- はじめに
- 序章 期待される子ども像とその実現のための手立て
- @人工知能がもたらす社会の変化
- Aアクティブ・ラーニングへの期待
- B主体的・対話的で深い学び
- C協働的な問題解決
- 第1章 ペアと小グループによる協働的な学び合い
- 1 問題設定 問題場面の理解と課題意識の共有
- @何センチか分からない
- Aじゃあ君は何センチがいい?
- B隣の人に先生には聞こえない声で言いましょう
- C他にも違う式もあると思うのだけどな……
- 2 自力解決 個に応じた指導と練り上げへの準備
- @黙って解いてみましょう
- A詳しく書いてみましょう
- B他の人にまず説明してもらうけど
- 3 練り上げ 解決の説明と質疑応答,そして議論
- @質問,ありませんか?
- A質問がないのはおかしい
- Bそれ,ゴミでしょ
- Cまだ分からない人のために
- Dたてる,かける,ひく,おろすを使いながら
- 4 まとめ 学習成果の確認と習熟,そして発展
- @検算という言葉を使って
- A今日の授業の中で何が大事だった?
- 5 ペアと小グループによる協働的な学び合いの意味と価値
- @ペアによる協働的な学び合い
- A小グループによる協働的な学び合い
- B授業の総括
- 第2章 リレーまとめと付箋コメントによる協働的な学び合い
- 1 問題設定 問題場面の理解と課題意識の共有
- @入場料って,何?
- Aあっているけど,違う
- Bみんなのお母さんが来たんじゃない?
- Cすっきりしよう
- 2 自力解決 個に応じた指導と練り上げへの準備
- @不安っていう人は前においで
- A何かに気付くと二重丸になるよ
- Bあれを書き忘れているのかなぁ?
- 3 練り上げ リレーまとめと付箋によるコメント,そして議論
- @今日はリレーまとめをしたいと思います
- Aあー分かった!
- Bもう付箋を貼っていいよ
- C多いのと少ないのがある
- D合体してるから
- E入場券を合わせちゃった
- F合体していないからバラバラ法
- 4 まとめ 学習成果の確認と深化
- @式には場面を表すという役割もある
- A大人と子どもの人数が同じならできる
- 5 リレーまとめと付箋コメントによる協働的な学び合いの意味と価値
- @リレーまとめによる協働的な学び合い
- A付箋コメントによる協働的な学び合い
- B授業の総括
- 第3章 チームまとめとリズミカルな対話による協働的な学び合い
- 1 問題設定 問題場面の理解と課題意識の共有
- @縦分けと横分け
- A正方形から長方形をひく
- Bぼやけているな
- Cうまいこと,まとめてくれ
- D許してくれ? 分からん?
- 2 自力解決 個に応じた指導と練り上げへの準備
- @ぴったりの数で計算してね
- Aものによったら,使い分けをしている
- 3 練り上げ チームまとめと解決方法の説明,そして議論
- @自分のチームのまとめ役の席の周りに集まって
- A2×2って,おかしい
- B電池のような形。こんな求め方でやったで,と説明して
- Cちょっと面倒くさい
- D全体からひくってやったよって人?
- Eいつでも全体からひくがいいわけとちゃうんやな?
- Fどれでもできるけど,全体からひくがいい
- 4 まとめ 学習成果の確認と発展,そして次時の予告
- @分けて,公式を使えるようにした
- Aちょっと違うやり方を言いよったで
- 5 チームまとめとリズミカルな対話による協働的な学び合いの意味と価値
- @チームまとめによる協働的な学び合い
- Aリズミカルな対話による協働的な学び合い
- B授業の総括
- 参考引用文献
- おわりに
はじめに
ある研究授業の助言を依頼されて授業を参観した時のことです。参観後に,校長室でお茶を飲んでいる時に,その学校の校長先生から,こんなことを,言っていただきました。
「本当に興味深そうに授業をご覧になりますね。熱心にメモをとられていたかと思うと,時には笑ったり,時には頷いたり,楽しそうに授業を参観されるから,授業の遣り甲斐もあるというものです。」
この言葉は,私にとって最大級の褒め言葉です。私は学生の頃から,算数や数学の授業をすることが好きだし,算数・数学の授業を参観することも好きだし,算数・数学の授業の話をすることも好きなのです。
よい授業に限らず,どの授業を見てもよい勉強になります。お手本になる指導もあれば,反面教師となる指導もあります。大変に興味深い授業に出会うことも少なくありません。その授業のおもしろさをリアルに表現したい,その生の雰囲気を伝えたい,その子どもたちの活躍振りを多くのみなさんに分かってほしい。そんな想いから本書は誕生しました。
ここでは,3つの興味深い授業を通して,アクティブ・ラーニングの指導を「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」を視点にして,それらを促すポイントを示しました。また,あわせて,その指導の前提となる考え方や,日常的な指導や,子どもたちの実態をバックグランドとして紹介しました。
平成29年1月 /石井 勉
-
- 明治図書
- 詳細な実践事例が書かれていて分かりやすかったです。2021/6/2820代・小学校教員