- はじめに
- 第1章 さあ,算数の授業づくりを始めよう
- 算数の授業で大切にしたい3つのこと
- 【授業開き】
- 授業開きでは笑顔とやる気と期待感を
- 学びを共有する授業開きのアイデア 低学年
- 子どもにメッセージを伝える授業開きのアイデア 中学年
- 算数的活動を取り入れた授業開きのアイデア 高学年
- 【授業展開】
- 低学年の授業展開に大切な3つのポイント
- 中学年の授業展開に大切な3つのポイント
- 高学年の授業展開に大切な3つのポイント
- 【単元計画】
- 低学年の単元計画で大切にしたいこと
- 中学年の単元計画で大切にしたいこと
- 高学年の単元計画で大切にしたいこと
- 発達段階と系統性を考える
- 第2章 教師と子どもの算数力を高めるポイント
- 【教材研究・授業づくり】
- 教材研究は子ども目線で行う
- 教科書を活用した授業づくり3ステップ
- 指導書の効果的な使い方
- 【発問づくり】
- 教科書から学ぶ発問づくり 低学年
- WHYやHOWを意識した発問づくり 中学年
- 積極性を生む発問づくり 高学年
- 【ノート・ワークシート】
- ノート形式が安心を生む
- ノートは3つの役割でできている
- ノートをレベルアップする3つの「目」
- 正しい視写と表現力を高めるノート指導 低学年
- マス目を意識したノート指導 中学年
- 自分の考えを丁寧に表現させるノート指導 高学年
- 思考をサポートするワークシートづくり
- 【板書】
- 板書は学びの過程を可視化する
- チョークの使い分けで板書が変わる
- 【教材・教具】
- 算数道具の便利さを感じさせよう
- 具体物を通して数の変化を感じさせる
- 【評価】
- テストの意味とつくり方
- 子どもの意欲を高める評価のタイミング
- 【家庭学習】
- 算数の宿題は子どもに応じつつ着実に
- 第3章 算数授業のワンポイントアドバイス
- 図形の指導では算数的活動を取り入れる
- 量の指導は長さの測定からスタートする
- 数量関係では「関数の考え」を育てる
- 単位の指導は必要性を感じさせる場を仕組む
- グラフ指導はよさを味わわせることから 1〜3年生
- グラフの読み取りは変化や特徴をとらえさせる 4〜6年生
- 筆算の指導は意味理解を大切に
- ドリル学習は価値づけを意識する
- 話し合い活動の目的と5つの指導ポイント
- 考えたことが「かける」ようになるためのステップ
- 「算数的活動」を通して主体的・思考活動のある学びをつくる
- 「算数的活動」で量感を豊かに育む
- かく活動が思考力を育む
- 表現力をアップさせて算数好きを育む
- 教具を用いる低学年の言語活動
- 図と表を用いる中学年の言語活動
- 考えメモを用いる高学年の言語活動
- まとめ・振り返りの時間には学んだことを整理する
- 子どもの表現に自信をもたせる4つの指導
- 算数が苦手な子への個別支援の方法
- 保護者に信頼される授業参観
- 第4章 算数授業の多様な学習方法
- 算数をアクティブに学ぶ
- 目的意識をもった算数クイズ&ゲーム
- ペア・グループ学習は個人の学びへつなげる
- 子どもの力を伸ばすテストの丸つけ&答え合わせ
- 話し合いが生きる ミニホワイトボード
- 教具を使ったハンズオン・マス
- 効果的なICT機器・タブレット端末の活用方法
- おわりに
- 参考文献
はじめに
「算数は,好きですか。」
みなさんの心の声はいかがでしょう。
「算数を教えるのが苦手です。でも嫌いじゃないんです。」
きっと,このような先生がいらっしゃるのではないでしょうか。
これは,私が新任の先生とした会話の一部です。
みなさんは,授業でたくさんの子どもたちを前にして,日々試行錯誤をされていることでしょう。
十数年前,私も新任教師でした。4年生の担任となり,不安を感じながら算数の1時間目に「概数」を教えたことを今でも覚えています。教科書に沿って丁寧に授業を進めました。黒板には,慣れないチョークを使って教科書の文字を丁寧に写しました。
「進め方は完璧だ!」
そう思ったのもつかの間。期待のまなざしで黒板を見つめていた子どもたちの気持ちがぐっと下がっていくのを肌で感じました。
「あれっ,何がよくないのだろう。」
そのときは,わかりませんでした。必死でしたから。
でも,今ならわかります。そのときの子どもたちの気持ちが。
きっと,
「この先生の授業は面白くない。」
と感じたのでしょう。
楽しいはずの算数が,教えられるだけの面白くない算数になっていたのだと,今になって反省しています。
でも,今は違います。算数の考える楽しさを知りました。そして,算数を教える楽しさを知りました。
授業には,
大切なポイント
があるのです。
授業開きから,授業の展開,発問の仕方,ノート指導まで。大切なポイントを意識すると授業観が大きく変わります。
本書では,算数好きの先生が,算数好きになりたいと考える先生へ,たくさんのポイントを丁寧に提案します。
第1章では,「さあ,算数の授業づくりを始めよう」をテーマに,はじめの第一歩をわかりやすく紹介します。
第2章では,「教師と子どもの算数力を高めるポイント」をテーマに,授業づくりで大切なポイントを提案します。
第3章では,「算数授業のワンポイントアドバイス」をテーマに,様々な実践から,算数の楽しさを提案します。
第4章では,「算数授業の多様な学習方法」をテーマに,学習方法の様々なテクニックを提案します。
本書は,難しい理論を述べるものではありません。たくさんの実践や提案から,算数の魅力を多くの先生方に感じてほしいと願い執筆しました。
特に,算数の授業で不安を感じ,悩んでいる先生にぜひ読んでいただきたいと思います。困ったときは,いつもそばに寄り添う,そんな本であってほしいと願っています。
執筆者代表 /久保田 健祐
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- 明治図書
- 初めて、算数を教えるヒントになった2022/4/10みも
- 実践が参考になった2016/7/1430代・小学校教員
- 授業の工夫の仕方がたくさん知れてよかったです。どの実践も、分かりやすく具体的に説明されていて、明日からでも使えそうだと感じました。こんなふうに子どもの心をつかむやり方があるのだと、参考になりました。自分がしていることで、これでいいのかなと自信がないことが、授業に効果的なことだと本書の中で挙げられていて、自信が持てました。2016/6/520代・小学校教諭(教員2年目)
- 初めて教壇に立つ物として、読んでいるだけでもわかりやすく、算数の授業をする上で大切なことが0からわかり、大変参考になりました。2016/6/530代 小学校教諭
- 算数の授業づくりにおいて、大切なことがわかりやすく書かれていました。具体的な事例がたくさん掲載されており、四月からの授業で参考にできるところがあり勉強になりました。2016/3/3120代・小学校教諭