- はじめに
- 特別支援教育コーディネーター 先輩教師からのエール&12か月の仕事の流れ例
- 小学校
- 特別支援教育コーディネーターの仕事はつながりをつくれることがすてき /吉成 千夏
- 中学校
- 特別支援教育コーディネーターの仕事はやり遂げた感がすてき /塩原 亜紀
- 第1章 4月 コーディネーターになったら
- 1 コーディネーターの仕事を知ろう
- 2 昨年までの記録を確かめよう
- 3 校内委員会はどうなっているのかな
- 4 準備しておくとよいものは
- 5 関係機関と連携するとは
- 第2章 5月 校内委員会を運営しよう
- 1 改めて,校内委員会って何だろう
- 2 どのような開催の仕方があるかな
- 3 スムーズな運営のために
- 4 「会議の見える化」にチャレンジ
- 5 校内委員会が終わったら
- 6 校内委員会の実際@ 特別支援教育全体会を開こう
- 7 校内委員会の実際A 必要な支援を検討しよう
- 8 校内委員会の実際B 行事に向けた支援を検討しよう
- 9 校内委員会の実際C 中学校では
- 第3章 5・6月 周りの人とつながろう
- 1 担任とかかわろう
- 2 養護教諭とかかわろう
- 3 スクールカウンセラーとかかわろう
- 4 特別支援教育支援員とかかわろう
- 5 特別支援学級の担任とかかわろう
- 6 通級担当教員とかかわろう
- 7 教科担任制(中学校)をいかしてかかわろう
- 8 管理職とかかわろう
- 9 子どもとかかわろう
- 10 ケース会議でつながろうT
- 11 校内でのケース会議の実践例
- 第4章 7・8月 特別支援教育・障害への理解を深めよう
- 1 研修の機会の充実を図ろう
- 2 校内研修を企画しよう
- 3 外部から講師を依頼するときに
- 4 校内研修の実践例
- 5 アセスメントについて知ろう
- 6 検査について知ろう
- 7 個別の教育支援計画について知ろう
- 8 個別の指導計画について知ろう
- 9 居住地校交流について知ろう
- 10 合理的配慮について知ろう
- 第5章 9・10月 関係機関とつながろう
- 1 学校外で連携できる関係機関を確認しよう
- 2 関係機関の助言を受け,支援を見直そう
- 3 医療機関とつながろう
- 4 次の学びの場につなぐときに気を付けること
- 5 ケース会議でつながろうU
- 6 ケース会議の実践例@ 放課後等デイサービス事業所との連携
- 7 ケース会議の実践例A 小学校から中学校への引継ぎ
- 8 ケース会議の実践例B 医療機関との連携
- 9 ケース会議の実践例C 入院していた子どもの復学支援会議
- 第6章 11・12月 保護者とつながろう
- 1 「保護者に対する相談窓口」としての役割を考えよう
- 2 保護者の思いを受け止めよう
- 3 保護者との橋渡しをしよう
- 4 周囲の保護者への理解啓発を図ろう
- 第7章 1・2月 1年のまとめをしよう
- 1 個別の教育支援計画・個別の指導計画をまとめよう
- 2 効果的だった支援ツール
- 3 支援の成果と課題を共有しよう
- 4 資料の引継ぎをしよう
- 第8章 3月 次年度の準備をしよう
- 1 就学時健診から次年度の準備をスタートしよう
- 2 幼保小の連携を進めよう
- 3 就学前機関からの資料を活用しよう
- 4 進学時の引継ぎに参加しよう
- 5 入学前にできることは
- 6 教育計画にも特別支援教育のページを
- 7 チェックシートで学校体制を見直そう
- 執筆者紹介
はじめに
こんにちは。東京コーディネーター研究会です。
この本を手に取っていただきありがとうございます。
東京コーディネーター研究会は,特別支援教育に携わる様々な学校関係の方が集まって,実感を分かち合いながら,指導と連携の具体策を話し合う場をつくろうと,2004年の秋に発足した研究会です。
私たちの研究会の会長である東京学芸大学名誉教授の野村東助先生が,ある研修会の終わりの言葉でこうおっしゃいました。
「今,必要なのは,子どもには居場所,保護者にはつながり,教師にはゆとりである」と。
新型コロナウイルスの影響は様々なところに色濃く出ていますが,野村先生がお話しされた,この必要なものが得にくくなっていることも,その一つだと感じています。
このような折に,2011年に黒川君江先生の編著で研究会の仲間と執筆した『特別支援教育コーディネーターの1年 小・中学校編』をリニューアルしませんかとお話をいただきました。研究会の活動も縮小している中で,とてもお引き受けできないと一度はお断りをしました。しかし,3年ぶりに対面の実践研修会を開催したところ,予想をはるかに上回る参加者が集まりました。そして,現場で困っていることや取り組んでいることを熱く語り合う皆さんの姿を拝見し,考えが変わりました。一つは,特別支援教育コーディネーターの全校配置からこんなに経過しても,コーディネーターの悩みは変わらず,やはり手探りの状態であること。もう一つは,研究会の活動の蓄積から,10年前には発信できなかったことがあるのではないかと考えたことからです。
そこで,研究会のメンバーに声をかけ,これまでの研究会の会報や記録も見直しながら,寄せられた悩みに少しでも答えられるものを発信していこうと取り組みを始めました。
まず,話し合ったことは,初めてコーディネーターになった方に,仕事のヒントとともにエールを送りたいということです。コーディネーターは,本務が別にあります。できるだけ分かりやすく,そして,限られた時間の中でできる工夫を一緒に考えていきたいと思いました。
もう一つは,「つなぐ」「つながる」ということです。コーディネーターの仕事は,情報や人をつなぐことです。そのためには,コーディネーター自身が,校内でそして校外で「つながり」をつくりながら仕事をしていくことが大切です。これは,先につくった『特別支援教育コーディネーターの1年 小・中学校編』に書かれていた「誰もがコーディネーターの視点で,各立場から明日の特別支援教育をつくりだすことが大事。校内体制は組織力で。」とつながります。
初めて特別支援教育コーディネーターになられた皆さん。異動して久しぶりにコーディネーターになられた皆さん。まずは,相談できる方,一緒に考えてもらえる方を探すことから取り組んでみてください。きっと仲間になってくれる方が見付かるはずです。そして,ご一緒に,「子どもの居場所,保護者のつながり,教師のゆとり」をつくっていきましょう。
東京コーディネーター研究会 /吉成 千夏
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- 明治図書
- 特別支援教育コーディネーターの仕事内容がよく分かった。自身の取組にも活かすことができた。2024/5/2150代・小学校教員
- 今年度初めて特別支援教育コーディネーターを務めることになりました。異動したばかりだったので、仕事内容や動きについて誰に尋ねてよいのかわからず、不安でいっぱいの時にこの本に出会いました。仕事内容が1年の流れに沿って簡潔に書かれ、見通しを持つことができました。この本でわかったこと、自分自身がコーディネーターとして動いて気づいたこと、そして周りからの助言などを受けて、今後子どもたちに還元できたらいいなと思いました。2023/8/1030代・小学校教員