- はじめに
- /野中 信行
- 第1章 知っておきたい! スムーズな授業を行うための心得術8
- 1 授業者としての心構えはこうしよう
- 2 事前準備はどうするか
- 3 教材研究はこうしてみよう
- 4 1時間の授業の流れ
- 5 授業の型はこう作ろう
- 6 子供たちへの評価はここから始める
- 7 授業の進め方はどうするか
- 8 授業がうまくなる研究方法
- 第2章 ここがポイント! まず最初に身につけたい授業術6
- 1 「基礎・基本」を繰り返す 分割法
- 2 学習規律を定める
- 3 指導言(発問・指示・説明)の区別をする
- 4 指示―確認の原則
- 5 「活動」を入れる 「おしゃべり授業」を変える
- 6 フォロー(評価言)を入れる
- 第3章 初任者が押さえておきたい授業術10
- 1 発問の技法
- 2 板書の技法
- 3 ノート指導
- 4 指名の方法
- 5 机間指導
- 6 話し方
- 7 立ち位置・視線
- 8 声の出し方・出させ方
- 9 音読のさせ方
- 音読バリエーション
- 10 ペア・グループ活動の仕方
- 第4章 つまずきのある子供に対処する! 授業術6
- 1 国語 本をすらすら読めない子供
- 2 国語 漢字が書けない子供
- 3 算数 繰り上がり・繰り下がりのできない子供
- 4 算数 かけ算九九のできない子供
- 5 体育 ボールが強く投げられない子供
- 6 給食の時間を使った指導法
- かけ算九九表
- 第5章 こうすれば必ず成功する! シナリオで見る授業術10
- 最初の1時間目の授業はこうしてみよう!
- 1 国語の授業
- 2 社会の授業
- 3 算数の授業
- 4 理科の授業
- 5 体育の授業
- 6 音楽の授業
- 授業参観の授業はこうしてみよう!
- 7 国語の授業
- 8 算数の授業
- 9 体育の授業
- 10 音楽の授業
- 第6章 これでバッチリ! 家庭学習指導&評価5
- 1 宿題の出し方
- 2 夏休みの宿題の出し方
- 3 評価の仕方
- 4 家庭との連携
- 5 通知表のコメントの記入例
- 第7章 授業をきちんと成立させていく基礎・基本10ヶ条
- 1 指導言をきちんと整えよ 発問・指示・説明を区別して
- 2 指示―確認を徹底せよ
- 3 フォローの技術を磨こう
- 4 子供への視線を鍛えよ
- 5 授業は,本時目標を徹底的に意識せよ
- 6 机間指導は1つのことをきちんとマークせよ
- 7 話を聞かせるルールを整えよ
- 8 テンポのある授業を心得よ
- 9 授業はノート指導と心得よ
- 10 無駄な言葉を排除せよ
- column 初任者の失敗話
- @初任者の「おしゃべり授業」
- A授業時間が守れない
- B挙手発言に頼り切ってはならない
- Cやってはいけない鉄則がある
- D頼りになる先生だろうか?
- Eせめて先生のコメントをつけてほしい!
- F目の前の子供たちが「現実」なのである
- おわりに
- /井上 雅一朗
はじめに
ある初任者指導研修会でのこと。
このように問いかけたことがある。
「あなたがたはもしかしたら,これから授業をいっぱい積み重ねていけば,そのうちに授業の腕が上がってくると思っていませんか?」
ほとんどの初任の先生はこっくりとうなずいている。
経験さえ積み重ねれば,自然に授業はうまくなっていく。
そのように考えているのである。
「ああっ,やっぱりそうだったんだ!」と思う。
このことが思い込みであり,幻想であることは,すぐに分かってくる。
いっぱい授業を積み重ねている中堅やベテランの先生たちのほとんどが,たいして上手な授業をしていない現実に気づいていくはずである。
そんなことよりも,そのほとんどの先生たちがまだ「おしゃべり授業」を続けている現実をも確認するはずである。
この「おしゃべり授業」とは,本文の中に何回も登場してくる授業である。
初任の先生たちも,必ず最初はこの授業をする。
ほとんどの授業が説明一本槍で,子供たちの活動はほんのわずか。
子供たちは,ただ「聞く」だけ,ただ「見る」,ただ「写す」だけの授業になる。
この授業を克服していくには,意図的な「授業づくり」を試みていかなくてはならない。そうしない限り,いつまでもこの授業を続けていくことになる。
どのようにして乗り越えていくか。
それが,この授業術の大きなテーマである。
初任の先生は,最初不安で不安でたまらない。
子供たちとどのように関係を結んでいけばいいか。
学級経営はどうしたらうまくいくか。
最初の授業は,どんな授業をしたらいいのだろうか?
その中で,一番の不安は,どのように授業をこなしていったらいいかということである。
そして,月日が経つにつれて,またさまざまな不安が膨れあがる。
隣のクラスのテストの点数よりうちのクラスが悪いのは,やはり自分の授業が下手なせいだろうか?
隣のクラスより授業がいつも遅れていくのをどうしたらいいのだろうか?
挙手する子供がいつも固定していくのをどうしたらいいだろうか?
最初に身につける「授業技術」は何だろうか?
これらの悩みにも,この授業術の本はきちんと答えている。
私は,初任者指導の仕事を3年間してきた。
だから,初任者がどんなところで悩み,どんなところでつまずくのか,心得ているつもりである。
さあ,この本を読んで,授業を始めよう。
もちろん,この授業術の本は,初任者を対象にしているが,若い先生方がもう一度授業をやり直してみたいという心意気にもぴったりの本でもある。この本を書いたのは,井上雅一朗先生と私の2人。
私はもう退職した身であるが,井上先生はまだまだクラス担任をしてがんばっている現役の先生である。
私の最後の勤務校で,井上先生とは高学年担任という形で何度も一緒に仕事をした同僚でもあった。その井上先生と一緒に,この授業術の本を出せたことはとてもうれしいことである。
2014年1月 /野中 信行
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- 明治図書
- 学級づくりを土台とする授業技術が勉強になった。春から実践していきたい。2017/3/620代・学生