- まえがき
- /堀 裕嗣
- いじめ指導1 いじめ指導の3段階
- 〜父性型教師・母性型教師比較を通して〜
- /堀 裕嗣
- いじめ指導2 意図的ではないいじめの構図から
- 〜友達との関わりに課題のある子たちの事例〜
- /太田 充紀
- いじめ指導3 「いじめ指導」の時機を考える
- 〜始業式の演出と語りで指導する〜
- /大野 睦仁
- いじめ指導4 低学年児童へのいじめ指導
- 〜いじめられる児童の行動に注目して〜
- /梶川 高彦
- いじめ指導5 女子生徒のいじめにどう対応するか
- 〜自分の姿をメタ認知させる手立て〜
- /門島 伸佳
- いじめ指導6 いじめのない学級を授業でつくる
- /楠本 輝之
- いじめ指導7 「いじめ問題」に負けない学級づくり
- 〜教師の覚悟〜
- /駒井 康弘
- いじめ指導8 低学年のいじめ指導
- 〜トラブルの初期対応はケンカ両成敗で〜
- /近藤 佳織
- いじめ指導9 子どもたちとのつながりでいじめを防ぐ
- 〜生徒に語り続ける教師の哲学〜
- /佐瀬 順一
- いじめ指導10 部活動におけるいじめ対応
- /杉本 直樹
- いじめ指導11 中学生へのいじめ指導
- 〜インターネットを介した誹謗中傷〜
- /橋 直登
- いじめ指導12 いじめが起きにくい学級をつくる
- 〜治療的戦略と予防的戦略〜
- /橋 裕章
- いじめ指導13 子どもたちが安心して学べる学級づくりを
- /高橋 百合子
- いじめ指導14 いじめの構造を作らないシステムを意識することが重要である
- /田中 利幸
- いじめ指導15 「学級集団づくり」がいじめを乗り越える
- /坂内 智之
- いじめ指導16 筆箱落書き事件への対応
- /松久 一道
- あとがき
- /堀 裕嗣
まえがき
「いじめ」が社会問題となって,いったい何十年が経つのでしょうか。この数十年の間,「いじめ」は学校教育において最大の関心事の一つとなってきました。すべての学校がその対策に奔走してきました。
「いじめ」に対して甘い指導しかしないという教師はいまや皆無です。すべての保護者が我が子に「いじめはいけない」と指導するようにもなりました。「いじめ調査」も頻繁に行われるようになり,多くの学校が子どもたちから訴えがあった場合にはすぐに対応できるように体制を整えています。しかし,皆さんもご存知のとおり,最近も幾つかの「いじめ」が原因とされる子どもたちの自殺が報道され,この問題は一層深刻さを増しています。
今回,「THE 教師力」シリーズの3冊目として,「THE いじめ指導」を企画しました。小学校低学年から中学校まで,発達段階に応じてどのような「いじめ指導」が行われているのか,まずは事例と指導の在り方を集めてみることからスタートしようとの試みです。今後,本シリーズにおいて,「いじめ指導」は重要なコンテンツの一つになっていくはずです。本書はその第一弾といえます。
本書は私が最初に総論を示し,その後,15人の実践者が発達段階に応じた指導事例と指導の在り方の原則について紹介する形を採っています。本書が「いじめ指導」の在り方を模索する先生方に少しでもお役に立てるなら,それは望外の幸甚です。
/堀 裕嗣
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- 明治図書