- まえがき
- 本書の使い方
- Chapter1 身につけたい! 子どものための英語「生活語彙」
- 1.1 外国語の習得と語彙力
- 1.2 生活語彙の不足
- 1.3 子どものための生活語彙の選定
- 1.4 選定した生活語彙の妥当性
- 1.5 生活語彙の習得状況
- 1.6 『Hi, friends!』の語彙
- Chapter2 カルタを使った「生活語彙」の指導アイデア
- 2.1 小学校英語―たくさん聞いて,話すことを急がない
- 2.2 小学校英語と中学校英語の接続
- 2.3 カルタの有効性
- 2.4 カルタの実践と成果
- 2.5 カルタを使ったいろいろな活動
- Stage1:「導入」を目指した活動
- 1 聞いて,見せて Listen and Show
- 2 消えたカード Missing Cards
- 3 カードにあるのは,な〜に? What’s on this card?
- 4 立って,座って Stand Up! Sit Down!
- 5 シー! Shhhhh!
- Stage2:「理解」を目指した活動
- 6 ビンゴ Bingo
- 7 聞いて,答えて@ Ask and Answer@
- 8 聞いて,答えてA Ask and AnswerA
- 9 カルタ Karuta
- 10 エスパーゲーム ESP Game
- 11 わたしは,な〜に? What am I?
- 12 シチュエーション・カルタ Situation Karuta
- 13 クエスチョン・カルタ Question Karuta
- 14 伝言カルタ Message Karuta
- 15 順番は? What’s the Order?
- 16 推測ゲーム Guessing Game
- 17 文字並べ From A to Z
- 18 読札カルタ Reading Cards Karuta
- Stage3:「定着」を目指した活動
- 19 ラッキー・カテゴリー Lucky Category
- 20 カード・リレー Card Relay
- 21 激突ゲーム Crash
- 22 神経衰弱 Concentration
- Stage4:「表現」を目指した活動
- 23 あなたは,な〜に? What are you?
- 24 会話しよう Let’s make a Conversation
- 25 クレージー・ストーリー Crazy Story
- 26 リッスン・トゥー・マイ・ヒント Listen to my Hints
- 27 みんなで定義 Make a Definition
- 番外編:ゲーム性重視の活動
- 28 ジェスチャーゲーム Charades
- 29 お絵描きゲーム Pictionary
- 30 ティク・タク・トー Tic-Tac-Toe
- Chapter3 コピーしてすぐ使える!「生活語彙」カルタ集
- 3.1 カルタについて
- 3.2 英語の面白情報
- 3.3 ヒントで使う英語の文型
- 3.4 カルタ活動で使う教室英語の例
- 3.5 絵札 絵札1〜168
- 3.6 読札 読札1〜168
- 参考文献
- 付録1 本書で扱う「生活語彙」168語
- 付録2 「生活語彙」500語
まえがき
本書は小・中学校の英語の授業の補助教材として,楽しく英語に触れて語彙を身につけるための教材集です。扱う題材は日本人の英語力の弱点である生活語彙です。例えばみなさんは,学校や家庭で身近な「砂場」,「ホウキ」,「懐中電灯」,「糊(ノリ)」をすぐに英語でsandbox,broom,flashlight,glueと言うことができるでしょうか。生活語彙は身近にありながら,中学・高校の英語教科書で扱われる機会が少ないために,日本人の英語力の弱点とされてきました。
本書はカルタを使って生活語彙と出会い,遊びをとおして何度も同じ語彙や表現に繰り返し触れるうちに,知らず知らず語彙が身につくことを目指しています。カルタは日本の伝統的遊具であり,子どもたちにも先生にも親しみやすいので,教材として,ことわざカルタ,四字熟語カルタ,歴史人物カルタ,都道府県カルタ,植物カルタ等,様々な教科で活用されています。デジタル時代の今日にあってもなお,遊具,教材としてのカルタの魅力が薄れることはありません。
小学校の英語の授業では,先生が単語を読み上げて子どもたちが絵札を取るというカルタ活動がよく行われます。こうした活動はターゲットとする語彙の「発音と意味」の結びつきの強化に役立ちます。本書では,このような遊び方に加えて,カルタを使った様々な遊びをとおして,初めて出会う語彙を導入して,発音と意味を結びつけて理解できるようにし,それを言うことをとおして定着させ,自己表現のために産出できるまでの活動を段階を踏んで行います。また,これらの活動は「聞く・話す・読む・書く」の4技能の育成にも利用できます。そのため,本書は小学校だけでなく,中学校の入門期,小・中連携,中学校の語彙力強化にも活用できる教材です。例えば本書のカルタを共通教材として使って教材の共有をとおして小・中連携を試みることができます。生徒は馴染みのある教材と中学校で再会し,安心感を覚え,自信を持って活動することができたり,小学校で学んだことが中学校で役立っていると感じられたりすることでしょう。
本書の特徴は次のようになります。
@ 英語の生活語彙が身につきます。学習する生活語彙はコーパス言語学の手法に基づいて選定した学習効率の高いものです。
A カルタを使って生活語彙を身につけます。絵札にはイラストと綴り,読札には5つのヒント文が載っています。絵札と読札はコピーして切り離して,あるいは切り離さずにシートのまま使えます。
B 絵札と読札を使って,様々な文脈で1つの単語や表現に繰り返し触れるので,自然な形で繰り返し学習が行われ,生活語彙が身につきます。
C 「聞く」ことに重点を置きながら,「話す・読む・書く」活動へと発展させられます。
本書の教材はコピーして使えるレディーメイドのカルタです。さらにカラー版カルタを以下のURLからダウンロードして印刷して使うことができます。次のサイトを開き,ユーザー名とパスワードを入力するとダウンロードできます。
(省略)
本書の教材は小学校外国語活動のために独自に研鑽を積まれ,さらに高いレベルの指導を目指されている先生方,また不安と迷いの中で外国語活動を担当されている先生方,「週に1時間だけの,教科ではない外国語活動の準備に時間をかけている余裕はない」という本音をお持ちの先生方等,それぞれの状況に合わせてご利用いただけます。
中学校では,新入生が小学校で身につけてきた英語力を見極め,「小学校の英語は好きだった。中学校に入ったらもっと英語が好きになった」と感じられるよう,英語教育を引き継ぐ必要があります。子どもたちには,小学校と中学校の英語に境界はありません。小・中学校の英語に連続性を持たせ,小学校外国語活動から中学校英語へとスムーズにつなげるために,本書の教材をご利用いただけます。
本書は多くの方々との関わりをとおして形にすることができました。はじめに,出版の機会を与えてくださった明治図書の木山麻衣子さんには,永年の経験をとおして培われた知識から貴重な助言をいただき,執筆の過程を応援していただきました。情報通信研究機構の内山将夫氏には,生活語彙の選定に際し,ご尽力を賜りました。また,千葉大学教育学部で学ばれた長期研修生の先生方をはじめ,千葉大学教育学部附属小学校外国語活動部の先生方,千葉県内の小学校,中学校の先生方とは,カルタを使った授業を一緒に実践してきました。そうした成果をひとつの形にまとめることができましたことをここに深く感謝申し上げます。また,本書の一部は,日本学術振興会科学研究費補助金平成22−24年度採択研究(課題番号22520553)の支援を受けて可能となりました。記して謝意を表します。
本書で扱うカルタの使い方は無限です。先生方には,目の前の子どもたちを見つめ,自由な発想で,創造的に教材を使っていただきたいと思います。そして本教材をとおして,子どもたちがより豊かな言葉の学びを経験することを著者および関係者一同願っております。
平成25年6月 /西垣 知佳子
本書でご紹介しているカルタ教材(PDFファイル)は以下からダウンロードできます。
カルタ教材のダウンロード
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本書に掲載されているユーザー名とパスワードを入力してダウンロードしてください。
内容 | ファイル名 | サイズ | |
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カルタ教材 文字あり絵札 | 093314_a.pdf | 7,244KB | |
カルタ教材 文字なし絵札 | 093314_b.pdf | 6,709KB | |
カルタ教材 読札 | 093314_c.pdf | 911KB | |
デザインシート(カルタ裏面) | 093314_d.pdf | 550KB |
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- 明治図書
- 教材として使える2018/4/3040代・中学校教員