- はじめに
- 1年
- 分数でビンゴゲームをしよう(小学校の復習)
- キーワード:倍数の判定法,ビンゴゲーム,分数の約分と通分
- 4つの4だけで数をつくろう(正負の数)
- キーワード:正負の数の四則演算,4つの4で数をつくる
- 数を累乗してあそぼう(正負の数)
- キーワード:誕生日の活用,累乗
- 英語の単語を累乗で表してみよう(文字の式)
- キーワード:筆記体,累乗
- 買い物しながら文字で表そう(文字の式)
- キーワード:割合の問題
- 100−(60−40)のカッコを外そう(文字の式)
- キーワード:カッコを外す方法
- x=2が解の方程式をつくろう(方程式)
- キーワード:(問題を)つくる,方程式とは
- 「適していない」問題を解こう(方程式)
- キーワード:一次方程式の利用,(方程式の解は)適していない
- 時計の針が重なる時刻を調べよう(方程式)
- キーワード:一次方程式の利用,時計の針が重なる時刻
- 座標と棋譜について調べよう(比例と反比例)
- キーワード:座標と将棋,象限
- レーザービームで的を狙おう! エピソードT(比例と反比例)
- キーワード:鏡の反射,比例のグラフ,レーザービーム
- 分数を小数に直してグラフにしよう(比例と反比例)
- キーワード:反比例のグラフ,分数を小数に直す
- 角の三等分線を作図しよう(平面図形)
- キーワード:角の二等分線の作図,作図不能問題,垂直二等分線の作図
- 正しく正方形を作図しよう(平面図形)
- キーワード:角の二等分線の作図,垂線の作図,和算の問題
- 江戸の灯りの問題を解こう(空間図形)
- キーワード:切籠灯籠,三角錐の体積,展開図,立方八面体,和算の問題
- 頭の中で直角三角形を回転させよう(空間図形)
- キーワード:動く図形の問題,回転体の体積,算額をつくろうコンクール
- データを冷静に読み取ろう(データの分析と活用)
- キーワード:インフルエンザの予防接種,代表値(平均値,中央値,最頻値)
- 2年
- 4人で等分できるか考えよう(式の計算)
- キーワード:倍数の判定法,文字式を用いた説明
- 9人で等分できるか考えよう(式の計算)
- キーワード:倍数の判定法,文字式を用いた説明
- 単位の変換公式をつくろう(式の計算)
- キーワード:摂氏と華氏,等式の変形
- 答えのない問題をつくろう(連立方程式)
- キーワード:(問題を)つくる,(方程式の解は)適していない,連立方程式の利用
- 江戸時代の手品をやってみよう(連立方程式)
- キーワード:さっさ立て,連立方程式の利用,和算の問題
- 古代エジプトの問題を解いてみよう(連立方程式)
- キーワード:リンド・パピルス,連立方程式の利用
- どちらの坂が急なのか考えよう(一次関数)
- キーワード:一次関数のグラフ,(直線の)傾き,バリアフリー法
- レーザービームで的を狙おう! エピソードU(一次関数)
- キーワード:一次関数のグラフ,鏡の反射,直線の方程式,レーザービーム
- 錯視の図形で証明しよう(平行と合同)
- キーワード:合同の証明,錯視の図形
- 星形多角形で角の和を求めよう(平行と合同)
- キーワード:外角,計算の工夫,星形多角形
- ピタゴラスの定理を証明しよう(平行と合同)
- キーワード:三平方の定理(ピタゴラスの定理),文字式を用いた説明
- 定義を正しく言い当てよう(三角形と四角形)
- キーワード:定義と定理
- 領地と海岸線の両方を三等分しよう(三角形と四角形)
- キーワード:等積変形,平行線と面積
- 垂直な直線の方程式を求めよう(三角形と四角形)
- キーワード:合同の証明,垂直な直線の傾き,直線の方程式,融合問題(合同と一次関数)
- 不思議なさいころの確率を求めよう(確率)
- キーワード:確率(さいころ型),同様に確からしい
- いつ選ぶと当たりやすいか考えよう(確率)
- キーワード:確率(くじ引き型),すっぱいガム
- 日本一暑い町はどこか検証しよう(データの散らばりと箱ひげ図)
- キーワード:四分位数・四分位範囲,日本一暑い町,箱ひげ図
- 3年
- 306×306を工夫して計算しよう(多項式)
- キーワード:計算の工夫,11から19までの平方数,乗法公式
- 道路用地の広さを求めよう(多項式)
- キーワード:計算の工夫,道の面積,文字式を用いた説明
- コピー機の倍率について調べよう(平方根)
- キーワード:コピー機の倍率と平方根,(問題を)つくる
- √nをa√bの形に変えよう! アタック25(平方根)
- キーワード:ビンゴゲーム,√nをa√bに変形
- √のミルフィーユ計算に挑戦しよう(平方根)
- キーワード:ミルフィーユ計算,文字式を用いた説明,融合問題(平方根と多項式)
- 方程式の意味を思い出そう(二次方程式)
- キーワード:ゼロでわること,方程式とは
- 和と積から2つの数を求めよう(二次方程式)
- キーワード:解と係数の関係,二次方程式の利用
- 誕生日で解の公式の練習をしよう(二次方程式)
- キーワード:解の公式の練習,解の公式(xの係数が偶数の場合),誕生日の活用
- 月面でジャンプしたらどんなだろう(関数y=ax2)
- キーワード:関数y=ax2の利用,月面でジャンプ,比例定数とは
- レーザービームで的を狙おう! エピソードV(関数y=ax2)
- キーワード:直線と直線の交点,放物線と直線の交点,レーザービーム
- 古墳の体積を求めよう(相似な図形)
- キーワード:円錐台の体積,計算の工夫,円錐,古墳の体積,相似な立体の体積比
- 辺の長さをいろいろ変えて考えよう(三平方の定理)
- キーワード:計算の工夫,ピタゴラスの定理,誕生日の活用
- 円の中心が動く長さを求めよう(三平方の定理)
- キーワード:動く図形の問題,円の旅,算額をつくろうコンクール,ピタゴラスの定理,特別な三角形の辺の比
- 忍者の武器の側面積を求めよう(三平方の定理)
- キーワード:くない,ピタゴラスの定理,特別な三角形の辺の比,忍者の武器の側面積
- 算額にチャレンジしよう(円)
- キーワード:ピタゴラスの定理,和算の問題
- 何人が見ていたか予想しよう(標本調査)
- キーワード:視聴率,無作為抽出
はじめに
本書を手に取っていただき,ありがとうございます。『対話的な学びを促すおもしろ問題50』は,中学校3年間の数学の授業を補助するプリント教材集です。
左のページをコピーして,そのまま授業プリントとして使えるようになっています。1時間で1ページの内容が終わるようにしてあります。「使えるぞ」と感じたページを,かいつまんで使ってください。すべて使わないといけない仕様にはなっていません。
教室には,数学の興味・能力の面でいろいろな段階の生徒がいます。その背後には,数学が他教科に比べて受け入れられにくい風潮があると感じています。テレビをつければ,白衣を着た人が空気砲を飛ばしていたり,様々な魚について説明していたり…理科への関心が高まる機会が与えられます。ペットボトルのお茶のラベルを見れば中学生が詠んだ俳句があり,国語を意識します。2020年に東京オリンピックがやってきますし,英語力の伸長も話題です。クイズ番組でも,数学の出題は他教科に比べて少ないですよね。残念ながら今の世の中で,数学を楽しく受け入れる人は少ない状況にあります。そんな逆風の中,教員として教壇に立っている以上,「どの子も数学好き」である状況を目指すのは,一つの使命かと思います。
2007年にiPhoneの初代が発売され,Kindleもリリースしました。さらにこの年,Youtubeも日本語対応し急速に広まっていきます。教室に座っている12〜15才はタッチパネル世代です。物心がついたときから,その画面にふれるだけで反応が返ってきた世代です。別にiPadを教室に入れることを推奨しているのではありません。以前よりも授業内容にインパクトや共感ができる部分,インタラクティブなやり取りが必要になってくると言いたいのです。
筆者が学生時代に受けた授業の中には,教科書を読み上げて問題を解く…その繰り返しだけで,淡々と進んでいくものもありました。その方法ではどの子も数学好きにするのは無理です。皆さんも,先生が教科書から飛び出して雑談をしてくれたことや,異なる趣向の問題にチャレンジさせてくれたことが,今も印象に残っていませんか。本書にあるプリント教材を使って教科書を飛び出し,教員と生徒に活発なやり取りが生まれることを期待しています。そのやり取りが,生徒の記憶に,そして自信につながると思うのです。
2017年3月に学習指導要領が改訂され,実際に「主体的・対話的で深い学び」の実現(アクティブ・ラーニングの視点からの授業改善)が求められています。生徒が発言しやすい問題でないと,よい対話は生まれません。2021年の完全実施に向かって,この問題から読者である皆さんの持ちネタが生まれていくことに期待します。その一助になれたらとても嬉しく思います。
本書には,以下のような「おもしろ問題」を掲載しています。
@インパクトのあるおもしろ問題。数学の入り口として定義や公式の定着を目指します。
例:p.12(累乗),p.26(座標),p.58(証明),p.82(根号)
A誤答で盛り上がるおもしろ問題。正しい計算方法やその工夫を楽しく学べます。
例:p.18(文字式),p.46(等式の変形),p.72(確率),p.98(三平方)
B歯ごたえのあるおもしろ問題。発展事項を無理なく教えられるように工夫しました。
例:p.68(垂直条件),p.90(解の公式[2]),p.104(三平方と円)
本 編の右のページには,左のページの解答や解説だけでなく,どのような場面で使用したらよいかを伝える「使用場面」,生徒と先生でどんなやり取りが起こるか想定した「授業展開」を添えておきました。左のページを授業で使う前に「授業展開」に目を通しておいてください。実際の授業は,「授業展開」の通りに進まないことがほとんどですが,その中の発言が生徒から出てくることもあるからです。以下,アイコンについて説明します。
「難易度」
★☆☆☆☆ …… 教科書に入る前に知るとよい内容
★★☆☆☆ …… 教科書のたしかめ問題と同じレベルの内容
★★★☆☆ …… 教科書の練習問題と同じレベルの内容
★★★★☆ …… 教科書の章末問題と同じレベルの内容
★★★★★ …… 教科書を超えたレベルの内容
「使用場面」
導入…… 単元のはじめの授業で使えます
内容…… 単元の途中の授業で使えます
章末…… 単元の内容を終えるころに,まとめ学習で使えます
本書の内容は,1〜3年すべての学年,すべての単元にまたがっています。新しい単元に入るごとにこの本を開き,「使えるネタがないか」探してもらえたら幸いです。
また,学年横断的に貫いているテーマもあります。1〜3年通してシリーズ化し,継続的に使うと効果的です。
@レーザービームで関数の決定を学ぶ …… p.28,p.56,p.94
A生徒の誕生日を活用して授業をする …… p.12,p.90,p.98
B生徒に自分で問題をつくらせる …… p.20,p.48,p.80
C和算の問題を題材として授業をする …… p.34,p.36,p.50,p.104
D統計分野を題材として授業をする …… p.40,p.74,p.106
最後に,一緒に授業をつくってくれた生徒たちと,私を支えてくれた家族に感謝します。
2017年12月 /中島 秀忠
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- 明治図書
- 対話的な学びを促す教材例が集められていていい内容だが、レベル的にちょっと高いものもあり、もっと広いレベルで活用できる第二弾を期待したい。2018/10/18 etsumican
- 授業づくりに参考になった。2018/3/3120代・中学校教員