- 新訂2版編著者序
- T 基礎知識
- 1-1 インクルーシブ教育システム
- -2 特別支援教育
- -3 障害者権利条約
- -4 障害者基本法・障害者差別解消法
- -5 特別な教育的ニーズ
- -6 合理的配慮・基礎的環境整備
- -7 学校教育分野における合理的配慮
- -8 スクールクラスター
- -9 学校プラットフォーム
- 2-1 障害
- -2 発達障害
- -3 知的障害
- -4 自閉症
- -5 学習障害
- -6 注意欠陥/多動性障害
- U 学級経営
- 1-1 設置状況
- -2 就学基準
- -3 学級編制
- -4 就学支援
- -5 教育支援
- -6 幼稚園・保育所・認定こども園との連携
- -7 就学後の学びの場の見直し
- -8 中学校での進路支援
- 2-1 保護者との連携
- -2 個別の支援計画・個別の教育支援計画・個別の移行支援計画
- -3 個別の指導計画
- -4 新学習指導要領と個別の教育支援計画・個別の指導計画
- -5 指導要録・通知表
- -6 連絡帳
- -7 学級便り
- -8 授業参観・学級懇談会
- -9 個別面談・家庭訪問
- -10 児童相談所・発達障害者支援センター
- -11 障害者手帳
- -12 特別支援教育就学奨励費
- V 教育実践
- 1-1 教育課程編成の根拠(学習指導要領)
- 知的障害特別支援学級
- -2 知的障害のある児童生徒の学習上の特性
- -3 知的障害特別支援学校の各教科
- -4 教育課程の二重構造
- -5 各教科等を合わせた指導
- -6 教科別の指導
- -7 できる状況づくり
- -8 水増し教育からの脱却
- -9 教育課程編成の基本事項
- -10 個への対応:基本事項(1)
- -11 深い学び:基本事項(2)
- -12 対話的な学び:基本事項(3)
- -13 QOL:基本事項(4)
- -14 主体的な学び:基本事項(5)
- -15 帯状の週日課:基本事項(6)
- -16 学習活動の実生活化:基本事項(7)
- -17 無誤学習:基本事項(8)
- -18 集団化と個別化:基本事項(9)
- -19 生活年齢への対応:基本事項(10)
- -20 ☆本・附則9条本
- 2-1 日常生活の指導
- -2 登下校
- -3 係活動
- -4 掃除
- -5 朝の会・帰りの会
- -6 日記
- -7 着替え・身だしなみ
- -8 排泄
- -9 給食
- 3-1 生活単元学習
- -2 中心的な活動の選び方
- -3 単元構成・日程計画
- -4 単元名
- -5 授業の展開
- -6 教師の支援・役割
- -7 実践事例1:単元【くじらの水族館で友だちと遊ぼう!】
- -8 実践事例2:単元【なかよし会をしよう】
- -9 実践事例3:大単元【エコキャップを集めて,遊んで,作品作りをしよう】
- -10 実践事例4:単元【花壇をきれいにしよう】
- 4-1 作業学習
- -2 作業場・作業種の選定,作業班の編成
- -3 作業製品・生産物の選定
- -4 単元化
- -5 作業工程の設定・生徒の担当工程の選定
- -6 作業場の設定
- -7 プロ使用の道具の導入,補助具の活用
- -8 授業の展開
- -9 教師の支援・役割
- -10 現場実習
- -11 実践事例1:単元【校内バザーでの販売を成功させよう】
- -12 実践事例2:単元【ふなっ子バザールで販売しよう】
- 5-1 教科別の指導,道徳科,外国語活動,特別活動,自立活動の時間を設け行う指導
- -2 国語
- -3 算数・数学
- -4 音楽・体育(保健体育)・図画工作(美術)
- -5 自立活動
- -6 総合的な学習の時間
- 6-1 交流及び共同学習
- -2 実践事例1:日常の交流
- -3 実践事例2:他校との交流
- 自閉症・情緒障害特別支援学級
- 7-1 教育課程
- -2 学級経営
- -3 教育的支援の原則
- -4 実践事例1:自立活動の時間における指導 単元【新聞紙で遊ぼう】
- -5 実践事例2:自立活動の時間における指導 単元【クリスマスツリーをつくろう!】
- 特別寄稿 保護者の心理的支援
新訂2版編著者序
このたび,『特別支援学級はじめの一歩』の新訂2版を,初版,新訂版に引き続き,上梓する機会を得ることができました。
初版は,2010(平成22)年5月に,2008(平成20)年版小学校,並びに,中学校学習指導要領解説(総則編)に特別支援学級の教育課程編成規準が初示されたことを受け,上梓させていただきました。新訂版は,その5年後の2015(平成27)年4月に,障害者権利条約批准への対応としての,インクルーシブ教育システムの構築,就学指導から教育支援への転換等々の驀進を受け,上梓させていただきました。
そして,本書新訂2版は,2017(平成29)年版小学校,並びに,中学校学習指導要領に初めて特別支援学級の教育課程編成規準が示されたことを受け,上梓させていただきました。加えて,2017(平成29)年版特別支援学校学習指導要領にて知的障害教育が大きく変節したような風説を解く意図をもって,全項目を新たに書き起こしました。
わが国の公教育における知的障害教育は,1890(明治23)年に,松本尋常小学校(旧開智学校)落第生学級が設置されてから,本年,130年目の節目を迎えます。旧開智学校(1873(明治4)年創立)の管理棟は現存し,2019(令和元)年,近代学校建築として初の国宝指定を受けました。毎春,岐阜大学で特別支援教育を学び始めた学部生と,旧開智学校を訪れています。それは,我が国の近代学校教育,知的障害教育の原点に立ち,先達の子どもたちへの熱情を肌で感じ,教職の歩みを踏み出してほしいとの素懐からです。
知的障害教育は,子どもたちの心ゆくまで,存分に,との思いに,教師がわが思いを重ね,共に歩むことから始まる教育です。本書で,落第生学級から連綿と続く知的障害教育のあり様を読み取っていただければ幸いです。また,私が学部生の頃より指導いただいている一門惠子先生に特別寄稿を賜ることができました。心からお礼申し上げます。
2020(令和2)年早緑月 岐阜大学教職大学院准教授 /坂本 裕
また、どの項目にも引用・参考文献が示されており、さらに学び進めることもできるようになっていた。