- まえがき
- 第1章 特別支援教育 基本用語100
- 法・制度・資格
- *中央教育審議会報告
- 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システムのための特別支援教育の推進」(平成24年7月)
- *全国実態調査
- 「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(平成24年12月公表)
- *中央教育審議会の答申
- 「特別支援教育を推進するための制度の在り方について」(平成17年12月)
- *ガイドライン(試案)(平成16年1月)
- *「21世紀の特殊教育の在り方について(最終報告)」(平成13年1月)
- *「学習障害児に対する指導について(報告)」(平成11年7月)
- *学校教育法
- *障害者基本計画
- *障害者差別解消法
- *発達障害者支援法
- *発達障害者支援センター
- *児童発達支援センター
- *理学療法士(PT)
- *作業療法士(OT)
- *言語聴覚士(ST)
- *臨床心理士
- *特別支援教育士/学校心理士/臨床発達心理士
- *オプトメトリスト→視覚機能訓練士
- *特別支援教育支援員
- 心理
- *ソーシャルスキル(SST)
- *アセスメント
- *発達検査
- *ウェクスラー式検査
- *ビネー式検査
- *KABC-U心理・教育アセスメントバッテリー
- *LDI-R学習障害評価調査票
- *DN-CAS認知評価システム
- *描画テスト
- *絵画語い発達検査(PVT-R)
- *カリキュラムに基づいた測定(CBM)
- *心の理論(TOM)
- *カウンセリング
- *スクールカウンセラー
- *コンサルテーション
- *記憶→短期記憶,長期記憶,ワーキングメモリー
- *自尊感情(セルフエスティーム)
- 教育
- *特別支援教育
- *インクルーシブ教育
- *合理的配慮
- *スクールクラスター
- *キャリア教育
- *ユニバーサルデザイン
- *特別支援学校
- *特別支援学級
- *通級による指導→通級指導教室,ことばの教室,きこえの教室他
- *学習指導要領
- *自立活動
- *教育職員免許状→教員養成
- *巡回相談
- *専門家チーム→特別支援教育士
- *校内委員会
- *特別支援教育コーディネーター
- *養護教諭
- *いじめ
- *不登校
- *児童虐待
- *障害者への配慮(アコモデーション)
- *2E教育(二重の特別支援教育)
- *支援技術(AT)
- *学習困難
- *学習支援
- *個別の教育支援計画
- *個別の指導計画→IEP
- *就学先決定にかかわる教育相談→学校教育法施行令の改正(平成25年9月)
- *進路相談→サポート校,フリースクール他
- *行動療法,認知行動療法,行動変容(行動修正),応用行動分析,強化子,トークンエコノミー
- *観察法→行動観察
- *TEACCHプログラム
- *RTI
- *感覚統合療法
- 医学
- *DSM-5
- *ICD-10(国際疾病分類第10版)精神および行動の障害
- *低出生体重児
- *視覚障害→盲,弱視
- *聴覚障害→聾,難聴
- *知的障害→精神遅滞
- *肢体不自由
- *病弱→身体虚弱
- *発達障害
- *LD(学習障害)
- *書き障害(書字障害)→ディスレクシア,ディスグラフィア
- *読み障害(読字障害)→ディスレクシア
- *言語障害→言語発達遅滞,コミュニケーション障害,構音障害,吃音,ことばの教室他
- *音韻障害
- *算数障害
- *ADHD(注意欠陥/多動性障害)
- *自閉症スペクトラム(症)→高機能自閉症,広汎性発達障害,アスペルガー障害
- *アスペルガー症候群(アスペルガー障害)(AS)
- *情緒障害→通級による指導
- *行動の問題(反抗挑戦性障害(ODD),行為障害(CD))
- *強迫性障害
- *人格障害
- *心身症(チック症,緘黙,円形脱毛症)
- *適応障害
- *発達性協調運動障害(DCD)
- *不安障害
- *高次脳機能障害
- *二次障害(二次的障害)
- *薬物療法→中枢神経刺激薬,抗精神病薬,気分安定薬,抗不安薬
- 福祉
- *就労支援
- *障害者手帳→身体障害者手帳,療育手帳,精神障害者保健福祉手帳
- *相談機関→児童相談所,児童家庭支援センター,教育相談所(室),教育研究所他
- 第2章 特別支援教育をより深く理解するためのQ&A
- 誰もが知りたい特別支援教育
- Q1 インクルーシブ教育とは?
- Q2 合理的配慮とは?
- Q3 多様な学びの場とは?
- Q4 ニーズに応える支援とは?
- Q5 特別支援教育の主な担い手は?
- Q6 支援者にとってまず大切な心構えとは?
- Q7 特別支援教育コーディネーターの役割は?
- Q8 「個別の指導計画」など支援のための計画とは?
- 教師や保護者が感じる不安にこたえる
- Q9 どのクラスにも発達障害のある子がいると聞きます。私のクラスにもいるのでしょうか?どうしたら気づけますか?
- Q10 クラスに発達のつまずきが疑われる子がいます。保護者にどのように伝えたらよいでしょうか?
- Q11 子どもが発達障害の診断を受けています。子ども自身にはいつ頃,どんな風に伝えたらよいでしょうか?
- Q12 クラスに発達障害の診断を受けた子がいます。ほかの子や保護者にどのように伝えたらよいでしょうか?
- Q13 クラスにLDを疑われる子がいます。通常の学習の中で,どのような配慮を行ったらよいでしょうか?
- Q14 クラスに落ち着きなく,行動面に課題をもつ子がいます。生活・行動上で,どのような配慮を行ったらよいでしょうか?
- Q15 支援が必要な子がクラスに在籍しているため,支援員がクラスに入っています。どのように連携すればよいでしょうか?
- Q16 巡回相談を利用してみたいのですが,そのシステムを教えて下さい。
- Q17 通級指導教室とは,どのような教室なのでしょうか?
- Q18 心理検査ではどのようなことがわかるのでしょうか?
- Q19 医療機関から投薬を受けている子がクラスにいます。どのようなことに気をつけるとよいでしょうか?
- Q20 診断名をいくつももっていたり,かわったりすることがあります。診断名をどうとらえたらよいでしょうか?
- INDEX
まえがき
すべての子どもたちが,例外なく小・中学校を義務教育として経験し,さらに高等学校や大学などへの進学,あるいは就労といった進路を選択しながら,社会へと自立し社会参加していく。それだけに子どもの発達にとって,小・中学校における教育は,基礎能力の習得,人格形成という意味でもその果たす役割は限りなく大きい。
しかし,今日の学校はさまざまな問題を抱えている。学力の低下,いじめ,不登校,学級崩壊……こうした事態に多くの教師たちは,急激に変化しつつある家庭・学校・社会環境の中で,子どもたちに何が起こっているのか,また一人の教師として,何ができるのかを真剣に問い続けている。
一人一人の子どもたちはいったい何を求めているのか,そしてわれわれ自身は子どもたちに何を提供できるのか。その問いへの回答を探し続ける営みこそ教育のあるべき姿であり,混迷する現状の学校教育を解決する鍵が隠されているのではないだろうか。
かつて特殊教育こそ教育の原点だと言った教師がいた。対象となる子どもがなかなか理解しがたく,特別な支援を求めているという意味では,まさに特殊教育こそ,個を大切にする教育の原点とも言える。特殊教育から特別支援教育への転換は,障害の種別や程度によって特定の場で行う教育から,一人一人の特別な支援教育のニーズに的確により柔軟に応える教育への転換であった。すべての子どもを包み込むインクルーシブ教育での新しい教育システムの構築が目指されている。
2002年2月に通常の学級に在籍する発達障害児に関する全国調査が実施され6.3%という数字が発表され,これが特別支援教育体制整備の大きな推進のきっかけとなった。2005年には発達障害者支援法が施行され,翌2006年には「通級による指導」の対象にLD,ADHDが,また知的遅れのない自閉症も情緒障害とは区分しての支援教育が始まった。本書はちょうどそのような時期に,教師のための用語集として発刊された。
最初の全国調査からちょうど10年後の2012年に再度全国調査が実施され,LD,ADHD,ASD(自閉症スペクトラム障害)の6.5%という数値が発表され,全国で発達障害のある児童生徒の理解と啓発から,具体的な教科と適応指導の時代に移行しつつあることが明らかとなった。
今日,学校全体として,多くの子どもたちの支援ニーズに応えていくシステムを作り上げていかなければならない。この特別支援教育について,全国の大勢の教師たちが強い関心を寄せている。形だけのシステムが作られていっても意味がない。そのシステムが子どもたちにとって利用しやすく効果を発揮しなければ意味がない。そのためには子どもたちの抱える問題に敏感に気づき,より早く,より効果的に問題の解決や改善ができるかが問われている。ここに特別支援教育が学校再生の一つの重要な鍵であると言われる理由がある。
2002年4月,今後の小・中学校での特別支援教育の展開を願って,私たちは雑誌『LD,ADHD』(季刊誌)を創刊した。また,全国でスタートした特別支援教育を,さらにすべての教師が広く,深く,理解するために,その中核となる基本用語を,教育だけでなく心理学,医学,福祉の関連領域まで広げ,およそ100厳選するとともに,教師が日常的に接することの多い大切な質問を選びやさしく解説した。全国のよりより教育実践の掘り起こしと情報の共有化を目指してのことである。
そして2012年には,雑誌名を『LD, ADHD & ASD』と改題したが,このたび基本用語集も,こうした時代の変化,進歩に応えるべく改訂を試みた。
特別支援教育コーディネーターはもとより,すべての教師,保護者の方に活用していただければ幸いである。
2014年1月 編者を代表して /上野 一彦
このたびは本書をご購入いただき、誠にありがとうございました。
さて、本書の本文の一部に、誤りがございました。ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、以下の正誤表をご参照のうえ、ご利用賜りますようお願い申し上げます。
今後はこのようなことがないよう、細心の注意を払ってまいります。
何卒ご容赦賜りますようお願い申し上げます。
行 | 誤 | 正 |
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1 | 特別支援学級とは,盲・聾・養護学校に在籍して… | 特別支援学級とは,特別支援学校に在籍して… |
5 | 学校教育法第75条では,… | 学校教育法第81条では,… |
9 | 特別支援学級には,知的障害,肢体不自由,病弱・身体虚弱,弱視,難聴,言語障害,情緒障害の… | 特別支援学級には,知的障害,肢体不自由,身体虚弱,弱視,難聴,その他言語障害,情緒障害の… |
15 | また,多くの特別支援学級… | また,特別支援学級… |
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- 明治図書
- 特別支援学級の担任をしたことがなく、わからないことが多かったので購入。大変詳しく、またわかりやすく書かれていたので大変勉強になりました。2021/1/31事務所職員
- 基礎的な用語は抽象的なままにしておくのではなく、定義を明確に理解しておくべき。2018/4/1240代・男性
- 基本用語の意味をいつでもすぐに確認できるので、重宝しています。2017/8/3050代・中学校教諭
- 網羅されていて良いです。ただ、詳細は別資料を見た方が良い場合もあろうかと思います。2015/8/2640代・男性