- 監修の言葉
- はじめに
- 第1章 読み書きのつまずきと誤り分析
- 1 読み書きのつまずきとは?
- 2 誤り分析とは?
- 3 読み書きのつまずきのタイプ
- 第2章 就学前後の音韻認識をチェック「音韻認識テスト」
- 1 「音韻認識テスト」のためのカードと記録用紙
- 2 「音韻認識テスト」の実施法
- 3 「音韻認識テスト」の誤り分析
- 4 音韻の支援法
- 第3章 ひらがなのつまずきをチェック「ひらがな単語聴写テスト」
- 1 「ひらがな単語聴写テスト」と分析用紙
- 2 「ひらがな単語聴写テスト」の実施方法・分析方法
- 3 「ひらがな単語聴写テスト」によるタイプ別・事例分析
- 4 かな文字の支援法
- 第4章 漢字のつまずきをチェック「漢字誤り分析」
- 1 「漢字誤り分析」低学年(1〜3年)
- 2 「漢字誤り分析」高学年(4〜6年)
- 3 「漢字誤り分析」によるタイプ別・事例分析
- 4 タイプ別・漢字の支援法
- 5 漢字に関するその他の情報
- 資料のダウンロード
- おわりに
監修の言葉
読み書きで、つまずきがみられる子どもたちは、「集中しない、やる気がない、自分勝手、真剣さが足りない、わがまま」等、子ども側の勉強への態度・姿勢を問題視する傾向が保護者・教師にありました。最近の研究では、「読めない、書けない、計算できない」子どもたちの中には、環境要因だけが原因ではなく、聴覚(聞く力)・視覚(見る力)・記憶(ワーキングメモリ)等の認知機能に偏りが出やすい中枢神経系の働きの存在が指摘されるようになってきました。
今回の「誤り分析」の特徴は、一般に使われている心理検査等の結果からのみ判断するのではなく、教室の中で全体に向けて行えるちょっとしたテストから、誤りの傾向を読み取る点にあります。分析の前に必要なバックグラウンド情報としては、子どもの学校・家庭での日常の状態像の把握、特に、授業中の行動特徴、友人とのコミュニケーション、直接面接、チェックリスト等があります。
子どもが一生懸命に書いたものから「誤りを抽出し、誤り方に傾向がないか」をじっくり調べます。「どこでつまずいているか」が分かると「どう指導するか」が生まれます。
「誤り分析」は、支援が必要な子どもたちのつまずきの背景にある認知特性(聞く力・見る力・ワーキングメモリ等)に視点を向け、場当たり的な指導ではなく、特性に対応した科学的な指導につなげるところにあります。強い特性にも視点を向け、弱い特性を強い特性でカバーしていくことが子どもの意欲につながります。
特性に配慮された支援は、やらされた感ではなく、自分の力でできたという充実感につながります。ここで初めて子どもたちが「分かった」と実感できます。苦手だったことが簡単にできる経験を続けることが、自己有能感(セルフ・エスティーム)を生み、胸を張って頑張れる子をつくります。
大阪教育大学名誉教授 /竹田 契一
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内容 | ファイル名 | サイズ | |
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資料 | siryou.zip | 22,450KB |
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