- Introduction
- プロとしての本当の「指導技術」を身につけよう
- Chapter 1 できる教師の学級づくりの指導技術
- 毎朝、教室で全員にひと声かける
- 教室掲示で自立を促す
- 掲示物にしゃべらせる
- 絵本で学級づくり[春]
- 教師の立ち位置には意図をもつ
- 黒板を120%活用する
- 「箇条書き」を使いこなす
- モデルを示す
- 整列ができるクラスにする
- 危険を察知する「ざわざわスイッチ」をもつ
- 「コール」はさせない
- 忘れ物指導で成長させる
- ジャンケンで安心できる給食時間にする
- 宿題は意図をもって出す
- 絵本で学級づくり[夏]
- 「書けそう」「楽しそう」と思わせる日記指導
- 日記をさらに活用する
- 「自分たちがつくっている」と思わせる
- 「やりたくない」を「やりたい」に変える
- ほめるバリエーションをもつ
- 叱らずに伝える
- 時には「深掘り」しない
- 学級通信で愛を伝える
- 学級通信をクラスづくりの柱にする
- 学びの定着は「文字化」ではかる
- Column 外国籍児童に学級担任ができること
- Chapter 2 できる教師の授業づくりの指導技術
- タブレットで授業準備をする
- 教師の「自撮り動画」を撮る
- 授業開始一分前に黒板の前に立つ
- 「指なぞり」で集中力を高めさせる
- ノート指導では観点を示す
- 「板書」の役割を意識する
- 絵本で学級づくり[秋]
- 板書は思考を促すために使う
- ホワイトボードを活用する
- 発問は最小かつ最大で問う
- 〈色〉に仕事をさせる
- 〈わく〉に仕事をさせる
- 絵本で学級づくり[冬]
- ネーミングにこだわる
- ネーミングを使いこなす
- 図解で思考させる
- 目的別の一覧表にする
- 意見を意図的に抽出・分類する
- 絵本で学級づくり[いつでも]
- 子どもたち自身に選択させる
- ターゲットを絞って書かせる
- 全員挙手でスタートする
- 「合ってますか?」で違いを楽しませる
- 「必死に手を挙げている」ときこそ冷静になる
- 「話し合い活動」はつけたい力に応じた形態をとる
- 話し合いを成功させる「心地よさ」づくり
- 漢字練習は自由度を高める
- 計算の仕方を「口ずさむ」
- 「振り返り」を教材として活用する
- 絵本と授業をつなぐ
- 「できた人から持っておいで」はチャンスの時間
- 「できない」ことを逆手にとる
- 授業を日常に落とし込む
- 「子どもの席」に座って授業を捉えなおす
- 言葉を削る
- Column 保護者に喜ばれる読書感想文指導
- Chapter 3 できる教師の関係づくりの指導技術
- 教師が「行く」
- その子だけの輝きを書きためる
- 「困った子は困っている子」と考える
- しんどい子は細やかにサポートする
- 子どもが間違った事実をもとに周囲に相談する
- 管理職への相談は「型」を使う
- 「一筆箋」でメッセージを送る
- 個人面談ではたった一つのことを伝える
- 家庭訪問では名前の由来を聞く
- Chapter 4 できる教師の仕事の技術
- 宿題は、一時間目開始までに見終える
- 授業を充実させるための時短
- 床のごみが見える目を育てる
- 他の先生の本棚を覗く
- 時には凹む
- ずぶぬれでも駆け抜ける
- 学びの日常サイクルをつくりあげる
Introduction
プロとしての本当の「指導技術」を身につけよう
教室で子どもたちと対峙したとき、自分自身を支えるのは、それまでに「学び」→「実践」→「振り返り」のサイクルから手に入れた「小さな技術」の集積です。
「技術」は、実践(経験)を通して初めて自分自身のものになります。
そして、その「技術」は、自分の担当している子たちや、担任をしているクラスの子に合わせて使用する(調整する)ことで、「子どもたちのためのもの」となります。
@ クラスの子たち > 技術
A クラスの子たち < 技術
@は、クラスの子たちに寄り添った「技術」、Aは、クラスの子たちを「技術」に当てはめようとしたものですね。
「技術」はプロ教師として生きている以上、必要なものです。
その上で、自分の関わっている子どもたちの姿を見ながらうまく調整し、アレンジしていく必要があります。
本書は、プロとして、きちんと実践をくぐらせた「技術」の集積となりました。「教師塾あまから」の著作第二弾となります。
内容は、駆け出しの先生にも読みやすく、勢いに乗っている先生にも改めてご自身の実践を振り返っていただけるように書かれています。「学級づくり」「授業づくり」「関係づくり」「仕事」にわたる幅広い「技術」が展開されます。
今回も、教師の本道は「授業」であるという気持ちで、共に学んできた「教師塾あまから」のメンバーとともに書きました。「学び」から「振り返り」のサイクルを通して効果を実感した「技術」ばかりとなりました。
本当の指導技術です。
昨今、SNSの浸透で誰でも実践を手軽に発信できるようになりました。
そのこと自体はよいことだと思うのですが、中には「まとめが美しいだけ」「経験年数が浅く、中身も浅いパッケージ」「子どもの姿が見えてこない」といった発信も見受けられます。
日本の未来を担う子どもたちに、〈直接・直〉に接する私たちは、なかなかに責任の大きな仕事をしています。日々の授業にかける熱意はもちろん、参考とする実践を見極める審美眼が求められる時代となりました。
私が教師になってからつい最近までは、「授業してなんぼ」「実践を世に問うのは実名で」「子どもの事実で勝負」ということをきちんと言ってくれる先輩が存在しました。
私も授業を公開したり、飛び込み授業をしたりしてきました。
また、研修会やセミナー、勉強会で自分が関わった子どもたちの姿を通した最新の実践を提案しています。
授業は難しく、プロ教師への峰は高いですが、本書はそのような志を掲げた教師の「具体の塊」となりました。ぜひ一作目とあわせて読んでいただければ幸いです。
今日も教室に行くと、「先生!」と声をかけてくれる子どもたちがいることに感謝。
/森川 正樹
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- 明治図書