- Introduction
- できる教師になる=たくさんの「プラスの習慣」をもつ
- Chapter1 世界一のクラスにする! 学級づくりの習慣
- 点でつながる習慣
- 布石を打つ習慣
- ビジョンを共有する習慣
- 一歩前に出る習慣
- いい「あたりまえ」でつなぐ習慣
- 対話できるクラスにする習慣
- クラスをほぐすユーモアの習慣
- ゆさぶり続ける習慣
- 席替えの習慣
- 行事を楽しくするユーモアの習慣
- 学級通信でつなぐ習慣
- 行事通信で高め合う集団をつくる習慣
- 「わからない」でつなぐ習慣
- 任せる習慣
- 学級崩壊を防ぐ@ 環境を整える習慣
- 学級崩壊を防ぐA システムを整える習慣
- 学級崩壊を防ぐB 即応する習慣
- 学級崩壊を防ぐC 引き継ぐ習慣
- 学級崩壊を防ぐD メンタルを整える習慣
- 夢を共有する習慣
- Chapter2 子どもが主体的に学び出す! 授業づくりの習慣
- 四月にまず三学期の教材を見る習慣
- 世界で一つだけの単元計画にする習慣
- 学習方法を選べるシステムづくりの習慣
- 圧倒的なリスペクトを生む教材との出会いを演出する習慣
- 子どもたちの実態に合わせて教材との新鮮な出会いにする習慣
- 説明文と子どもたちをつなぐ教材提示の習慣
- 意図指名の習慣
- 板書@ 掲示物を活用する習慣
- 板書A 思考させる習慣
- 板書B 比較する習慣
- 板書C 板書計画とライブ感の使い分けの習慣
- 書いたものをリメイクさせる習慣
- 「動作読み」で内容を理解させる習慣
- 周辺教材で説明文学習を〈コース料理〉に変身させる習慣
- 学びを発揮させる総まとめ授業づくりの習慣
- ICTの日常化@ ICTを使い込む習慣
- ICTの日常化A 学習ツールとして価値づける習慣
- ICTの日常化B うまく使い分ける習慣
- 教室コトバで学びを定着させる習慣
- まとめの言葉を一つに限定しない習慣
- オリジナルマークで振り返る習慣
- 授業記録と事後記録の習慣
- 授業通信@ 振り返りをアクティブにさせる習慣
- 授業通信A 授業をアクティブにさせる習慣
- モチベーションアップの習慣
- スキルアップの習慣
- 学びの筋力アップの習慣
- 教科書で教える習慣
- 学力マネジメントの習慣
- 自学を学級づくりの柱にする習慣
- 自学をエンターテインメント化する習慣
- 自学を教師の成長を促すエンジンにする習慣
- Chapter3 毎日が楽しくなる! 関係づくりの習慣
- 「わお!」で子どもとつながる習慣
- 子どもの中の「答え」を大切にする習慣
- エピソードを「瞬間冷凍」する習慣
- エピソードで個別対応を叶える習慣
- エピソードをプレゼントする習慣
- あの子の「誰にも負けない」を見つける習慣
- 「キラーフレーズ」を探す習慣
- 「北風と太陽の精神」で子どもと接する習慣
- 学級通信@ 教師の言葉に想いをのせる習慣
- 学級通信A 学級目標に常に立ち返る習慣
- column 学級通信Q&A
- ちょっとした気遣いで保護者とうまくいく習慣
- 学校システムに先生方を巻き込む習慣
- column 復職した先生へかける言葉
- Chapter4 ウェルビーイングを目指す! 仕事術&自分磨きの習慣
- 文字起こし@ 自分の「現在地」を知る習慣
- 文字起こしA 子どもに還元する習慣
- 文字起こしB 明日へのやる気につなげる習慣
- 読書@ 本を選ぶ「欲」をたくさんもつ習慣
- 読書A テンションに合わせて本を選ぶ習慣
- 読書B アウトプットする習慣
- 自分磨き@ メンターをもつ習慣
- 自分磨きA 「書き出す」「避ける」習慣
- 自分磨きB 自分時間をつくる段取りの習慣
- 自分磨きC 研修でエネルギーを一〇〇%受け取る習慣
- 自分磨きD 研修で仕入れたことはすぐに使う習慣
- 自分磨きE 遠方まで仕入れに行く習慣
- 自分磨きF 研修参加中の習慣
- 自分磨きG 何度でも聴きたい話を聴くことができるための習慣
- 管理職@ 〈上機嫌〉をデフォルトにする習慣
- 管理職A 企業のリーダーから学ぶ習慣
- 管理職B 情報を共有する「仕組み」をつくる習慣
- 管理職C 進捗状況を報告する習慣
- 管理職D 初任者を支える習慣
- 管理職E ホームページを活用する習慣
- 管理職F 生活目標は率先垂範する習慣
- 管理職G 職員と「授業の話」でつながる習慣
- 管理職H 〈内発的〉な業務改善で学校づくりをする習慣
- 管理職I 「先行実施型」で心理的安全性を担保する習慣
- Special 至近距離から見た森川学級の秘訣
- habit1 一年間の学びの地図が描かれている
- habit2 授業の記録をとり続ける
- habit3 書くときこそ一番アクティブ
- habit4 アクションで楽しく学びを深める
- habit5 教室コトバ10選
Introduction
できる教師になる=たくさんの「プラスの習慣」をもつ
「教師の力量」=「教師の習慣の数」
「習慣」=「意識せずにできること」
これまで私は「教師の習慣」についての本を上梓してきました。
教師としての力量を上げるということは、教師としてのよい習慣を一つでも多く身につけることだと考えています。そのために意識したいことをまとめていきました。
意識して、意識して、意識せずともできるようになったとき、それを「習慣」と呼びます。
教師としての「よき習慣」を増やし続けることこそ、我々教師の日常を輝かせる道だと実感しています。
いわゆる「できる教師」という人たちは、教師としての「プラスの習慣」をたくさんもっている人のことを指すのだと思います。
「マイナスの習慣」を意識し、削除しよう
それでは始めましょう。
教室を思い浮かべてください。あなたは今、子どもたちの前に立っています。何か一つのきっかけから実に様々に子どもたちとのやり取りが始まります。授業、休み時間、掃除、給食…。
例えばその中でも授業場面。
子どもの発言を無意識に繰り返していませんか。
子どもの発言を教師が繰り返せば繰り返すほど、子どもたちは仲間の発言を聞かなくなります。これは、「マイナスの習慣」ですね。
同じく授業における別のシーンでは、子どもの発言後にいつもすぐに板書していませんか。
子どもの発言を、何のためらいもなく、綺麗に、理路整然と板書していると、子どもたちはノートに書くときに考えなくなります。それはただ、板書された文字を「機械的に写しているだけ」。これも「マイナスの習慣」です。
さらに、子どもの言い間違いなどの際に周りから出てくるちょっとした笑いや、からかいの言葉をスルーしていませんか? これをスルーし続けていると、人を大事にしない集団になってしまいます。言わずもがな「マイナスの習慣」。
このように、「よい習慣」をつけることと同時に行いたいのは、「マイナスの習慣」の削除です。
以下、日常における削除すべき学習の場面での「マイナスの習慣」について少しばかり挙げてみます。さながらレベル0(土台)といったところです。
@ 子どもの発言を無意識に繰り返す
A 子どもの発言をすぐに板書する
B 子どもの発言をいつも言い直す(整え直す)
C 反応の薄い子どもたちを「言葉」で説得しようとする
@Aは前述しましたので、Bから。「子どもの発言をいつも言い直す(整え直す)」。これがどうしてマイナスの習慣なのか。それは、毎回子どもの発言を(教師自身はわかりやすく周りの子に対して知らせるつもりで)言い直すことで、それはもう「教師の発言」になってしまうのです。子どもの発言は、子どもの発言のママだからこそ、説得力があります。基本は変えず、わかりにくいときに整えたいならば、教師ではなく、本人に言い方を教え、言い直させます。
Cの「反応の薄い子たちを〈言葉〉で説得しようとする」。四月に新しい子どもたちの集団を担任して、〈反応が薄いなあ〉と感じることがありますよね。そういうときは、「言ってごらん」「そうだなあと思ったら頷くのだよ」と必死に言葉で説得しようとしてもなかなか浸透しませんし、子どもたちもしんどくなります。
そういうときは、教師が動きながら話し、こちらを向かせます。「体の向きを変える」という「反応」から始めていくのです。
さあ、いよいよ次章からは、「プラスの習慣」の始まりです。
本書は、「習慣」というテーマに、サークルのメンバーで向き合ってみました。
今回、明治図書さんから「サークルの皆さんで習慣の本を書いてみませんか」との声をかけていただきました。すぐにサークルメンバーに連絡し、「やりましょう」と告げました。「引き受けますがいいですよね」と。
今回執筆した〈教師塾「あまから」〉は、森川が教師になったその年に、職場の同僚と二人で立ち上げた勉強会です。同じ職場でしたので、勤務が終了すると、どちらかの教室に行き、二人で、学級通信の見せ合いや、授業のレポートを交換しての授業検討などをしていました。楽しくてたまらない時間でした。次第にお互いの仲間を呼んでメンバーも増え、入れ替わりを経ながら今日まで続いてきました。ちなみに「あまから」というのは、立ち上げた当時は私が尼崎市の教員であったことで「尼から発信」という意味と、「甘いも辛いも」言い合える勉強会を、という思いから、「あまから」となったのでした。
執筆したのは、今日まで過去何年にもわたってお互いの実践を交流しながら学びを共にし、切磋琢磨してきた私の尊敬するメンバーです。
具体的な事例をバンバン盛り込んでもらいました。
必ずや先生方の背中を押すことになると確認しています。
それでは「習慣」を増やす旅を始めましょう!
二〇二三年六月 /森川 正樹
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- 明治図書
- 普段の仕事や授業のなか、日頃の業務で意識すべきことや考え方について紹介されていて参考になった。2023/12/1430代・中学校教員