- はじめに
- 本書掲載のプロンプトについて
- 第1章 ChatGPTの基本
- ChatGPTとは
- ChatGPTが得意なこと・不得意なこと
- ChatGPTの安全性とプライバシー
- 保護者に利用許諾を取る
- 実際に使ってみよう
- プロンプトの工夫次第で可能性が広がる
- ChatGPTの出力内容を確認する
- 発展編 ChatGPTのAPIの活用方法
- ChatGPTで最新の情報にアクセスする裏技
- 第2章 ChatGPTは最先端の思考ツール
- ChatGPTと一緒に新たなアイディアを見つける
- ウェビングマップ×ChatGPT
- Yチャート×ChatGPT
- フィッシュボーン×ChatGPT
- 座標軸×ChatGPT
- 第3章 授業計画で活用するアイディア
- 魅力的なアクティビティーを考える
- 教科横断型の授業を企画する
- プロジェクトを達成するプロセスを明確にする
- 評価のためのルーブリックを作成する
- 学習指導案作成の補助に使用する
- 第4章 ワークシート作成で活用するアイディア
- 教科書の続きを作る
- スピーチのお手本を作成する
- モノローグをダイアローグへ変換する
- 語彙リスト作成からKahoot!へ
- 問題作成を効率化する
- 英文を添削する
- ChatGPTを使った英語エッセイの採点の精度は?
- 第5章 校務で活用するアイディア
- アンケート結果を分析する
- アンケート結果を分析する ChatGPT以外のツール紹介
- Excelの関数について勉強する
- 作業を自動化! ExcelやWordのマクロを作成する
- 魅力的なタイトルを考える
- 箇条書きから学級通信を作成する
- メールの送受信を効率化する
- 音声認識×ChatGPT 議事録を作成する
- 音声認識×ChatGPT 声でChatGPTとやり取りする
- 文字認識×ChatGPT 文字認識したテキストを修正する
- Word「差し込み印刷」×ChatGPT 個別最適化した文書を作成する
- Canva「一括作成」×ChatGPT スライドを一気に作成する
- 誤字・表記の揺れを確認する
- プロンプトの入力を省略する
- 推薦文の原案を考える
- AIに絵を描いてもらう
- 採点支援ソフト「サイテンギリN」を製作した話
- 第6章 プラグイン機能を使ってみよう
- プラグイン機能とは
- AskYourPDFで難しいPDFファイルを一緒に読む
- World NewsとWebPilotで教材を作る
- Video Summaryで効率的に学ぶ
- Show Me Diagramsで図を作成する
- 第7章 教師は生成AIとどう向き合うか
- AIが当たり前の社会で生徒は働く―教育現場もAIを無視できない―
- 文部科学省のガイドラインをチェックしよう
- いきなり飛びつきすぎるのは危険―まずは校務での活用から―
- 使用する上での注意点
- チェックリストで確認をしよう
- 未来を見据えたAIの活用―AIがないとできない教育の実現―
- AI時代の教師の役割―AIと現実世界の橋渡し―
- おわりに
- 参考文献
- *本書の内容は,2023年7月時点の情報をもとに構成しています。
- 本書の発行後に各種サービスやソフトウェアの機能,画面などが変更される可能性があります。ご了承下さい。
はじめに
2022年11月末にOpenAI社より公開されたChatGPT。このChatGPTの登場により,今,世界は大きく変わろうとしています。
ChatGPTとは,人間の話す言葉でコンピュータと会話をすることを可能にした人工知能(AI)です。このAIは,普段私たちが話している言葉を処理して,文章を生成することに長けているため,「生成AI」と呼ばれています。この生成AIは,会話をしたり,文章を書いたり,要約したり,翻訳したりと様々なタスクをこなすことが可能です。また,その精度も高く,これまで「AIにはできない」と考えられていた課題も,易々と解決することができます。この技術は,ビジネスや研究など,様々な分野で活用され始め,影響力を増しています。
もちろん,教育現場も例外ではありません。2023年7月には,文部科学省が『初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン』を公開しており,一部の学校では,授業でChatGPTなどの生成AIの活用がすでに始まっています。
生成AIは,これまで教育の世界で当たり前だったものを根本的に変えつつあります。2023年1月に世界的起業家であるイーロン・マスク氏は「It' a new world. Goodbye, homework!(新しい世界だ。さらば,宿題よ!)」とX(旧Twitter)上に投稿をしています。これは従来の宿題がもう通用しなくなったことを揶揄しています。たしかに,生徒に課している宿題は,ChatGPTを使えば一瞬で終わらせられるものも少なくありません。私たちは,これまでの教育の在り方を再考しなければならない転換点にいるのです。
そんな生成AIと教育の上手な付き合い方を考える上で,なにより重要なのが,まず教師が使ってみることだと私は考えています。私自身,2022年11月のリリース直後から使用を開始し,インターネット上で活用方法について様々な校種の先生と情報を共有していく中で,ようやくChatGPTの強みと弱みが把握できるようになってきました。
このような経験から,本書では,教師の仕事におけるChatGPTの活用方法に絞って,アイディアを紹介していきます。「生徒に使わせる前に,まずは教師が活用してみよう」というのがこの本のテーマです。
本書では,第1章でChatGPTの基本知識や使い方を紹介します。第2章では,いわゆる「思考の壁打ち」と言われる思考を整理する方法を,従来の思考ツールと合わせて解説します。さらに,第3章では,授業計画においてどのようにChatGPTが活用できるか,学習指導案をChatGPTに書かせることができるかを検討します。第4章では,ワークシート作成において,どのようにChatGPTが活用できるかについて具体的な方法を提案します。第5章では,アンケート結果の分析や文書作成などの校務で活用するアイディアを紹介します。第6章では,新たに追加されたプラグイン機能に触れます。第7章では,文部科学省のガイドラインを参照しながら,AIと教師が協働する新しい時代の教師の在り方について述べていきます。
本書を通じて,教育に携わる皆様がChatGPTの活用方法について,具体的なイメージを掴み,日々の教育の質向上や業務の効率化を実現する一助となることを願っています。また,教師が実際に最先端のテクノロジーを使っていくことで,これからの教育がより時代に適応したものとなることを期待しています。
/南部 久貴
-
- 明治図書
- いつも興味深い本を出している2024/4/2640代・教委
- 面白い。2024/3/2130代教員
- 当方は国立高専教員で、成績評価や出席入力フォームの自動化をChatGPTで普段から取り組んでおります。考えの壁打ちなどの利用や、プラグインの使い方などが紹介されていたため、そちらも活用したいと思います。2024/3/630代国立高専助教
- プロンプトやQRコードを載せてくれているため、活用しやすい書籍でした。2024/1/2130代・小学校教諭
- チャットGPT、ものすごいポテンシャルをもっていると評判は聞いていたのですが、その使い方のとっかかりがわかりました。2023/12/2350代・小学校教員