- はじめに
- 第1章 研究授業を見る前に
- 01 研究授業とは
- 02 指導案を読み解く手順@
- 03 指導案を読み解く手順A
- 04 座席表からクラスが見える
- 05 研究授業の4つの持ち物
- 第2章 研究授業を見るときに
- 01 授業の規模で見方は変わる
- 02 研究授業を見るベストポジション
- 03 授業参観,3つの基本
- 04 授業の見方は5段階
- 05 授業の形態によって見どころは変わる
- 06 教科によって見方は変わる
- 07 領域によって見方は変わる
- 08 研究授業で見るのは授業者か子どもか
- 09 教室環境からも学ぶ
- 10 研究授業を見るときやってはいけない6つのこと
- 11 他校研修への臨み方
- 第3章 研究協議会に臨むときに
- 01 研究協議会にはタイプ別の特性がある
- 02 発言の聞き方
- 03 研究協議会での発言には3つのレベルがある
- 04 付箋へのメモ,話し合いのまとめ方
- 05 助言者の指導の効果的な聞き取り方
- 06 研究協議会でやってはいけない3つのこと
- 第1章 指導案をつくるときに
- 01 立候補の数だけ腕は上がる
- 02 指導案のつくり方@―基本的な考え方
- 03 指導案のつくり方A―指導案全体の書き順
- 04 指導案のつくり方B―主眼に必要な5つの要素
- 05 指導案のつくり方C―首尾一貫した展開
- 06 8つの計画を立てる
- 07 子ども一人ひとりを思い浮かべ座席表をつくる
- 08 指導案づくりでやってはいけないこと
- 第2章 研究授業を行うときに
- 01 子どもたちにしっかり予告を
- 02 腹をくくって臨む
- 03 研究授業でやってはいけないこと
- 04 研究協議会で授業者が語るべきこと
- 05 参観者の質問には4つのタイプがある
- 06 参観者の意見の受け止め方
- 07 助言者の指導講話の聞き方
- 第3章 各教科の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 01 国語の指導案作成のポイントとモデル指導案@ 話すこと・聞くこと
- 02 国語の指導案作成のポイントとモデル指導案A 書くこと
- 03 国語の指導案作成のポイントとモデル指導案B 読むこと
- 04 国語の指導案作成のポイントとモデル指導案C 古典
- 05 国語の指導案作成のポイントとモデル指導案D 書写
- 06 社会の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 07 算数の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 08 理科の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 09 音楽の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 10 図画工作の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 11 体育の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 12 外国語・外国語活動の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 13 道徳の指導案作成のポイントとモデル指導案
- 14 総合的な学習の時間の指導案作成のポイントとモデル指導案
- おわりに
はじめに
ある日の研究授業。
教室の後ろで,子どもの姿をぼんやりと眺める若い教師の姿がありました。
実にもったいないことです。
研究授業には,たくさんの宝が埋まっていますが,それを発見するのは参観する側の教師です。記録もとらず,子どもの姿をぼんやりと眺めているのでは何ひとつ発見することはできません。きっとこの教師は,明日も明後日も,同じ授業をすることでしょう。
その授業の研究協議会。
研究会ではひとつも発言せず,終了後,知り合いの教師に授業についての自分の意見を得意げに語っている教師がいました。そんなときに述べられる意見は,きまって授業に対する批判です。
なんて器が小さいのでしょう。
授業を見て考えたことは,研究協議会で述べればよいのです。そうすることによって,自分の授業を見る力,授業をする力が鍛えられます。
自分が出した意見が的外れであれば反論が返ってくるでしょう。
それでよいのです。
反論されることで「なるほど,そういう分析をするのか」といったように自分の感覚が鍛えられるのです。
反対に,自分が出した意見が適切ならば,同調する意見が出されるでしょう。賛成意見が得られることで,自分の授業づくりの感覚に対して自信をもつことにつながります。
ある学校の教室。
何かと理由をつけて,研究授業の授業者を避けてきたベテラン教師が受け持つ学級。子どもたちはうんざりした顔で授業を受けています。授業をしている側も楽しそうではありません。
寂しいことです。
ベテランになるにつれ,まわりから授業力を向上させるためのアドバイスはされなくなります。年下の教師に聞こうにも,聞きづらくなります。頭も固くなります。
蓄積したものがないと待っているのは哀れな末路です。
若いうちは,年齢が近いというだけで子どもはついてきます。けれども,年齢が上がるにつれ,子どもたちの気持ちは離れていきます。
教育という仕事は,教える者と教えられる者との信頼関係という前提のうえに成立しているので,そこが崩れてしまえば,授業も成立しません。
授業における信頼関係は,「この先生の授業は,楽しくてためになる」と子どもが実感することにより生まれるものです。
子どもたちと楽しく授業を行い,しっかりと力をつけていくための唯一の道は,「授業力を向上させること」です。
そして,授業力を向上させるための最大の方法は「研究授業を見ること,そして行うこと」です。
けれども,研究授業をどのように見るのか,行うのか,研究協議会にどのように参加するのか,といったことついては,実はあまり語られることがありません。
本書では,はじめて研究授業を見る,つくる先生にも役立てていただけるよう,それらのことについて,やさしく,なおかつ詳しく解説しました。各教科・領域で研究授業を行う際のポイントやモデル指導案も示しています。
授業力を高め,子どもと楽しく授業を行いたいと願う先生方の一助になれば幸いです。
2018年5月 /小林 康宏
-
- 明治図書
- 大きくて厚さが薄いので読みやすかった。2021/5/1520代・学生
- 研究授業のつくり方・見方がわかりました。これからの研究授業が自分にとってさらに有意義なものになると思います。2019/9/2820代・小学校教員
- 見開きで、読みやすい。気になるテーマを選んで読み込めるのでよい。2019/7/1140代・中学校管理職
- 校内研究への取り組み方に大変参考になりました。2018/8/440代・小学校管理職
- 大切なこと、基本的なことの再確認になりました!2018/7/11アツシ