- はじめに
- 第1章 とにかく社会科が大好きだ!
- 教師が社会科好きになる
- よい授業を観て、まるごと真似る
- ネタをつかむと、授業が楽しくなる
- 「いちばん」に注目すると社会科はおもしろい
- 子どもを社会科好きにする
- 社会科好きにする2つの重要ポイント
- 調べる楽しさで社会科が好きになる
- 能動的な学びで社会科が好きになる
- 多様なまとめで社会科が好きになる
- 伝える喜びで社会科が好きになる
- 第2章 まずはこれだけ押さえよう!
- 教科書の分析
- 教科書分析の実際
- グラフの分析
- 挿絵、図版、写真の分析
- 力がつく、楽しい、わかる授業づくり
- 「これだけは」で力がつく授業づくり
- 「はてな?」で楽しい、わかる授業づくり
- 「はてな?」がある授業では「たい」が泳ぐ
- ゆさぶり発問で「はてな?」を引き出す
- 「はてな?」からわかる授業をつくる
- 「えっ?」「うそ!」を引き出し楽しい授業をつくる
- 「アッとの笑い」で楽しい授業をつくる
- すぐれた授業をつくる教師の「暗黙知」
- 教室環境を整える
- 子ども一人ひとりと目を合わせてあいさつをする
- 二択の発問で全員参加のスタートを切る
- 立ち位置に意図をもつ
- 続きを考えさせる
- その子自身を称賛する
- 第3章 授業をデザインしよう!
- 単元構想の手順
- 教科書の内容と学び方を読み取る
- 学校や地域の実態に合わせた内容と学び方を検討する
- 各時間の「これだけは」を決める
- 各時間の授業づくりの実際
- 知っていると便利な地図記号(第1時)
- 「あれ、どっち?」(第2時)
- 調査隊、出発!(第3~6時)
- 調査報告(第7~9時)
- まとめのテスト(第10時)
- 第4章 授業を楽しくする術を身につけよう!
- 教材研究術
- 教材研究の実際「源頼朝と鎌倉幕府」
- 教材研究に欠かせない「ネタ」の開発
- 発問術
- 隠すこと、それは「無言の発問」
- 既知を未知に変える「ゆさぶる発問」
- 根拠を問うことで機能する「広げる発問」
- 比較の観点で絞り込む「選択の発問」
- 学びの成果を確かめる「深める発問」
- 板書術
- 1時間の授業を1枚の板書に表す
- チョークは「絹ごし」に限る
- ホワイトボード用のペンは太字の平芯で
- 文字の色はシンプル、大きさはグー
- 矢印や吹き出し、囲みでよりわかりやすく
- ネームプレートや付箋で一人ひとりに意思表示させる
- 社会科用語は漢字表記が大前提
- ICT活用で学びを瞬時に反映する
- 板書案から指導案をつくる
- ノート術
- ノート指導の3段階
- 新聞術
- オーソドックスな社会科新聞づくり
- 新聞社の定石に基づいた社会科新聞づくり
- 見学術
- 見学先の選び方
- 見学計画の立て方
- 単元計画への位置づけ方
- 保護者への伝え方
- 第5章 新しい授業に挑戦しよう!
- アクティブ・ラーニングによる社会科授業
- 「活動あって学びなし」に陥らないために
- ジグソー学習法
- パネル・ディベート
- ジグソー学習法とパネル・ディベートの比較
- ICTを活用した社会科授業
- 実物投影機は手軽で効果大のすぐれモノ
- プレゼンソフトで授業にリズムとテンポを
- 子どもにプレゼンの基本を指導する
- 授業アプリで能動的な学習を促進する
はじめに
会津若松市立謹教小学校。
初任の勤務校です。
「謹んで教える学校とは、会津藩の伝統を感じるな…」
「会津若松市は住みやすいのかな…」
など、期待と不安いっぱいで昭和63年に着任したことを鮮明に覚えています。
はじめに受けもったのが3年生です。
学級づくりがうまくいきませんでした。
「○○先生に代わってほしい」とまで言われました。
授業が楽しくなくて、わかりにくかったのです。
中でも、一番困ったのが社会科の授業でした。
地域のことがまったくわからないからです。
国語、算数、理科、体育などは校内で教材研究ができます。
しかし、3年の社会科は、校外での実地踏査が絶対に必要です。
そこで、休日のたびに街歩きをし、会津漆器や会津絵ろうそくなどを調査しました。
アウトドアが大好な私には、ぴったりの教材研究法でした。
そのうち、社会科の教材研究が大好きになりました。
「行ってみたい」「観てみたい」「食べてみたい」という「たい」が泳ぎ、「へぇ、そうなんだ!」という発見の喜びに、身体中が満たされました。
「これだ! 社会科の授業を楽しくするコツは」
私は、今もアウトドアを楽しんでいます。
キャンプや登山では、たくさんの体験や調査が行われ、まさに能動的な活動の集合体ともいえます。
そして、今話題のアクティブ・ラーニングも、能動的な学修による汎用的能力の育成を目的としています。
本書の執筆のほとんども、キャンプ地で行いました。
「書き表したい」「考えてみたい」「振り返ってみたい」という「たい」が、裏磐梯のキャンプ地でたくさん泳ぎました。
本書は、社会科の楽しさに気づいた初任以来、28年間の学級担任としての授業経験をもとに、これから社会科の授業を始める先生、社会科の授業がつまらない先生、社会科の授業をもっと楽しくしたい先生に、
「力がつく、楽しい、わかる社会科の授業をつくろう」
というメッセージを伝えるものです。
明日からの「はじめの一歩」をともに踏み出す先生が増えれば幸いです。
最後になりましたが、出版にあたり教育書編集部の矢口郁雄氏には大変お世話になりました。心から感謝いたします。ありがとうございました。
2016年2月 /柳沼 孝一
ぜひ、実践してみたいと思います。
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