- はじめに
- 序章 学校がチームになるとはどういうことなのか
- あの秋、あの一体感がチームだった
- 第1章 学校をチームにする5つの基本原則
- 「学校経営に芯柱を打ち込む」という原則
- 「戦略を立てる」という原則
- 「コミュニケーションを図る」という原則
- 「学校の中心で『助けて!』と叫ぶ」原則
- 「発信と受信」という原則
- 第2章 教頭・副校長と協力して組織をまとめる法則
- 「自律性」をもった名参謀を育てる法則
- 第3章 ミドルリーダーを育てて組織をまとめる法則
- 主任にする人がいない!どうするリーダー
- YMLって何だろう?
- YMLの育て方@〜立場を与える〜
- YMLの育て方A〜ともに学ぶ〜
- YMLの育て方B〜「学び」のアウトプット〜
- 第4章 一般教員の持ち味を生かして組織をまとめる法則
- 世代って何だろう?
- バブル世代のベテランはコミュニケーション力を活かしてまとめる
- 就職氷河期世代の教員はキャリアアップを刺激してまとめる
- ゆとり・さとり世代の教員は「自分らしさ」を大切にしてまとめる
- Z世代の教員は「承認欲求」を大切にしてまとめる
- クロスジェネレーションという考え方
- 第5章 学校全体を巻き込み組織力を上げる法則
- 若手の多い学校とベテランの多い学校
- 学校の規模の大きさによる組織づくりの法則
- 学校の状況に応じた学校づくりの法則〜混乱期から安定期まで〜
- 第6章 保護者・地域との連携から学校をまとめる法則
- 「ともに活動する」という法則
- 地域コーディネーターを活かす法則
- 学校運営協議会を活用するという法則
- 第7章 意味ある会議・研修にする法則
- 会議のスリム化は主体性を育てる
- 研修会は「相似形」「小規模化」を意識する
- 終章 次世代のスクールリーダーの姿とは
- ウェルビーイング時代の学校とリーダー
はじめに
「大人はわかってくれない」
こんな言葉を若い世代はよく使います。大人と思春期の若者たちとのジェネレーションギャップを端的に表現した言葉です。このギャップは、今に始まったことではなく、昔から存在しています。
1960年代のイギリスのロックバンドのThe Whoは、名曲「My Generation」の中で、バブル期の日本のアイドル歌手である本田美奈子は、代表曲「Oneway Generation」の中で、そして80年代に同世代の若者たちから圧倒的カリスマ性で支持を得た尾崎豊は「卒業」や「15の夜」といった曲の中で、「大人はわかってくれない」「わかり合えない」というジェネレーションギャップを強烈に表現しています。世代と世代がクロスオーバーすることは、なかなか容易なことではないのかもしれません。
本書は、大人と子どものギャップではなく、学校内の教職員間の世代のギャップに注目し、このギャップを肯定的に捉え、それぞれの世代のよさを活かしながら、いかにチームにしていくかを論じたものです。
バブル世代からZ世代までが、それぞれの道を単独で歩いていくという「Oneway Generation」ではなく、チームとして学校を活性化させていくにはどうしたらよいのかをスクールリーダーの視点から考えてみました。多様性の時代、先の見えない時代だからこそ、協働的で共生的な学校運営をすることが、いわゆる「ウェルビーイング」の実現につながってきます。
全国の学校を訪問する中で、多くのスクールリーダーが、世代を超えていかに教職員を一つのチームにしていったらよいかを悩んでいらっしゃることがわかりました。そんなスクールリーダーにとって本書が学校経営の一つの道標となり、様々な世代の教職員をチームとしてまとめ上げていく水先案内人となれれば幸いです。
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- 明治図書
- わかりやすい内容だった。実践に活かしたい。2024/12/850代・小学校管理職