- はじめに
- 第1章 安心してつまずける学習集団づくり
- 1 つまずきを生かした「深イイ」授業を目指して
- 2 学級開きで学び合いのよさのイメージを
- 3 授業開きで学びの価値の土台づくりを
- 4 学びの目的をクラスみんなで共有
- ―見方・考え方カードの活用―
- 5 「深イイ」授業をクラスみんなで目指す
- 第2章 低学年 つまずきを認め合う力を育てよう
- 1 間違えてくれてありがとう
- ―つまずきから深い学びにつながることを実感させよう
- 2 わからない人?困っている人?
- ―正解から始める授業から抜け出そう
- 3 算数の答えは1つじゃないんだよ
- ―多様な考えがあることに気付かせよう
- 4 今,何を考えているのかな?
- ―手を挙げている子だけで進める授業から抜け出そう
- 5 「つたえるわざ」を使って考えてみよう
- ―多様な表現のしかたで説明を楽しませよう
- 6 だって,なぜかというと,例えば,はステキな言葉
- ―理由を説明する姿勢を大切にしよう
- 7 のこりはと書いてあったら,なに算?
- ―思い込みからくるつまずきを深い理解へつなごう
- 第3章 中学年 つまずきを生かし合う力を育てよう
- 1 間違えてくれたから,学び直しができたね
- ―つまずきを既習の学び直しに生かそう
- 2 こんなことしている人がいたけれど…
- ―ノートやワークシートの小さなつまずきを学習材にしよう
- 3 計算のプロ○○さん
- ―算数が苦手だと思っている子をその気にさせよう
- 4 間違いの意味を考えてみよう
- ―つまずきに向き合うことを楽しませよう
- 5 友だちのヒントをいただいちゃおう
- ―習熟問題でも学び合いを取り入れよう
- 6 今日みんなで話し合うべきことは何かな?
- ―問いを明確にして話し合いの目的を共有しよう
- 7 「式式たんていだん」この式はどんな意味かな?
- ―式を読む楽しさを知り,学び合いの素地をつくろう
- 第4章 高学年 つまずきを深い学び合いにつなげる力を育てよう
- 1 式と言葉を図に結び付けて説明できるかな?
- ―関連付けて考える力を育てよう
- 2 「小数点を降ろしてくる」でファイナルアンサー?
- ―形式的な理解を意味理解と結び付けよう
- 3 楽をするための工夫はないかな?
- ―計算の工夫のよさや美しさに触れよう
- 4 倍と言ったらなに算かな?
- ―あえて間違いを引き出し,意識させて深い学びにつなごう
- 5 正解がわかったから,もう終わりにする?
- ―誤答を見つめ直し深く学ぶ姿勢を引き出そう
- 6 「深イイ」は一人一人違うんだね
- ―深い学びを集団から個に返すことで真の力を育てよう
- 7 みんなに相談したい「困ったこと」がある人?
- ―価値ある「問い」を自分たちでつくる力を育てよう
はじめに
「つまずきは学び合いの宝物」です。それなのに,ついつい子どもがつまずかないように,ハードルを取り除いたり,過剰な手助けをしたりしていませんか。
「わからない」「困った」「間違えちゃった」。そのような友だちのつまずきをクラスみんなで解決していくことこそが,予測できない未来を生きる子どもたちに必要な力を育てます。ぜひ,つまずきを学習材として取り上げてみてください。困っている子も,わかっている子も,わかっているつもりの子も,学び合いの中で,思考力・判断力・表現力が高まることでしょう。もちろん土台は,安心して間違えられる学習集団づくりです。
私はこれまで,公立・国立・私立の教員を長く勤めてきました。たくさんの子どもたちが,つまずきを生かして深く学ぶ姿を見せてくれました。本書では,その一端を紹介しています。低・中・高学年と指導内容によって章立てをしていますが,手立てはどの学年でも生かせます。ご自分の担当学年以外も,ぜひお読みいただきたいと思います。
小学生の基礎・基本は,「好き・やる気!」。つまずきを生かした「深イイ」授業を展開し,日本中に算数好きの子どもを増やそうではありませんか。
/森 勇介
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- 明治図書
- 子どもの困り感を、大切にしていきたいです。2023/10/29小学校教諭
- 活用していきたいと思います。2022/5/230代・小学校教員