- 第1章 部会の先生全員に活躍してもらうために
- 心をつかむ部会の会場づくり
- 最初の部会の重苦しい雰囲気を崩す3つの方針
- 授業者をスムーズに決めるための2つのポイント
- 研究テーマを決める前にキャッチしたい2つの実態
- 研究テーマを決める3つのステップ
- 安心感が生まれるスケジューリング
- 部会の先生「全員」がかかわるシステムづくり
- 始めと終わりの時間を必ず守ることの効果
- お互いが否定し合わない雰囲気づくり
- 大切にするべき3つのよりどころ
- 意見を引き出す2つのポイント
- 第2章 授業者に気持ちよく授業をしてもらうために
- 授業者を引き受けてもいいと思わせる3つのポイント
- 年代に応じた授業者との接し方
- 授業者が孤立しないサポートの仕方
- 授業者に自信をもってもらうための3つの問いかけ
- 授業者の状態をキャッチする3つの観点
- 授業者の思考を整理する3つのステップ
- 授業者の教室に足を運ぶたくさんのメリット
- 第3章 研究をみんなの力でつくり上げるために
- 計画書づくりは逐次,即時
- 「テーマ設定の理由」に入れるべき3つの要素(外部公開バージョン)
- 「テーマ設定の理由」に入れるべき3つの要素(校内研究バージョン)
- 研究の方向性をくっきりさせる2つの項目
- 「研究内容」に必要な2つのこと
- 「実践の成果と課題」の“全部乗せ”を防ぐ方法
- 「学習指導案」はプラン合体型でいいとこどり
- 模擬授業のもつ3+1の意味
- 第4章 最高の研究授業にするために
- 授業者と連携した事前検討会の説明
- 気持ちを1つにするための役割分担
- 授業者が元気になる言葉かけ
- 授業者に安心感を与える2つのポイント
- 授業が終わったらやるべき2つのこと
- 授業研究会の行方を決める2つの投げかけ
- 授業研究会が終わった直後に行うべき3つのこと
- 「この部会でよかった!」と思えるまとめにするための3つのポイント
- 第1章 全校の先生と授業研究をつなげるために
- 知識のひけらかし,自慢は禁物
- 3つの世代別の接し方のポイント
- 校長先生とのコミュニケーションの取り方
- 4月の部会主任会でやるべき3つのこと
- 研究の柱が定まる「合言葉」のつくり方
- 部会のテーマに確かな方向性をもたせる3つのポイント
- 計画を立てる際注意すべき2つのこと
- 部会の研究に加わる2つの目的と方法
- 部会の研究を支えるうえで意識したい3つの観点
- 定期的な報告会を行う3つのメリット
- 事前検討会を行う3つの目的と2つの方法
- 研究授業の見どころを発信する3つの効果
- 授業研究会を充実させるための3つのポイント
- 授業研究会の質を高める「サンドウィッチ方式」
- 研究授業翌日に研究通信を発行する2つのメリット
- 12月から始まる来年の研究テーマづくり
- 第2章 研究通信で全校の授業力をアップするために
- 読んでもらえる研究通信にするための4つのポイント
- 少量,多発信にする2つの効果
- 日常の授業へのフォーカス
- 学力調査の結果を紹介するときの2つのポイント
- 全国,他県の動向を知らせる2つのメリット
- 第3章 参加しがいのある研修会,部会にするために
- 時期に合わせ,先生の特技を生かす研修会のつくり方
- 研修会を30分以内で行う3つの効果
- 学力調査の分析をみんなで行う4つの意味と2つの方法
- 外部講師を招く研修会のつくり方
- 少人数校で効果的な3人グループの「学び合い」部会
- やる気と授業力を高める柔軟な部会編成
- 第4章 学びの価値をもう一段高めるために
- 学びのチャンネルを多様に
- 学校外の学びの場に誘う役割を
- 研究主任自身が授業を見せる2つの意味
はじめに
研究授業,日常の授業改善,校内研修など,自校の学力向上に関する仕事全般を一手に請け負うのが「研究主任」です。
中でも,研究授業は,学校にとっても研究主任にとっても大変大きな仕事ですが,実際に研究授業をつくっていく際に中核を担うのが,研究授業を行う教科等の部会の主任(部会主任)です。
したがって,研究主任は,この部会主任の仕事を熟知したうえで,全校を動かしていく必要があります。
そこで本書では,「第1部 研究授業をする部会の主任になったら」「第2部 全校の研究主任になったら」という二部構成を取りました。
第1部「研究授業をする部会の主任になったら」では,部会の先生方が気持ちよく研究に参加し,実践を重ね,力を合わせて指導案を練り,そして授業者を中心にして研究授業を突破していくためのポイントについてまとめました。
「研究授業をする部会の主任になったら」というタイトルですが,上述の通り,研究主任も熟知しておくべきことばかりです。
研究授業というと,なかなか授業者が決まらないという定番の悩みがありますが,本書では,そういった悩みに対する対処法などについても示しました。
また,はじめて部会主任になったら,これまで授業者として研究授業の指導案は書いたことがあっても,研究計画は書いたことがないという先生も多いと思います。そこで本書では,先生方みんなが無理なくがんばれる範囲で研究を進め,それをまとめていく道筋も示しました。
さらに,研究授業直前や研究授業が終わった後のまとめについても解説しています。
部会主任として,部会の立ち上げから解散まで,本書を参考にして,充実した研究を進めていただきたいと思います。
第2部は「全校の研究主任になったら」です。
部会の主任から全校の研究主任に立場が変わると,守備範囲は一気に広がります。一般的に,研究主任の主な仕事は,研究授業に関する統括,学力向上に関する職員研修,研究通信の発行の3つです。
学年主任や教務主任といった仕事は,自分の役割を果たさないと,学年や学校が確実に回らなくなるので,がんばらざるを得ません。
それに対して,研究主任の場合,研究通信を発行しないからといって,だれかに迷惑をかけるわけではありません。一方で,学習課題の設定の仕方について悩んでいた先生が,研究主任が研究通信に書いた「導入場面で子どもが追究に主体的になる学習課題の設定の仕方」を読んだら,あくる日からの授業が随分よくなった,ということがあり得ます。
つまり研究主任の仕事は,一生懸命取り組めば取り組むほど,自分の勉強にもなるし,先生方にプラスの材料を与えられる,影響力の大きい仕事なのです。
そこで本書では,研究主任の行う主な仕事についての具体的なポイントをまとめました。研究主任1年目でも,自信と展望をもって自校の学力向上に取り組めるよう本書を活用していただきたいと思います。
2020年2月 /小林 康宏
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