- まえがき
- T 目標と評価
- 1 一般目標/学年目標/単元目標(指導目標と学習目標)
- 2 到達目標
- 3 習得と活用
- 4 教育評価
- 5 到達度評価
- 6 形成的評価
- U 国語学力・学力調査
- 7 国語学力
- 8 基礎学力
- 9 思考力・判断力・表現力
- 10 伝え合う力
- 11 表現力
- 12 理解力
- 13 語彙力
- 14 読解力・読書力
- 15 作文力
- 16 学力調査
- 17 PISA
- 18 学習用語
- V 授業づくり
- 授業形態
- 19 単元学習
- 20 年間指導計画
- 21 学習指導案
- 22 単元の構成・単元の展開
- 23 メタ認知
- 24 学習指導の形態
- 25 共同学習・協同学習・協働学習
- 26 学習者研究
- 27 個に応じた指導
- 28 教育話法
- 29 発問・指示・助言
- 30 板書
- 31 授業研究
- 32 研究授業・授業批評会・授業カンファランス
- 33 アクション・リサーチ
- 34 図解
- 35 授業力向上
- 教材・教具
- 36 教材・学習材
- 37 資料
- 38 国語教科書
- 39 ICTの活用
- 40 ノート・ワークシート
- 41 教材化・教材研究/学習材化
- 42 地域教材
- 43 複数教材
- 44 デジタル教科書・教材
- 国語科カリキュラムと言語活動
- 45 学習指導要領
- 46 言語活動の充実
- 47 国語科の構造
- 48 国語カリキュラム
- 49 クロスカリキュラム
- 50 学校づくりと国語教育
- 51 国語能力表
- 52 言語環境
- 53 経験学習
- 54 系統学習
- 55 基礎学習
- 56 とりたて指導・機会的指導
- W 話すこと・聞くことの指導
- 57 【歴史】話すこと・聞くことの指導
- 58 聞く・話す
- 59 能動的な聞き手
- 60 コミュニケーション能力
- 61 コミュニケーション理論
- 62 話題
- 63 話の組み立て
- 64 協同的態度
- 65 対話
- 66 話し合い
- 67 討論・討議・ディベート
- 68 インタビュー
- 69 スピーチ/プレゼンテーション
- 70 パネルディスカッション/シンポジウム
- 71 演劇的手法
- 72 語り〈話すこと・聞くことにおける〉
- 73 一般意味論
- 74 合意形成能力
- 75 人間関係形成力
- X 書くことの指導
- 76 【歴史】書くことの指導
- 77 コンポジション
- 78 書くことの指導の方法
- 79 記録・報告・報道
- 80 取材
- 81 構想
- 82 記述
- 83 推考(推敲)
- 84 批正
- 85 自己評価・相互評価
- 86 処理・活用
- 87 文種
- 88 メモの取り方
- 89 口頭作文
- 90 短作文
- 91 生活文
- 92 日記
- 93 手紙
- 94 感想文
- 95 意見文・論説文
- 96 説明文
- 97 紹介・案内
- 98 新聞づくり
- 99 レポート
- 100 創作(物語・俳句・短歌・随筆)
- 101 児童詩
- 102 文集
- 103 ライティング・ワークショップ
- 104 カンファレンス
- 105 編集
- Y 読むことの指導
- 106 【歴史】読むことの指導
- 107 物語論(ナラトロジー)
- 108 読者論
- 109 読解・読書
- 110 連続型テキスト・非連続型テキスト・混成型テキスト・複合型テキスト
- 111 物語・小説
- 112 絵本
- 113 ヤングアダルト
- 114 神話・伝承・昔話
- 115 戯曲
- 116 詩
- 117 短歌・俳句
- 118 随筆・随想
- 119 伝記
- 120 記録・報告
- 121 説明・解説
- 122 論説・評論
- 123 古典
- 124 あらすじ
- 125 要点・要旨
- 126 事実と意見
- 127 要約
- 128 語り〈読むことにおける〉
- 129 視点
- 130 イメージ・表象
- 131 物語の構造
- 132 場面
- 133 叙述
- 134 人物
- 135 主題
- 136 感想
- 137 音読・朗読・群読
- 138 暗唱
- 139 効果的な読み方
- 140 調べ読み
- 141 クリティカル・リーディング
- 142 解釈
- 143 鑑賞
- 144 批評
- 145 一読総合法
- 146 文芸研の授業
- 147 分析批評
- 148 学校図書館
- 149 読書会
- 150 読み聞かせ
- 151 ブックトーク
- 152 読書日記・読書記録・読書感想文
- 153 読書能力の発達
- 154 言語教育
- 155 文学教育
- 156 読解指導
- 157 読書指導
- 158 読書生活の指導
- Z 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項の指導
- 159 発声・発音
- 160 音節
- 161 共通語と方言
- 162 国語と日本語
- 163 国語の特質
- 164 言語感覚・語感
- 165 文・文章
- 166 段落
- 167 レトリック
- 168 ひらがな・かたかな/漢字/ローマ字
- 169 常用漢字・学年別漢字配当表
- 170 仮名づかい
- 171 送り仮名
- 172 句読点
- 173 語句・語彙
- 174 語句の構成
- 175 擬声語・擬態語(オノマトペ)
- 176 和語・漢語・外来語
- 177 慣用句・ことわざ・故事成語
- 178 同義語・類義語・反対語
- 179 学習基本語彙
- 180 文法論
- 181 学校文法
- 182 構文論
- 183 品詞
- 184 敬語
- 185 単文・重文・複文
- 186 文型
- 187 文の成分
- 188 文章論
- 189 書写
- 190 用紙・用具
- 191 書道
- 192 視写・聴写・暗写
- 193 書体
- 194 楷書・行書・草書
- 195 伝統的な言語文化
- 196 ことば遊び
- 197 流行語・若者言葉
- [ メディア教育・リテラシー
- 198 メディア
- 199 メディア・リテラシー
- 200 NIE(新聞活用)
- 201 テレビ
- 202 インターネット
- 203 図表/静止画
- 204 動画
- 205 広告(CM)
- 206 見ること・見せること
- 207 情報リテラシー
- 208 機能的リテラシー/批判的リテラシー
- 209 SNS/ケータイ
- \ 国語科で育む思考力
- 210 思考力の指導
- 211 論証
- 212 分析・総合
- 213 順序
- 214 分類・類推
- 215 比較
- 216 関係付け
- 217 帰納・演繹
- 218 共通点・相違点
- ] 基礎論
- 219 内言と外言
- 220 言語活動
- 221 言語技術
- 222 言語文化
- 223 言語と思考
- 224 言語論
- 225 言語理論
- 226 心理言語学/言語心理学
- 227 言語哲学
- 228 国語教育学/国語科教育学
- 229 認知科学/認知心理学
- 230 テクスト
- 231 コンテクスト
- 232 構成主義/社会構成主義
- 233 自己学習力・自己教育力
- 234 経験主義・能力主義
- XI 国語教育史
- 235 形象理論
- 236 解釈学
- 237 スキル学習
- 238 プログラム学習
- 239 自主編成
- 240 言語教育と文学教育
- 241 作文と生活綴方
- 242 文学作品の読み方指導と文学教育
- 243 主観主義と客観主義
- XII 新しい潮流・国語にかかわる政策
- 244 サブカルチャーを読む
- 245 電子書籍
- 246 国語教育とインクルーシブ教育
- 247 これからの時代に求められる国語力
- 248 読解力向上プログラム
- 249 文字・活字文化振興法
- 250 読書関連の施策
- 251 国語に関する世論調査
- 252 アクティブ・ラーニング
- 索引
- 執筆者一覧
まえがき
国語教育の理論・実践は,現在大きな変革のただ中にあるように思われる。それは,今の時代に応じて新しい試みがなされていることもあるが,なにより過去30年の間に提案され議論されてきたが,しかし現実的には必ずしも普及してこなかった理論や実践が,21世紀になり理論として進展し実践として普及するようになって,大きく変革の流れとして認められるようになったということであろう。
変革の要因には,時代や社会の変化,マスメディア,コンピュータや情報通信ネットワークの技術的進歩,それらに伴って生じる言語文化や言語環境の変化,児童・生徒の言語生活の変化,そして日本はもちろんだが今や世界の教育改革動向などさまざまな要因が考えられるが,それらが国語科の教育内容や学習指導法に新たな変革を促している。
これらの要因の中で,特に大きな影響を与えたものとして,2000年から始まったPISA調査が挙げられる。この調査は周知のとおり,グローバリゼーションを前提にして,経済協力開発機構(OECD)が義務教育終了段階にある15歳児を対象に,読解力,数学的リテラシー,科学的リテラシーの各分野について,学校で学んだ知識や技能が社会的な文脈で活用できるようになっているかを調査するものである。特に読解力は,これまでの国語科で扱ってきた能力やテキストとは異なる点も多く,2003年調査における読解力の順位低下をきっかけにして,文部科学省では読解力向上に関わる施策を実施し,そこで示された教育内容や方針が言語活動の充実という形で学習指導要領に反映され,また学力向上との関係から全国学力・学習状況調査に反映された。学習指導要領や全国学力・学習状況調査の影響力は大きく,それらが教科書教材に反映されるに至って,国語科の授業実践における教育内容や学習指導法に大きな変化をもたらしている。
このような変革期には,従来からある術語が使用されなくなったり,新しい学問的な成果を生かした術語が出現したり,長らく使用されてきた術語もこれまでとは異なった意味や価値が付与されたりするようになってくる。したがって,これらの変化に応じて,術語の事典は常に見直しを求められる。特に,現在は,前述のように教科書教材にも新しい教育内容や学習指導法が盛り込まれるようになったこともあり,また現職教育の成果もあって現代的な課題に積極的に取り組む実践家も多くなっており,新しい術語を解説する事典への要望がますます高まっている。
そこで,本書は,『国語科重要用語300の基礎知識』(大槻和夫編,明治図書,2001)の後継書として,取り上げる術語を現代的な課題に応じて250語程度に絞り込み,当該の術語に関わって専門的な知見を有する方にその解説をお願いした。解説は可能な限り,定義,理論,課題によって構成し,それぞれ術語の定義や内容,理論の背景や発展と実践への展開,今後の進展に関わる課題や方向性が示されている。ご担当いただいた先生方には,術語を明快に解説し,新しい国語教育のビジョンを描き出していただいたことに,心から感謝申し上げたい。示された数々の知見を十分に活用し,本書をご利用いただく学生,院生,実践家,研究者の方々とともに,新しい国語教育を創造するために歩み続けていきたいと願っている。
最後になるが,本書の出版にあたっては,明治図書の林知里氏には大変にお世話になった。時に渋滞しがちな仕事を,闊達かつ細やかに進めて,出版にまでこぎつけてくださった。ここに記して,厚く御礼を申し上げる。
2015年7月 /編者
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