- はじめに
- 1章 学級を経営する前に
- 教師の仕事は学び続けること
- 同僚の先生から学び続ける
- 子ども達から学び続ける
- 自分を振り返る省察がとても大切
- 学級「経営」とは何かをまず考える
- 学級経営には5つの視点がある
- 2章 学級経営のゴールを立てる
- 明確なゴールをよく考える
- ゴールには2つある
- 常に子ども達にとってベストの選択を
- 常に学級目標に立ち戻らせる
- 学級びらきで一番大切なことは語ること
- 学級経営の主体は最終的に子ども達に
- ・学びを深めるために
- 3章 学級経営のシステムをつくる
- 学級びらきまでにへとへとにならない
- 学級びらき一日、二日目は詳細な案をつくる
- 4月は一週間分の予定を立ててしまう
- 安心して学べるためにはっきりさせておくこと
- ロードマップを示す
- ハプニングやピンチは成長のチャンス
- 大切なのは時間と視覚の使い方
- 日直、当番、係はリサーチがポイント
- 安全に安心して公平な給食に
- 掃除を自分磨きの場にする
- リーダーは役割を通して学ぶ
- 席替えに担任の意図をもつ
- 学級通信は継続して出す
- 学級掲示はできる範囲ですればよい
- 教科担任制も検討する
- ・学びを深めるために
- 4章 学級経営を支えるルールをつくる
- ルール定着の鍵は「納得」
- 明確で絶対的なルールを貫く
- 小さなルールからほめて、ほめて、ほめる
- 与えられるルールからつくり出すルールへ
- まず、話を聞く姿勢をつくる
- 意識すればおおむね成功、つくり出せば大成功
- ルールの達成を目に見える形にする
- ・学びを深めるために
- 5章 学級経営の基本としてのリレーションをはぐくむ
- 人間関係をゆたかに紡ぎだす活動を
- 承認・体験・成功・省察の活動を繰り返す
- 座席表を効果的に活用する
- とにかく笑わせる
- 子どもの好きなものを好きになる
- 遊びのレパートリーを増やす
- 日記や振り返りのノートでコミュニケーションする
- 学級通信でほめる
- 承認される環境にする
- 少人数の活動を増やす
- 声に出して言う
- ほめたり、関わり合ったりする場を意図的につくる
- 行事で燃えさせ、写真、ビデオで振り返る
- アンケートでがっかりしない
- 対立を目標に変えよう
- 教師自身のリレーションも大切に
- ・学びを深めるために
- 6章 学級の風土を育てるカルチャーを生み出す
- 学級文化、風土をつくる
- まずは、係活動から
- 読み聞かせと聞く文化
- お楽しみ会や学級会の大切さ
- 子ども達側の発信を見逃さない
- 学習を文化に
- ・学びを深めるために
- おわりに
- 引用および参考文献
はじめに
●この本に込めた願い
本書は、
・初めて担任をもつ先生
・担任をもって苦労している若い先生
・さらにクラスをよくしていきたい先生
・今までの学級経営を見直してみたいベテランの先生
・これから先生になりたい方や学級経営に興味・関心のある方
・若い先生を育てていく立場の先生
が学級経営について学び、自分自身の学級をよりよくしていくための
学級経営の「入門」書
です。
今は、大学で学級経営について学ぶ機会が増えてきていると思います。しかし、私自身は大学で学級経営を学ぶことはほとんどありませんでした。何も知らずに学校現場に入り、とっても苦労したことを覚えています。
初任の頃、
「学級経営が大切だ」
とまわりの先生に言われました。しかし、何をどうやって学べばいいか分からず、途方にくれていたことを思い出します。
そうした中で、たくさんの本を読みました。でも、私に合う学級経営についての入門書をなかなか見つけることができませんでした。そこで、学校現場で多くの先生から教えてもらい、経験しながら学んできました。また、サッカーや野球のチームづくりの本や監督術、コーチング、マネジメントなどの本からも学んできました。
私自身、まだ教職経験は十年ほどしかありません。常にクラスのことで考えたり、悩んだりしています。うまくいかず、苦しむこともたくさんあります。しかし、教師として発展途上の私があえて「入門」書を書くことで、苦しんでいる若い先生の気持ちに立つことができ、少しでもお役に立てるのではないかと考えています。
●この本の特徴
本書では、学級経営に必要な要素を、
G:ゴール・・・クラスの目標や願い・思い
S:システム・・・クラスを動かす仕組み
R:ルール・・・クラスの約束
R:リレーション・・・クラス内の関係づくり
C:カルチャー・・・クラスの文化・雰囲気づくり
という5つの視点に分けて考え、その視点をもとに省察する(振り返りながら学んでいく)ことを提案しています。頭文字をとって、SRRC=Gモデルと呼んでいます。
この5つの視点は実はつながり合っていて、個別に存在するわけではありません。しかし、本書では、あえて5つの視点に分けて考えていくことで、学級経営についてどの先生でも考えたり、取り組んだりできるのではないかと期待しています。
ただこの提案(SRRC=G)はまだ研究途中の段階です。
つまり、本書は素晴らしいベテラン教師の教育実践の集大成ではありません。読者の皆さんと一緒に学級経営について学んでいこうとする本だと考えています。
本書を通じて、読者の皆さんの学級づくりに少しでもお役に立てれば幸いです。
一緒に素敵な学級を創っていきましょう。
二〇一三年十一月九日 /長瀬 拓也
先生が「失敗を重ねて、成長する」という言葉が何度でも出てきますが、染み入ります。
学びを深める書籍をところどころで紹介しておられます。こうして取捨選択してくださっているので、時間に追われる新人先生がたも、良書に触れる機会を増やしてください。
よく読んでみると、子どもたちだけではない、大人の人間関係を築くのに、役立つ言葉が散りばめられています。子どもたちだけを対象にする人間関係だけでなく、同僚や、ご家庭、大人社会などでも、役立つと思います。
先生の言葉より。「感謝をすれば、関係性を深められる」。
相手を「褒める」こと、「感謝する」こと。 今日から、今の今からできることがありますね。
ぜひ手元においていただきたい、本です。