- プロローグ初めて教壇へ立たれる方へ〜1年間をとにかく生き抜いてほしい〜
- 第1章 始業式までの心得術9
- 1 初めて勤務校へ行った日の行動は?
- 2 勤務校に行く時の準備物は?
- 3 学級始めに準備しておきたいことは?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ1》「あだ名」で呼ばれていた!
- 4 始業式に準備しておくことは?
- 5 子供の名前と顔を早く一致させるには?
- 6 子供が初日から使いやすい教室環境の整え方は?
- 7 子供たちへの不安感を解消するには?
- 8 これだけは意識して身につけたい心得は?
- 9 学級経営の「3・7・30の法則」とは?
- 心得術9ヶ条
- 第2章 1年間を見通した学級経営のための心得術23
- 10 子供への自己紹介の仕方は?
- 11 まず,子供に指導したい大切な3つのことは?
- 12 子供が全員公平に行う当番活動の決め方は?
- 13 一日の区切りの朝の会,終わりの会の進め方は?
- 14 担任が大切にしたいことを伝えるには?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ2》せめて先生の感想の一言がほしかった
- 15 楽しい給食にするための約束事は?
- 16 一日の生活をスムーズにしていく日直活動は?
- 17 朝自習をどのようにしていくのか?
- 18 朝会や集会への参加の仕方は?
- 19 掃除を素早くきちんと終わらせる方法は?
- 20 欠席・遅刻指導は?
- 21 専科の授業への参加のさせ方は?
- 22 休み時間の過ごさせ方と担任の関わり方は?
- 23 子供から不満の出ない席替えは?
- 24 子供が納得する学級目標の決め方は?
- 25 クラスが盛り上がる係活動の決め方は?
- 26 子供が落ち着く教室の環境づくりは?
- 27 子供の忘れ物にどのように対応すればいいの?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ3》〈みんな〉と〈自分〉が分けられている
- 28 言うことを聞かない子供・歩き回る子供への対応は?
- 29 子供を叱っていいの?
- 30 子供のケンカのおさめ方をどうしたらいいか?
- 31 学級の生活目標を守らせていくためには?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ4》子供たちの本音を忘れ去る
- 32 学級がスムーズに進んでいる確認をどんなことで行うのか?
- 心得術23ヶ条
- 第3章 教科指導をスムーズにするための心得術12
- 33 子供たちが引き締まる学習の約束事は?
- 34 子供たちに準備させたい学習の用具は?
- 35 学習効果のあるノートの取らせ方は?
- 36 教科指導でどうしても身につけたい基本的な方法は?
- 37 クラスの子供の8割を発言できるようにする方法は?
- 38 机間巡視のポイントは?
- 39 子供の声を大きくするための発声練習は?
- 40 子供に算数の計算力をつける練習法は?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ5》「3・7・30の法則」が生まれる
- 41 子供に音読の力をつける練習法は?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ6》「包み込み法」が生まれる
- 42 子供に習慣づく宿題の出し方は?
- 43 子供に本を読む習慣をつけるには?
- 44 学級会を運営するには?
- 心得術12ヶ条
- 第4章 効率よく学校事務をこなすための心得術8
- 45 出勤簿,出席簿を毎日きちんとつけるためには?
- 46 時間管理を効率よくするためには?
- 47 提出物を締め切りまでにきちんと出すためには?
- 48 テストの採点を素早くするには?
- 49 通知表を締め切りまでにきちんと提出するには?
- 50 どんな学級経営案を書いたらいいのだろうか?
- 51 夜遅くまでいるのが「いい先生」なのか?
- 52 残していく授業記録の書き方は?
- 心得術8ヶ条
- 第5章 保護者との関係をよくするための心得術8
- 53 保護者に好感度抜群の自己紹介は?
- 54 保護者が満足する懇談会の内容は?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ7》あいさつの大切さ
- 55 家庭訪問を充実させるための話題は?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ8》「ブロークン・ウィンドウ理論」に出会って
- 56 初めての授業参観のポイントは?
- 57 日常の保護者との連携の取り方は?
- 58 保護者からのクレームの対処法は?
- 《ブレイク:失敗から学ぶ9》「群れ」から「集団」へ〜目標達成法が生まれる〜
- 59 学級通信の意義と効果的な作り方・出し方は?
- 60 個人面談を充実させるためには?
- 心得術8ヶ条
- エピローグ新しい風よ,吹け!
プロローグ
初めて教壇へ立たれる方へ 〜1年間をとにかく生き抜いてほしい〜
教師への道を選び,採用された時の喜び。と同時に,自分はやっていけるかどうかの心配と不安。
さまざまな思いが交錯しながら,勤務校へ行く日を待っている。
そんな時に,私のこの本を手にしておられるのだろうか。
いじめ自殺,初任教師の自殺,履修漏れ事件,……さまざまに教育界は揺れ,「学校はどうなっているのだ」「学校はどうしてこんなになってしまったんだ」と声高に叫ばれている。
この声に合わせるように「教育改革」「教育再生」の動きが出てきている。
こうした状況の中での教師としての船出である。
新卒教師の教師へ賭ける夢や希望は貴重である。この思いが,これからの教育界を明るく,希望の持てるものに変えていってくれることを願っている。
しかし,現実は過酷であることも知っておいてほしい。
ある所では,1年間で初任の教師が100人も辞めてしまうという事態もある。
なぜそうなるのか。それは,自分の教師への思いと実際の現場での状況があまりにも違い過ぎるからである。そのことに愕然となってしまう。学校現場の情報が,あまりにも乏しい。
私は,次の3つのことをできるだけ身につけて勤務校へ来てほしいという願いがある。
@学級の仕組みづくりを考えておくこと。
A子供への基本的な対応の仕方を知っておくこと。
B日々の時間管理をする手帳を準備すること。
この3つを中心に,どうしたらいいかを具体的に提起したのが本書である。書物の上での提起は,限界があることは十分承知している。それでもあえて具体的なハウツー実践を示しておいた。
新卒教師は,もっと悩み抜いて,人のマネをしないで自分の実践を編み出してほしいと言うベテランは,まだ多い。
私は,違う。若い頃は,徹底的にマネをした方がいい。1つにこだわらないで,いろいろな実践を身につけていった方がいい。ここは軽いフットワークで乗り切った方がいい。
私が提起している実践は,日々の実践の中で身につけ,繰り返し試した上でのものである。すぐれた実践ではないが,日々を乗り切るには,十分な実践だと自負している。
何よりも1年間を乗り切っていくには,十分参考にしてほしい実践である。
「1年間をとにかく生き抜け。2年目からは何とかなる」
京都橘大学の池田修先生から教えてもらった言葉だ。
1年目を何とかすることである。1年目は,大変である。1年間の見通しが立たないから当然なのだ。1年目と2年目では,100倍ぐらい大変さに違いがある。
子供たちとうまくいかない。保護者からいろいろと批判される。
1年目だから仕方がないのだ。
自分を無能であるなんて,決して思うことはない。
人生の試練にあっているのだ。
誰もが,その道を通過する。決して怯むことはない。
とにかく1年目を乗り切ってもらいたいという強い願いを込めて,本書を提起している。私の思いが,新卒の先生に届くことを切に願っている。
/野中 信行
一読して、強くそう思いました。
学級経営・教科指導・学校事務・保護者との関係について書かれた心得60は、必ず押さえておきたいことばかり。今年で7年目になった自分でも、復習はもちろん、新たにわかったことが多々あり大変勉強になりました。特に保護者との関係について書かれた本は少ないので、貴重です。何も知らない、わからない、忙しくて目が回る、本を読みたくても時間が無い…多くの悩みを抱える新卒教師は必携の一冊です。基本を身につけて、充実した教師生活の第一歩を踏み出しましょう。