が中心でした。
漢字だらけの教科書を先生が読んでやり、子どもはそれを丸暗記するのです。
意味は全然わかりません。
しかし、この丸暗記が、高い知性と高い学力を育てたのです。
「学習する習慣」「集中する力」「やったという達成感」などを身につけ、「脳の学習回路」を育てていったのです。
この当時の寺子屋は、今の教室のように一斉に教えるのではありません。
先生の机の前に一人一人呼んで、「字つき棒」で漢字をさしながら、教えていました。
教室は、とてものびやか、乱雑な状態であったのです。
それでも「素読」により「読み」の教育が行われ、「書き」「そろばん」が教えられていたのです。
「読めるだけでは駄目だ。意味をしっかり教えなくちゃ」という先生もいますが、今でも丸暗記は大切です。
私たちは、全国各地で「五色百人一首大会」を開催しています。
会場には、何百人もの参加者がいます。
幼稚園、小学一年生もいます。小さな子は百人一首を「丸暗記」するのです。すぐに覚えます。
やがて、中学生、高校生になった時、百人一首全部を覚えていることが役に立ちます。
日本で最初にノーベル賞をもらったのは湯川秀樹博士です。
湯川先生も、子どもの頃、漢字の素読で頭を鍛えました。
祖父に小さい時から習っていたのです。
明治維新という近代日本をつくりあげた日本のすぐれた教育として、私は「素読」を第一にあげます。
名文、詩文、百人一首の暗記は脳を鍛えるのです。
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