- 第1章 Q&Aで分かる!家庭科授業づくりのアドバイス
- Q1 家庭科では2年間でどんなことをおさえればよいでしょうか?
- Q2 家庭科の授業づくりの特徴って何でしょうか?
- Q3 家庭科でも「言語活動の充実」は関係あるのでしょうか?
- Q4 他教科や道徳とは,どんな関係があるのでしょうか?
- Q5 指導計画はどのように作ればよいでしょうか?
- Q6 家庭科室には,どのような物を揃えたらよいでしょうか?
- Q7 家庭環境が複雑な子どもがいます。どんな配慮が必要ですか?
- Q8 安全指導はどうすればよいでしょうか?
- Q9 実習の班編制の前に準備したり,考えておくことはありますか?
- Q10 特別な支援が必要な児童への対応にはどのようなものがありますか?
- Q11 実習に時間がかかり,休み時間がなくなります。どうすればよいでしょうか?
- Q12 児童の技能差が大きく,時間内で終わりません。どうすればよいでしょうか?
- Q13 自分自身,調理や裁縫ができず,不安です。
- Q14 学校の備品が故障しやすくて困っています。
- Q15 子どもの忘れ物が多くて実習に影響が出てしまいます。忘れ物防止の工夫を教えてください!
- Q16 調理実習の評価はどうすればよいでしょうか?
- Q17 家庭生活への関心・意欲・態度の評価はどのようにすればよいでしょうか?
- Q18 生活を創意工夫する能力の評価はどのようにすればよいでしょうか?
- 第2章 実生活に役立つ!題材別・家庭科授業のアイデア50
- 学習準備・ガイダンス
- 1 家庭科はじめの一歩!(1) 家庭科カルテを作ろう!
- 2 家庭科はじめの一歩!(2) 最初の授業GO!GO!家庭科室探検
- 3 家庭科はじめの一歩!(3) 学習班はどう作ればよい?
- 4 家庭科はじめの一歩!(4) 学習用具はどう用意させればよい?
- 5 家庭科はじめの一歩!(5) めざせ!身じたくマスター
- 6 家庭科はじめの一歩!(6) 家庭科の授業のつくり方
- 7 家庭科って何?(1) ゆで野菜のサラダから考えよう
- 8 家庭科って何?(2) どうして5年生から始まるの?
- A 家庭生活と家族
- 9 ロールプレイング お留守番コーチへの道
- 10 10分間仕事で家のコト探検
- 11 ポップコーンとお茶で団らんしよう!
- 12 子どもが大好き! 調理の基礎も学べる団らんのおやつ
- 13 炊飯器ケーキと紅茶で団らんしよう!
- 14 ごみ置き場でどうしてる?
- B 日常の食事と調理の基礎
- 15 お茶名人からの挑戦状
- 16 どんな食べ方がよいのかな?
- 17 実験で調べよう 食品の主な栄養素
- 18 実物大写真でおすすめのランチ
- 19 どこでもおいしい炊飯で防災力もUP!
- 20 英語で炊飯 How to prepare Boiled Rice
- 21 顆粒だしのひみつ
- 22 すご〜く簡単 手前味噌作り
- 23 健康な食生活のために どっちが減塩?味噌汁味くらべ
- 24 日常生活に活用する力を培う 3種類で作る野菜いため
- 25 日常生活に活用する力を培う 調理の評価をどうする?
- 26 児童にとっても教師にとってもよい振り返りを促す 調理実習にICTを使おう!
- 27 調理実習で「考える力」を育てる
- 28 あったか野菜スープを作ろう
- 29 ゆでる・いためる・蒸らす 一挙三得のジャーマンポテト
- 30 買い物から調理・後片付けまで エコ・サンドイッチでおもてなし
- C 快適な衣服と住まい
- 31 衣服への関心を高める ボタンのひ・み・つ
- 32 生活を多角的な視点から考える 手洗いVS洗濯機比べて考えよう
- 33 生活を多角的な視点から考える 洗濯は進化している―昔の頭で教えてはだめ―
- 34 実験で調べよう! 洗濯のひみつ
- 35 どの子もできるようになる 手縫い指導のコツ
- 36 おそろいをプレゼント 手縫いってあったかいな
- 37 これでバッチリ! ミシン縫いの指導のコツ
- 38 2回縫えばできあがり! すぐれものの作品集
- 39 隠れているのはどこだ? いざ!家庭科室よごれ探検
- 40 秘伝!ぞうきんの術をマスターしよう
- 41 あったかアドバイザーになろう
- 42 通風実験装置を作ろう
- 43 においは換気 涼しいのは? 通風プランナーになろう!
- 44 夏子さんにアドバイス 「涼しさ」を調べてプレゼンしよう
- D 身近な消費生活と環境
- 45 失敗の原因を分析してみよう
- 46 デシジョンツリーで考えよう きみなら買う?買わない?
- 47 KJ法で考えよう おみやげの買い物名人はだれ?
- 48 品質表示を作って 寒天ゼリーパーラーを開こう!
- 49 エコポイントをためてお祝いしよう
- 50 エコすごろくを作ろう
はじめに
○子どもが輝く授業をつくるために
子どもは家庭科が大好きです。その魅力は大きく言って3つあります。
まずは,実践的・体験的な活動を通して学ぶおもしろさです。活動の中で,子どもはさまざまな発見や感動をします。しかもそれらは個々に違います。だから,友達はどうしたか何を見つけたのか,たまらなく知りたくなります。
そして交流してみると,さらに新たな発見があったりします。また,友達とは違う思いがけない「自分らしさ」を確認できるおもしろさもあるのです。
2つめは,働きかける楽しさです。1このじゃがいもからポテトサラダを作り出したり,1枚の布を手提げ袋に変えたりするおもしろさ。また,自分が作った物が友達や家族を喜ばせる醍醐味や達成感。物や場所や人に働きかければ必ず返ってくる手応えとやりがいとが子どもを成長へと導きます。
3つめは,創造する楽しさです。生活は日々何の不足もなく当たり前に過ぎて行きます。しかし,立ち止まってよく見つめてみると,当たり前だと思っていたことの陰にさまざまな問題が潜んでいることに気づいたりします。実はもうひと手間かけることで,暮らしはぐんと豊かなものになったりするのです。生活を新たに創造する学びは,いま・ここの必要を超えて,将来にまた地球全体にわたってよりよい暮らしを創り出す力ともなるのです。
こうした喜びと豊かさの中で,子どもは家庭科を学んでいます。教師は,こうした子どもの思いや願いに真摯に応えていきたいものです。そのためには,教師自身が家庭科の学習について,また授業作りについて学び続けていく必要があります。
本書は,家庭科の授業を初めて指導する先生や学生の皆さんからベテランの先生方まで,家庭科の学習を子どもにとって豊かで楽しいものにしたいと願う方々のニーズに少しでもお応えしたいと執筆したものです。初めて家庭科を指導される皆様のことも考え,家庭科の目標や学習の進め方や用意しておくとよい物のような基本的な事柄も記してあります。
また,何度か指導された経験のある先生方にとっても,新たな授業開発のヒントにしていただけるように,学習指導の具体的な方法や,ワークシート例を入れてあります。
家庭科では,子ども達に衣食住などを中心とした日常生活に必要な知識・技能を身に付けさせ,生活的な自立の基礎を育てようとしています。また,社会の変化の激しい今日にあって,それらに流されるのではなく主体的に対応しながら生活できる力や,身近な生活をよりよくしようと課題を解決していく力を育てることを目指しています。このような家庭科教育を通して,1人でも多くの子どもたちが,生きる力を確かに蓄え,家庭生活を大切に思う心豊かな生活者として育っていくことを願ってやみません。本書が,多くの関係者の皆様に活用され,子どもが輝く家庭科の授業の展開に少しでも資することができましたら幸いです。
○本書の構成について
・第1章では,家庭科の目標や学び方の特徴などをQ&A方式で,なるべく具体例などを挙げながら分かりやすく記しています。
・第2章では,第5学年,第6学年の学習指導の展開例とワークシート例とを載せ,指導上の留意点について詳しく記しています。
・家庭科の指導に慣れておられない先生方でもすぐに授業に役立てていただけるように効果の上がる教材,教具,資料なども実践例に基づいて示しています。
・アクティブ・ラーニングとしての家庭科の魅力に触れていただくためにさまざまな活動例についても紹介しています。
最後になりましたが,教師としての私を育ててくれた子どもたちや先生方,支えてくれた家族そして粘り強く編集の労をとってくださった明治図書の杉浦美南・木村悠・広川淳志のお三方に心からお礼申し上げます。
平成28年4月 /勝田 映子
また、授業で使える内容も多く、参考にしたいと思います。
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