- はじめに
- 序章 ちょっとした技を身につけるだけで授業が劇的に変わる!
- 1 授業の「力量」とは
- 2 話し合いの場面における授業づくりの技
- 3 人間的力量を高める
- 1章 すぐに使える! 教科指導の小技
- 国語
- 楽しみながら語彙を増やしていく技
- 新出漢字を楽しくしっかり習得させる技
- 偏旁カードで楽しく漢字を覚えさせる技
- ことわざや四字熟語を楽しく習得させる技
- 子どもが燃える暗唱活動の技
- 話し合いの結論を作者に尋ねてみる技
- 算数
- 計算で楽しくウォーミングアップする技
- 体を使って楽しみながら計算の習熟をさせる技
- 学習の進度差に対応する技
- 行列をつくらない素早い個別チェックの技
- 生活
- 科学者気分でしっかりと観察させる技
- 制作途中の作品をすっきり安全に保管する技
- 理科
- 植物の発芽を促すミニ温室づくりの技
- 子どもが感動する実験を手軽に行う技
- 理科ならではのノート指導の技
- 音楽
- 大きな声で歌えるようにする歌唱指導の技【姿勢編】
- 大きな声で歌えるようにする歌唱指導の技【口の開け方編】
- リコーダーの音がしっかり出るようにする技
- 日常生活で音楽の教材に親しませる技
- 図工
- 子どもの個性があらわれやすい絵の題材選びの技
- 立体作品を有効に活用・展示する技
- 体育
- メジャーがなくてもまっすぐラインを引く技
- 必ず速くなるリレーのバトンパス指導の技
- 効率的かつたくさん練習できる水泳指導の技
- 安全かつ効率的にできる水慣らしの技
- プールで水に慣れさせるビーチボール活用の技
- 二重跳びがどんどん跳べるようになる技
- 2章 すぐに役立つ! 授業運営の小技
- 教材・教具
- 子どもの指導に役立つ座席表活用の技
- 授業を活性化するネーム磁石活用の技
- 授業準備にかかる手間を省くプリント共有箱活用の技
- 実物を使って子どもの学習意欲を高める技
- 衣装の工夫で授業の雰囲気をつくる技
- スマホやタブレットを授業で手軽に活用する技
- 板書
- どの子も安心して授業に取り組める視覚化の技
- 黒板を子どもに開放する技
- 板書研究で授業の腕を上げる技
- ノート指導
- 1年生のノートの使い方を上達させる技
- 子どもや保護者に成長を実感してもらう技
- 導入・終末
- 授業のはじめとおわりにテンポを生み出す技
- 単純な繰り返しで子どもを集中させる技
- 発表
- より多くの子どもに発表をさせる技
- どの子も躊躇せず挙手できるようにする技
- プレゼン力を高めるホワイトボード活用の技
- 話し合い
- 発表や議論への意欲を高める技
- スムーズに話し合いに移れる交流タイムの技
- 学習形態
- 授業中の隊形移動を素早く行う技
- 黒板と机の間のスペースを有効に活用する技
- 授業に緩急をつけ集中力を持続させる技
- 各自の学びの成果を共有し学習を深める技
- 発問・指示
- 子どもの関心や意欲がグンと高まる資料提示の技
- 子どもの考えをよりたくさん引き出す技
- 教師の立ち位置,立ち方の技
- きまりや法則に気づかせるための技
- 個への支援
- 立ち歩きする子を授業に参加させる技
- 子どもの忘れ物に対応する技
- 手紙
- 相手に喜んでもらえるお礼の手紙づくりの技
- 宿題
- 宿題に取り組むのが楽しくなる塗り絵活用の技
- 授業参観
- 保護者も巻き込んで盛り上がる授業参観づくりの技
- テスト・評価
- テストの○つけ&答え直しを効率よく行う技
- 子どものやる気がグンと上がる赤ペンのサインの技
- 子どもに自信をもたせるテスト採点の技
- 自信をもってテストに臨ませる技
- テスト後の時間を有効に活用する技
はじめに
私は劣等生でした。
教員採用試験の一次試験すら通らなかった私の,「講師」としての社会人1年目。右も左も分からず,途方に暮れる日々の中で「一緒にコーヒーでも飲みながら勉強してみない?」と手を差し伸べてくださったのが,静岡教育サークル「シリウス」のメンバーでした。
もがき苦しんでいた私に,シリウスのメンバーは多くの情報,選択肢を与え,目の前にいる子どもたちに何が最良か選ぶ力を与えてくれました。「最初は真似でいいんだよ」。彼らの言葉に何度も救われました。
この本で紹介している実践の多くも,誠実に子どもと向き合い,真剣に子どもと対峙する諸先輩方から教えていただいたものです。諸先輩方の優れた実践を「真似ぶ(学ぶ)」ことが,子どもたちの笑顔につながり,やがては自分たちのオリジナルにつながると信じてやってきました。
現在,私は会社の経営を行っています。経営者セミナーに参加した際に,こんな法則を教えていただきました。
「会社に100人お客様がいたとします。すると60人はまぁまぁ満足して,何も言ってはきません。15人は満足していて,5人は感動し感謝している。しかし,15人は不満を感じ,5人は怒りすら覚えている。
特徴のあるお客様,声の大きいお客様はどうしても目立ちます。目立つのはそれぞれ前者の5人と後者の5人のお客様です。特に後者の5人はクレームとして表れます。どうしても,意識や体力,時間,金銭面のウエイトは,そちらに多く向けざるを得ません。
しかし,会社の売り上げを支えているのは,その目立つ10人のお客様でしょうか? もっと60人のサイレントマジョリティ(静かなる多数派)の声に耳を傾けるべきです。自分の会社の成長のカギはそこにあります」
この話の「会社」を「学級」に,お客様を「子ども(保護者)」に置き換えてみたとき,読者の皆様はどうお感じになるでしょうか。
どうしても,手のかかる子どもに時間も体力も奪われてしまいがちですが,その子のまわりにいて,静かに我慢してくれている子,黙っているけれど応援してくれている子,そういった子どもたちのモチベーションが下がらないような学級経営ができたなら,こんなにすばらしいことはないと思いませんか?
教師の一番の仕事はやはり「授業」です。授業を通して「わかった」「できた」と子どもたちを笑顔にすることです。本書が,そうした授業の手助けになるのなら,これほどうれしいことはありません。
この本には,静岡教育サークル「シリウス」と藤枝教育サークル「亀の会」が自信をもって選択してきた実践が詰まっています。
ネットで調べればわかるような情報では,伝えられること,伝わることは限られます。ぜひこの本を実際に手に取って読んでいただき,可能であれば近くのサークルや研究会に顔を出し,語り合ってみてください。この本が,ご自身の決めた道を自信をもって歩めるよう,読者の先生方の道しるべになればと願っています。
最後に,4年前のシリーズ1冊目の企画段階から,ずっと傍らで支え続けてくださっている明治図書の矢口郁雄様に,この場を借り,心より感謝申し上げます。そして,「シリウス」「亀の会」の仲間たちにも。
皆さんと出会えた私は本当に幸せ者です。
2018年2月 静岡教育サークル「シリウス」 /泉 真
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- 明治図書
- 写真が分かりやすく、すぐに使える技ばかりで大変役に立ちました!2023/10/140代・小学校管理職
- 日々、授業作りについてのアイデアが考え出されているので、長年教師をやっていてもそれだけではいけないと思い購入しました。しかし、長年やってきた中にすでに知っていることが多く、自分で頑張ってきたんだなと思い直しました。いくつかは、今後に利用できる技もあったので、よかったです。2019/6/1650代・小学校教員