- はじめに
- 言葉が,静かに生き生きと躍動する国語教室を創造しよう
- 第1章 教師のオリジナルな教材で豊かな言語活動を生み出そう
- 筑波大学附属小学校 /二瓶 弘行
- @手づくりの詩集
- A「百の詩集」と語り
- Bオリジナル教材づくりのすすめ
- 第2章 学年別 国語授業のネタ80
- 1年
- 「おはよう!」+「きのう,何食べた?」で心を開こう!
- (あいさつ)
- 「ことばあつめしりとり」でたくさんの言葉を集めよう!
- (語彙)
- お気に入りのものの名前を書こう!
- (ひらがな)
- お話の中に出てきた音をカタカナで書こう!
- (カタカナ)
- 間違いを見つけて書きかえよう!
- (文法)
- おはなしをきいておはなししよう!
- (読み聞かせ)
- 「ありがとう」を伝えよう!
- (作文・日記)
- フリップランキングで伝えよう!
- (スピーチ)
- 「み〜つけた」を伝え合おう!
- (作文・日記)
- ペアでインタビューをしよう!
- (インタビュー)
- できるようになったことを伝えよう!
- (作文・日記)
- クイズで1年間の学習を振り返ろう!
- (学習のまとめ)
- 大好きな本のポップをつくろう!
- (読書)
- 2年
- リレー自己紹介でつながるスピーチをしよう!
- (スピーチ)
- 漢字をつなげて感じ合おう!
- (漢字)
- 「おいしい」を上手に表そう!
- (語彙)
- 「○○大すき王」を決めよう!
- (スピーチ)
- 普通のことをおもしろく伝えよう!
- (作文・日記)
- 自分だけの運動会物語を書こう!
- (作文・日記)
- 読み聞かせを聞いて「お話リレー」をしよう!
- (読み聞かせ)
- 自分たちだけの「お話マップ」をつくろう!
- (読書)
- 季節を表す「自分だけの」一言を書こう!
- (語彙)
- 会話文にタイトルをつけて登場人物の気持ちを上手に表そう!
- (物語文)
- 主語・述語マスターになろう!
- (文法)
- 「みえーるめがね」で昔話のよさを紹介しよう!
- (物語文)
- 似た意味の言葉でイメージチェンジ!
- (語彙)
- 3年
- 対話の基本をしりとりで学ぼう!
- (対話)
- 「説明文リーフレット」を書こう!
- (説明文)
- 「ドーナツチャート」で作文のテーマをバシッと決めよう!
- (作文・日記)
- おたよりから「こそあど言葉」を探そう!
- (文法)
- 「○○ボックス」で作品を紹介しよう!
- (物語文)
- 1学期に学習した漢字を使って文章をつくろう!
- (漢字)
- 名前を知らない便利なアイツを紹介しよう!
- (説明文)
- 「5○スピーチ」で上手な話し方,聞き方を身につけよう!
- (スピーチ)
- 「ことわざかるた」でいろんなことわざに触れよう!
- (言語文化)
- 「オノマトペゲーム」で言葉の感覚を磨こう!
- (言語文化)
- 「付箋添削法」で作文がgood(グッと)よくなる!
- (作文・日記)
- オノマトペを集めよう!
- (言語文化)
- 「すむとにごるで大ちがい」短歌をつくろう!
- (言語文化)
- 自分版“三大○○”をつくろう!
- (説明文)
- 4年
- 言葉探しで仲良くなろう!
- (語彙)
- ガイドブックで物語文を紹介しよう!
- (物語文)
- 付箋で考えを交流しながら深い学びに向かおう!
- (話し合い)
- 行ったつもりで旅行記を書こう!
- (作文・日記)
- 偉人の格言を基に「MY格言」をつくろう!
- (言語文化)
- 接続語を用いて物語の続きをつくろう!
- (文法)
- つながりに気をつけて「つみあげ話」をつくろう!
- (文法)
- 新聞記事の見出しをつくろう!
- (説明文)
- 「行くならどこに? だれと?」自分の考えをはっきりさせよう!
- (話し合い)
- 4枚の絵をつなげてドタバタ劇をつくろう!
- (物語文)
- シソ―ラステップでテンプレ表現から抜け出そう!
- (語彙)
- 説明文のモデルを生かして使える文の型を身につけよう!
- (説明文)
- 説明文が「かたやぶり」になるわけを見つけ出そう!
- (説明文)
- 「文づくりジェンガ」で主語・述語・修飾語の係り受けを確かにしよう!
- (文法)
- 5年
- ペアでインタビューし合い,「聞く」大切さを実感しよう!
- (インタビュー)
- オノマトペ,色を入れて日記を生き生き鮮やかに!
- (作文・日記)
- 物語のアイテム分析をしよう!
- (物語文)
- ニュースキャスターになろう!
- (スピーチ)
- 読書感想文の書き方のコツをつかもう!
- (作文・日記)
- 過去の自分と比べて随筆を書こう!
- (作文・日記)
- 低学年の子に読み聞かせをしよう!
- (読み聞かせ)
- 日記を読み合い,仲間を知ろう!
- (作文・日記)
- 推薦します!○○委員長
- (スピーチ)
- なぞかけを楽しもう!
- (語彙)
- 大事なことだけつまんで読もう!
- (調べ学習)
- 6年生の3月の自分に手紙を書こう!
- (作文・日記)
- 6年
- 創作四字熟語で決意を書こう!
- (語彙)
- 今の気持ちを短歌で表そう!
- (言語文化)
- しっかり理由づけをして感想文を書こう!
- (物語文)
- つなぎ言葉で考える力をアップしよう!
- (文法)
- 「夏休みになりたい自分」を説明文で表そう!
- (説明文)
- 早口言葉を聞き取ろう!
- (話し合い)
- 台本を使って話し合いを体験しよう!
- (話し合い)
- 「字源パズル」で平仮名のご先祖様を探せ!
- (言語文化)
- 友だちと協力して,文章の内容を膨らませよう!
- (作文・日記)
- イチ押しの「名言古文」を授業しよう!
- (言語文化)
- 音読大会で聞く力,読む力を伸ばそう!
- (音読)
- 国語学習史をまとめよう!
- (学習のまとめ)
- 本かるたをつくろう! 本かるたで遊ぼう!
- (読書)
- 漢字一文字で振り返る小学校での6年間
- (学習のまとめ)
はじめに
言葉が,静かに生き生きと躍動する
国語教室を創造しよう
教師である私には「夢」があります。ずっと抱き続けている「夢」です。
そのクラスでは誰もが読みたくてたまらない。一編の文章や作品に描かれた言葉を丁寧に検討し,言葉の意味,文章の要旨,作品の主題を自分らしく読み取り,自分の考えや読みの世界を確かにもつことに懸命になる。
そのクラスでは,誰もが書きたくてたまらない。自分という存在を言葉で書き表すことの喜びがわかり,書くことで自分らしさを確認でき,仲間に伝えられることを知っている。だから,必死に言葉を選び,構成を考え,表現を工夫する。
そのクラスでは,誰もが話したくてたまらない。ある話題について,自分の思いを言葉で表現しようと,誰もが適切な言葉を探すことに必死になる。思いを託せる言葉をもてたら,仲間に伝えようと懸命に挙手する。
そのクラスでは,誰もが仲間の考えを受け取りたくてたまらない。ある話題について仲間はどう考えるのか,自分の抱く思いと同じなのか違うのか,知りたくて仕方がない。だから仲間の発する言葉に必死に耳を傾ける。
そのクラスでは,言葉を媒介にして思いを伝え合うことの重さを誰もが知っている。言葉は「自分らしさ」を仲間に伝え,仲間の「その人らしさ」を受け取る重要な手段であることを,全員が価値として共有している。
そのクラスでは,言葉が,静かに生き生きと躍動している。
今日もまた,全国すべての小学校で,国語授業が行われています。
そのすべての教室で,自分の子どもたちに「言葉の力」をはぐくんであげたいと,どの先生方も願っていることでしょう。
私の「夢」は,きっと,すべての小学校教師の願いであると思っています。
国語科は,言うまでもなく,「言葉の力」をはぐくむ教科です。言葉を読む力,言葉を書く力,言葉を話す力,言葉を聞く力,そして,言葉で他者と伝え合う力,これらの「言葉の力」は,まさに,人が人として生きていくための「生きる力」でもあります。
だから,教室にいる子どもたち全員にはぐくんであげなければならない力なのです。その子にも,あの子にも,一人残らず,すべての子どもたちに。
私は,毎日毎日,国語専科教師として,3つの学年クラスの子どもたちと国語授業をしています。
子どもたちは,不思議な縁で,私の国語教室で学んでいます。彼らは,自分の意思で,私を教科担任として選んでここにいるわけではない。
だとしたら,この子たちに,確かな「言葉の力」をつけてあげるために,少しでもまともな授業をしなくてはと,大きな責任を感じています。
子どもは未熟です。だからこそ,いくらでも伸びゆく存在です。けれども,一人きりでは育ちません。学びの場,学校の教室での仲間との学び合いの場がどうしても必要です。そして,その学びには,活動を有意義に組織展開していく教師が必要です。それが,国語の授業。
私たち教師は,教室にいる子どもたちのために,授業力をもたなければなりません。様々な言語活動をねらいに即して組織し,一連の学びを展開できる力を鍛えなければなりません。
本書の執筆を担当したのは,「国語“夢”塾」の仲間である教師たちです。彼らは皆,日本全国各地で国語の授業づくりに懸命に取り組みながら,この国語“夢”塾に定期的に集まって,明日の国語授業について真剣に学び続けてきている,熱意あふれた,力ある国語教師です。
この「国語“夢”塾」から,これまでに3冊の『事典』シリーズを刊行しています。『言語活動アイデア事典』『書く活動アイデア事典』『授業づくりの技事典』,幸いにも,いずれも多くの先生方に手にとってもらえています。第4弾の本書も,大切な子どもたちに確かな「言葉の力」をはぐくんであげたいという願いをもとに刊行します。どうぞ,先生方のお力になれますように。
2017年6月 /二瓶 弘行
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- 明治図書
- 授業で使わせていただいています。子どもの反応もよいです。2023/4/2940代・小学校教員
- すぐに使えるネタばかりでとてもよかった。2021/1/630代・小学校教員
- 興味が持てた2018/6/2840代・小学校教員
- 沢山の実践例が参考になりました。2017/8/230代・小学校教員