国語教育選書
論理的思考力・表現力を育てる「根拠・理由・主張の3点セット」を活用した国語授業づくり

国語教育選書論理的思考力・表現力を育てる「根拠・理由・主張の3点セット」を活用した国語授業づくり

BEST300

既有知識・生活経験に基づく理由づけで、子ども主体の授業を。

トゥルミン・モデル(三角ロジック)を改良した論理的思考・表現のための理論的ツール「根拠・理由・主張の3点セット」を活用した国語授業づくりを提案。小学校、中学校、特別支援学校の事例を発話プロトコルや子どものノート、ワークシートなどとともに詳しく解説。


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PDF
ISBN:
978-4-18-216839-0
ジャンル:
国語
刊行:
対象:
小・中
仕様:
A5判 200頁
状態:
在庫あり
出荷:
2024年11月22日

目次

もくじの詳細表示

まえがき
第1章 「根拠・理由・主張の3点セット」とは何か・どう使うか
第1節 「根拠・理由・主張の3点セット」の必要性
第2節 文学教材の授業における活用
第3節 根拠を明確にして書くための留意点
第4節 論理的であるとは具体的であるということ
第2章 「主体的・対話的で深い学び」と「根拠・理由・主張の3点セット」
第1節 「主体的・対話的で深い学び」とは
第2節 葛藤を引き起こす「他者との対話」
―「メタ認知の内面化モデル」と「3点セット」の活用―
第3章 「根拠・理由・主張の3点セット」を活用した授業づくり
第1節 『生き物かくれんぼ図鑑』を作って,図書館の利用者をふやそう
■「うみのかくれんぼ」(小学校1年)
第2節 チロの気持ちを「ちゃんと」わかって伝える『チロちゃん絵本』を作ろう
■「おとうとねずみチロ」(小学校1年)
第3節 スイミー版 こんなとききみならどうする?
―体験と結びつけて実感を伴った読みを創造する―
■「スイミー」「スーホの白い馬」(小学校2年)
第4節 筆者になって説明文を書き直そう
―「ひと目で分かる」はよい書き方か―
■「合図としるし」(小学校3年)
第5節 心に残ったことを自分の言葉で表そう
―根拠や理由をつけて伝え合う活動を通して―
■「モチモチの木」(小学校3年)
第6節 筆者の主張と説明の工夫に迫る
■「固有種が教えてくれること」(小学校5年)
第7節 表,グラフや図から読み取ったことをもとに自分の考えを書こう
―生き物をどう数えるか―
■「オリジナル教材」(小学校6年)
第8節 かぐや姫の言動から人間の心のありようを読み取る
■「竹取物語」(中学校1年)
第9節 龍田中そこまで言って委員会!
―私たちの未来について考える―
■「合意形成に向けて話し合おう」(中学校3年)
第10節 物語を読もう
―考えを聞き合うことを通して―
■「山ねこ,おことわり」(特別支援学校高等部1年)
あとがき

まえがき

 現在,「主体的・対話的で深い学び」の実現が重要な課題となっている。本書は,直接的にそれをテーマにはしていないが,最終的にその実現につながる国語科授業づくりを目指している。

 本書では,「主体的・対話的で深い学び」を「自分の既有知識や生活経験などに基づいてテキスト(文字テキスト・談話テキスト)を解釈することによって,学びの対象となる世界を〈わがこと〉として考え,他者(教師や他の子どもたち)との対話・交流を通して認識を深め,既有知識の再構成,新たな知識の生成に向かうような知識活用・知識創造型の学びのことである」と定義し,そのために大切な働きをするのが,「根拠・理由・主張の3点セット」を活用した論理的な思考力・表現力であると捉える。こうした基本的な立場から,校種・学年・領域を超えて,さまざまな実践事例を集めて紹介するという編集方針である。

 隠れたテーマとして,「理論と実践の統合」という問題の追究がある。トゥルミン・モデルを改良した「根拠・理由・主張の3点セット」は論理的思考・表現のための理論的ツールであるが,それをそのまま実践に適用するのではなく,教師たちがもっている暗黙的な実践的知識(「どこからわかるの?(根拠)」「なぜそう言えるの?(理由)」という発問で学びが深まる)と結びついたからこそ,授業づくりにおいて広く活用されるようになったと考えられる。これが「理論と実践の統合」のあり方を示すものである。特に,トゥルミン・モデル(あるいは三角ロジック)とは異なって,「自分の既有知識・生活経験に基づいた具体的な理由づけ」(鶴田 2020)が「主体的・対話的で深い学び」にとって非常に重要である(これについては第1章(鶴田執筆)・第2章(河野執筆)の「理論編」の中で詳しく説明する)。

 本書はこうした観点から,小・中学校,特別支援学校の国語科授業において,さまざまな領域・教材のすぐれた実践事例を集めて,多くの教師にとって実践的な手引きとなるようにした。

 先行文献としては,鶴田清司・河野順子編(2014)『論理的思考力・表現力を育てる言語活動のデザイン(小学校編・中学校編)』(明治図書)などを参照していただきたい。


 第3章の「実践編」では,次のような項目に分けて,授業例をわかりやすく紹介している。


(1) 学習材の内容

(2) 単元の目標

(3) 指導計画

(4) 授業の実際

(5) 授業を振り返って


 特に,次の点に留意している。


 @「根拠・理由・主張の3点セット」の「理由づけ」にあたって,子どもたちの既有知識や生活経験を引き出すために,どこでどのような工夫をしたかを明確にする。

 Aその工夫によって,どのように主体的・対話的で深い学びが実現したのか,その授業の様子(発話プロトコル,子どものノート・ワークシートなど)を詳しく紹介する。


 なお,それぞれの実践には,編著者による授業ガイドも併記している。

 読者各位の忌憚のないご意見・ご批判を仰ぎたい。


  2023年9月   編著者代表 /鶴田 清司

著者紹介

鶴田 清司(つるだ せいじ)著書を検索»

都留文科大学名誉教授

河野 順子(かわの じゅんこ)著書を検索»

元白百合女子大学教授

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 実践例が大変参考になりました。
      2024/1/2970代・嘱託指導主事
    • わかりやすい
      2023/11/630代・小学校教員
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