- はじめに
- T 低学年書く力を高める「一〇〇マス作文」指導の基礎基本
- 1 「一〇〇マス作文」について
- (1)一〇〇マス作文の誕生
- (2)一〇〇マス作文のルールについて
- 2 「一〇〇マス作文」で低学年の書く力を高める視点
- (1)楽しく書き慣れること
- (2)順序よく書けること
- (3)書くことを最低三つは持っていること
- 3 低学年の「一〇〇マス作文」―楽しみながら書く力を高める指導のポイント
- (1)成功させたい導入の指導ポイント一年生 ―あさがお―
- (2)成功させたい導入の指導ポイント二年生 ―ナンバリング―
- (3)順序よく書かせるためのポイント―ナンバリング―
- (4)書けない子(苦手な子)への指導のポイント1 ―スリーキーワード―
- (5)書けない子(苦手な子)への指導のポイント2 ―書き出し―
- (6)書けない子(苦手な子)への指導のポイント3 ―文末―
- (7)書くことの楽しさや喜びを感じさせるポイント1 ―肯定実践―
- (8)書くことの楽しさや喜びを感じさせるポイント2 ―一〇〇点満点―
- (9)書くことの楽しさや喜びを感じさせるポイント3 ―見える化・可視化―
- (10)苦手な子の指導のポイント ―こだわりを利用―
- (11)自然発生的に生まれた表現を取り上げる ―口頭作文―
- U どんどん書ける! イラスト「一〇〇マス作文」ワーク
- 1 はじめての作文編
- @あさがおのようすを書こう いろとかず
- Aあさがおのようすを書こう かたちやようす
- 2 ナンバリング編
- @めあて(がんばりたいこと)を書こう
- A自己紹介をしよう(二年)/ 好きなものを紹介しよう!(主に二年)
- B強く心に残ったことを書こう!
- C二(三)年生でがんばりたいこと
- 3 スリーキーワード編
- @学習後の感想(学んだこと)を三つのキーワードを使って書こう
- Aうんどうかいの感想を三つのキーワードを使って書こう
- Bうそ作文(想像作文)を三つのキーワードを使って書こう
- 4 なりきり作文編
- @ねこになりきってねずみをよんでみよう
- 5 手紙編
- @【A】「ありがとう」の気持ちをつたえよう/ 【B】かさこじぞうのばあさまへ
- 6 ハラドキ作文編
- @「こわい!」を書こう/ 「こわかった!」を書こう
- 7 見たこと作文編
- @先生が箱を開けたら/ 先生が袋から出したものは
- Aおふろのようすを書きましょう
- 8 色に着目編
- @【A】プール(水泳)で覚えている色を使って書こう/ 【B】運動会で覚えている色を使って書こう
- A野菜のようすを三つの色をえらんで書こう
- 9 数に着目編
- @【A】運動会のようすを書こう/ 【B】きろくをのこそう/ 【C】なんさつよんだかな
- 10 味に着目編
- @【A】くすりのあじはどうですか/ 【B】おべんとうのあじはどうですか
- 11 聞いたこと作文編
- @【A】おかあさんのおとあつめをしよう(一年)/ 【B】いろんなおとのかぜ(二年)
- 12 よく思い出して書こう編
- @さっきのじかんなにやった?
- Aきょう学校でなにをしたかな?
- B遠足に行ったことを順序よく書こう
- Cあかちゃんのようすを書こう
- 13 いろいろな言葉編
- @次の言葉が使えたら一〇〇点満点です
- 巻末資料 低学年用一〇〇マス作文原稿用紙
- おわりに
はじめに
二〇〇七年十一月に刊行した拙著『書く力を高める小学校「一〇〇マス作文」入門』(以下『一〇〇マス作文入門』)は、四年間で九版を数えるに至りました。大変多くの先生方や学校に関心を持っていただけたことが分かります。本当にありがとうございます。
さて、拙著を出した後、明治図書の佐保文章氏より続刊の誘いをずっと受けていました。「題材選択能力を自分自身で高めていければよいのだが、全国の先生方が指導したり子どもたちが自分で見つけたりできるヒントとなるようなワークを……」というものでした。確かに『一〇〇マス作文入門』の本には、いろいろな視点や方法を載せたつもりではありました。しかし、題材を選択するという一番要のところでの説明が足りないことを指摘されたのです。
私はいくつかのことを考えました。
まず、題材を想起させるための方法についてです。どれにも共通するような方法は思いつきません。そこで、私は次のように考えました。「子どもたちに原稿用紙に向かわせる前、題材を想起させたいとき、家で日記を書かせたいときなど、今まで、私は一体どんなことを言い続けてきたのだろう?」例えば、「運動会のことを書かせたいときどう言ってきただろうか?」「意見文を書かせたいときは?」「考えを整理させたいときは?」―このように三十二年間の作文実践を振り返ってみますと、いろんなことを言ってきたことに気づかされました。それを素直に書けばいいのではないか、そう考えたのです。そして、そのことを「◆指導にあたって」に書きました。
次に考えたのは、題材選択のヒントや作品の生かし方についての方法です。ずいぶんあるものです。これは「◆発展」に書きました。
また、注意や配慮すべきことは「◆留意点」に書きました。
そして、今回、全く新しく「◆書き出しや文末のヒント」、もう一つは「これができたら一〇〇点満点!」のコーナーを設けさせていただきました。詳しくは後述します。
このように、題材選択能力や一〇〇マス作文で書く力を高めるためのヒントをまとめることにしました。
実は、この本を書くにあたりもう二つこだわったことがあります。
一つは、題材のヒントに関してです。ヒントは「◆発展」のところに載せましたが、できるだけ子どもの実態から離れないものにしたということです。しかも学校生活が中心です。うそ作文(想像作文)のヒントは少ないかもしれません。それは他書を参考になさってください。さらにいつも念頭に置いて書いたのは、今まさに小学校の現場で教育実践にあたっておられる先生方の役に立つ作文ワークでありたいということです。ですから、この作文ワークは、ご家庭や学習塾では扱いにくいかもしれません。あしからずご容赦ください。
もう一つは、次の世代を担っていかれる若い先生方へ是非とも伝えておきたいという気持ちで書いたということです。私の教員人生は後わずかしか残っていません。ですから、この機会を生かしたいと考えました。この本の本文を、敬体ではなく常体で書いたのも少し強い調子で書いたところがあるのもその気持ちからです。ですから、読者の皆様に傲慢な感じを与えたかもしれません。それは、年がいった者の戯言とお許しください。
お世話になった教育という世界に少しでも恩返しができればと考えています。皆様のこれからの教育実践に役立ちそうなことが一つでもあれば幸いです。
二〇一二年一月 /三谷 祐児
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- 明治図書
- 作文が苦手、ある程度の時間鉛筆を持つことに苦痛という子でもこの100マスに作文を書くことができました。絵もヒントになって書きやすいようです。2019/8/2130代・講師
- とても使いやすいです。2018/1/28あつし