- まえがき
- 第1章 生徒が苦手な教材 楽しい授業に大転換する10の原則
- 1 数を示して、教えることを限定する
- 2 練習量を確保する
- 3 動きを入れる
- 4 説明したいことは、生徒に言わせる
- 5 テストで教える
- 6 説明でなく、発問で教える
- 7 説明でなく、視写で教える
- 8 易から難に配列する
- 9 個別評定する
- 10 変化をつけて三回繰り返す
- 第2章 生徒が苦手な教材 楽しい授業に大転換する指導アイデア
- @文法教材
- 1 単語の分類が苦手
- 2 用言の分類が苦手
- 3 活用が苦手
- 4 連体詞と副詞の区別が苦手
- 5 敬語が苦手
- A古文教材
- 1 人物関係が苦手 ―「徒然草」指導のアイデア
- 2 枕草子が苦手
- 3 内容読解が苦手 ―「平家物語」を例に
- B漢文教材
- 1 漢文の訓読法が苦手(春暁)
- 2 漢文の人物関係が苦手(黄鶴楼)
- C短歌・俳句教材
- 1 歴史的仮名遣いが苦手
- 2 短歌の解釈が苦手
- 3 俳句の解釈が苦手(おくのほそ道)
- 第3章 生徒が苦手な「書く」活動 楽しい授業に大転換する指導アイデア
- 1 一文を短くするのが苦手
- 2 常体と敬体の統一が苦手
- 3 文のねじれに気が付かないから起こる混乱
- 4 誤解が生じる文に気が付かないで起こる混乱
- 5 課題作文が苦手
- 第4章 生徒が苦手な「話す・聞く」活動 楽しい授業に大転換する指導アイデア
- @スピーチ教材
- 1 プレゼンテーションが苦手 ―症例と対応策
- 2 インタビューが苦手
- A聞き取り教材
- 1 聞き取りが苦手
- 2 メモが苦手
- 第5章 生徒が苦手な「書写」 楽しい授業に大転換する指導アイデア
- 1 用具の扱いが苦手
- 2 筆遣いが苦手
- 3 字形が苦手
- あとがき
まえがき
中学生が苦手な国語の題材は、ほぼ決まっている。
文法であり、記述問題であり、古典教材である。これらは、定期テストがあるから、苦手であることがはっきりわかる。誤答が多いだけではない。無答が多いのである。「話す・聞く」学習活動や、書写に苦手意識をもつ生徒も多い。いったん苦手意識をもつと、こうした活動に取り組まなくなる生徒もいる。
こうしたことから、「国語ってキライ!」と言う生徒が、学年を追って増えてくる。国語教師にとって、これはつらい。なぜなら、学習意欲は、学力の三要素の一つと規定されたからだ。
基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。 (学校教育法第三〇条第二項)
これまで「学力とは何か」という話題をめぐって、様々な立場から多様な議論が展開されてきた。しかし、これらは、最終的に改訂学校教育法等で規定されたのである。すなわち、次の三つである。
@ 「基礎的・基本的な知識・技能の習得」
A 「これらを活用して課題を解決するための思考力・判断力・表現力など」
B 「主体的に学習に取り組む態度」
このうち、「主体的に学習に取り組む態度」は、学習意欲をいかに教師が喚起するかにかかっている。生徒が苦手とする題材であっても、いかに楽しく授業し生徒の学習意欲を喚起するか。それは教師の仕掛け方にかかっているといっても過言ではない。私もまた、いかに生徒の学習意欲を喚起するかに悩み、様々な工夫を重ねてきた。
その結果見えてきたのが、次の十の原則である。
1 数を示して、教えることを限定する
2 練習量を確保する
3 動きを入れる
4 説明したいことは、生徒に言わせる
5 テストで教える
6 説明でなく、発問で教える
7 説明でなく、視写で教える
8 易から難に配列する
9 個別評定をする
10 変化をつけて三回繰り返す
この中には、カテゴリーの異なる原則も入っている。しかし、現場で授業を組み立てる際には、必ずや参考になる点があると確信する。
平成二十七年十月 /松原 大介
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