- はじめに
- 序章 「削る」「捨てる」の本質を捉える
- 1 「削る」とは、仕組みを整えること
- 2 物を捨てることで、時間が生まれる
- 3 承認欲求を捨てることで、心に余裕が生まれる
- 4 固定観念を捨てることで、自分の中に問いが生まれる
- 5 常に目的を意識する
- 第1章 目的思考で削る 日常業務14のポイント
- 1 紙の週案を購入し、日々持ち歩く 自分で週案を作成する
- 2 校務用PCでの資料作成 タブレットで資料作成
- 3 紙で書類を保管する PDF化してデータで保管する
- 4 紙で書類を保管する PDF化したデータを仕分けする
- 5 すべての仕事を Todo リストに整理する 可能なものは、すぐに終わらせる
- 6 定例の学年会 臨時の学年会
- 7 プリントを印刷する プリントのデータを共有する
- 8 オンとオフの切り替え 常にゆるくスイッチを入れておく
- 9 一箇所で100点を求める 複数の場所で80点を取る
- 10 周りからの評価を重視する 自分軸で働く
- 11 業務の内容をイチから考える 考えないための仕組みをつくる
- 12 すべての仕事に全力で取り組む 適切に手を抜く
- 13 筆箱を持ち歩く 必要な物を必要な場所に配置する
- 14 机上で物を管理する PCとタブレットのみを置く
- 第2章 目的思考で削る 学級経営17のポイント
- 1 ノートに連絡を書く タブレットで連絡事項を共有する
- 2 欠席時のポスティング ポスティングのいらない仕組みをつくる
- 3 教師が席を決める 子どもが自分たちで席を決める
- 4 給食当番表を掲示する 給食当番表のデータを共有する
- 5 日直を決める 係の仕事に集約する
- 6 放課後に画鋲を使って作品掲示 ジョイントクリップで作品掲示
- 7 宿題忘れに対する指導 宿題を忘れない仕組みづくり
- 8 宿題(音読・計算ドリル) 必要な部分のみを残し、自分で選択できる仕組み
- 9 宿題(漢字ドリル) 必要な部分のみを残し、自分で選択できる仕組み
- 10 学級目標を決める 学級文化を醸成する
- 11 黒板周りに掲示物を貼る 何も貼らない
- 12 帰りの会を工夫する 必要なことのみを行う
- 13 提出物のチェック QRコードやカラーシールで仕組み化
- 14 教室環境への固定観念 子どもたちが自由に過ごせるスペースの確保
- 15 「悪くない」選択肢 優先順位をつけて「良い」選択肢のみに絞る
- 16 子どもの自由時間を奪う活動 子どもの自由を確保する
- 17 子どもへの指示 指示をしない仕組みをつくる
- 第3章 目的思考で削る 授業づくり13のポイント
- 1 挨拶や話し方などの授業規律 目的を考えて精査する
- 2 漢字小テスト 漢字ドリルを活用したセルフチェック
- 3 挙手指名による考えの共有 挙手指名以外での考えの共有
- 4 授業準備にかかる時間 タブレット一つで授業準備
- 5 教師から課題を与える 自習時間の充実
- 6 授業を時間ベースで考える 授業を学習内容ベースで考える
- 7 板書へのこだわり ツールとしての使い分け
- 8 黒板を書き写すノート 問題と向き合う時間の充実
- 9 「いい授業がしたい」という考え 「子どもの学びの充実」という視点への転換
- 10 「いい授業がしたい」という考え 自立して学習できる仕組みを整える
- 11 研究授業の指導案の型 書きたいように書いてみる
- 12 成績集計ソフトを使う 成績集計表を自分で作成する
- 13 作文や日記の内容へのコメント 構成を客観的に評価する
- Column
- 逆に時間をかけてでも行っていること@
- 逆に時間をかけてでも行っていることA
- おわりに
- 参考文献一覧
はじめに
なぜ「削る」のか。
現在は、仕事の効率化や学級づくり、授業づくりに関する書籍が多数出版されています。書籍を買わずとも、SNSなどで多くの情報を入手することができます。
熱心な先生ほど、「効率化のために○○を取り入れよう」「今年度の学級づくりでは、○○に取り組んでみよう」など、様々なことにチャレンジされていると思います。
私自身も「新たなことに挑戦する」のが好きで、様々な研究会に参加しては、そこで学んだ実践を自分の学級でも試してみるということを繰り返していました。しかし、上手くいったという実感をもてることは少なく、失敗ばかりを繰り返していました。
「なぜ、上手くいかないのか」そう考える度に、学級や授業づくりに関する新たな知識を入手し、また失敗を重ねる。そんな繰り返しの中でようやく、新たなことに目を向ける前に、自分自身が現在取り組んでいることと真剣に向き合う重要性に気づきました(なぜもっと早く気づかなかったのか…)。
当たり前のように行っていた「日直」や「係活動」、特に意味のない「授業規律」など、細かな部分にまでしっかりと目を向け、改めて目的に立ち返って考えることで、子どもたちに納得のいく説明ができないことばかり行っていたことに気づきました。そこからは、新たなことを取り入れるばかりでなく、現在の取り組みに関する不必要な部分を削り、よりよい形へと仕組みを整えていく作業に力を入れていきました。日々の業務や学級づくり、授業づくり、どの場面でも同じように。そうすることで、働き方や子どもたちの様子に前向きな変化が現れ、ようやく歯車が上手く回り始めました。
学校現場では、「子どものため」という理由から、現在取り組んでいる教育活動を縮小したり、廃止したりするハードルが高くなってしまいがちです。しかし、何かを始める前に、何かを「削る」ということは当たり前のことです。また、多忙な学校現場においては、何かを始める場合に限らずとも、削るべき部分は多数存在します。
「上手くいかない」と思う時こそ、一歩立ち止まって、本書の実践例を参考に「削る」ということを考えてみてください。
2024年5月 /西尾 勇佑
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- 明治図書
- 具体的でとても分かりやすかった。少しでも実践していきたい。2025/2/28小学校教諭
- メンタル面に焦点をあてて書いてありました。2024/8/1630代・小学校教員
- 仕事に取り組むうえでの考え方や実践例が紹介されていて参考になった。2024/7/1630代・中学校管理職