- まえがき
- 第1章 国語科授業づくりの条件
- 1.良い国語の授業って?
- 2.借り物を捨てよ!
- 3.意欲を喚起せよ!
- 4.学力を保障せよ!
- 5.思考を促進せよ!
- 6.「こどもたち全員に」を意識せよ!
- 第2章 国語科授業の意欲喚起
- 1.二つの学習意欲を喚起せよ!
- 2.学習の意義を伝えよ!
- 3.驚嘆・当惑・矛盾を与えよ!
- 4.選択肢を単純化せよ!
- 5.数を問え!
- 6.意見は必ずノートさせよ!
- 7.適度な刺激を与え続けよ!
- 8.裁きの場に立たせよ!
- 9.虚に視線を注げ!
- 10.向上的変容を自覚させよ!
- 第3章 国語科授業の学力形成
- 1.1時間の形成学力を一つに絞れ!
- 2.指導事項を明確化せよ!
- 3.指導事項を板書せよ!
- 4.自分の言語生活と見比べよ!
- 5.言語技術を整理せよ!
- 6.演習形式を旨とせよ!
- 7.「まだ終わらない人」と確認せよ!
- 8.「話すこと」の言語技術
- 9.「聞くこと」の言語技術
- 10.「書くこと」の言語技術
- 11.「読むこと(説明的文章)」の言語技術
- 12.「読むこと(文学的文章)」の言語技術
- 13.「音読・朗読」の言語技術
- 14.言語知識・言語技術・言語技能を分けて捉えよ!
- 第4章 国語科授業の思考促進
- 1.上位語・下位語を定着させよ!
- 2.上位の文・下位の文を定着させよ!
- 3.上位の段落・下位の段落を定着させよ!
- 4.言語感覚を醸成せよ!
- 5.複数の字数指定で要約させよ!
- 6.「五つの言語意識」を醸成せよ!
- 7.立場を明確にさせよ!
- 8.すべての見解をリストアップさせよ!
- 9.時間を指定せよ!
- 10.学びを見える化させよ!
- 11.自らの言語活動をメタ認知させよ!
- 12.聴衆を傾向として分析させよ!
- 13.「評価意識」を醸成せよ!
- 第5章 国語科授業づくりの力量形成
- 1.辞典・事典の類を手元に置け!
- 2.「一人研究授業」を繰り返せ!
- 3.一年の学びを凝縮せよ!
- あとがき
まえがき
処女作『全員参加を保障する授業技術』から15年が経過しようとしています。34歳,教職10年目のことです。当時の明治図書の大編集長江部満氏に御依頼を受け,舞い上がって一心不乱にキーボードに向かった日を,今でもつい昨日のことのように思い浮かべることができます。
今回,「THE教師力ハンドブック」シリーズの1冊として,若い教師たちに何か入門書を書こうと考えた際,初心に戻って国語科の授業づくりを題材にしようと思い至りました。処女作と同じように,国語科授業づくりにおける「意欲喚起」「学力形成」「思考促進」をテーマにしています。この三つを子どもたち全員に保障するにはどうしたら良いのか,その授業像を少しずつ少しずつ修正しながら取り組んでいる,それが私の教師人生です。
本書は処女作『全員参加を保障する授業技術』のテーマを踏襲しながらも,この15年での私の思考,私の成長を反映したものにしようとさまざまな提案を試みました。しかも,若い教師があいまいにしがちな点を私なりに解明しようとの意図も色濃く反映させました。なかでも,国語学力を110の言語技術として提案したことは,類書のない試みだと自負しています。私の国語科授業づくり人生の中間締めといったところです。
本書が国語科の授業づくりに取り組もうとする若い教師たちの参考になれば,また国語科教育を研究する多くの先達に御批正いただければ,これにまさる幸せはありません。
コメント一覧へ