- まえがき
- 序章 学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシートでアクティブ・ラーニングを支える!
- 1.学校図書館の課題と活用プロジェクト
- 2.学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシートの構成と内容
- 3.活用ポイントシートにも使える学校図書館掲示ポスターの活用法
- 第1章 学校図書館を活用しよう!学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシート
- 1.「学校図書館を活用しよう」ハンドブックの表紙・目次の使い方
- 1 「学校図書館を活用しよう」ハンドブック・表紙
- 2 「学校図書館を活用しよう」ハンドブック・目次
- 2.「学校図書館ってどうやって使うの」の使い方
- 1 学校図書館へようこそ!
- 2 学校図書館のきまり
- 3 本の借り方・返し方
- 4 学校図書館の案内地図
- 5 本の置き方・並べ方
- 6 スペースやコーナーを活用しよう
- 3.「本の使い方を知ろう」の使い方
- 1 本の部分の名前を知っているかな
- 2 表紙には何が書いてあるの
- 3 目次をどうやって使うの
- 4 「本の使い方」(凡例)の使い方を知ろう
- 5 索引でも調べられるよ
- 6 奥付ってどこにあるの
- 第2章 調べて発表しよう!学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシート
- 1.「調べて発表しよう」ハンドブックの表紙・目次の使い方
- 1 「調べて発表しよう」ハンドブック・表紙
- 2 「調べて発表しよう」ハンドブック・目次
- 2.「どのように調べたらいいのかな」の使い方
- 1 どのように調べたらいいのかな
- 3.「課題を決めて調べていこう」の使い方
- 1 課題を設定しよう
- 2 調べて伝える計画を立てよう
- 3 どんな所で調べたらいいの―学校図書館・公共図書館・本屋さん・文化センター
- 4 調べるために学校図書館へ行こう
- 5 わからないことは,まずこれで―辞典・事典・図鑑
- 6 新聞の記事を活用して考えよう
- 7 インターネットを役立てよう
- 8 本や資料以外でも調べられるよ
- ―電話・ファックス・アンケート・実験・観察・インタビュー・実際に行って
- 4.「調べたことをまとめて発表しよう」の使い方
- 1 目的に合わせて要約をしよう
- 2 人の考えなどは引用しよう
- 3 調べたことを調査報告文にまとめよう
- 4 観察や実験をして,報告文を書こう
- 5 リーフレットやパンフレットの作り方
- 6 新聞に編集しよう・学習新聞割付見本
- 7 スピーチのための原稿はこれだ!
- 8 プレゼンテーションの練習をしよう
- 9 いろいろな発表や話し合いに挑戦しよう
- ―演じて説明する・実際に見せて説明する・パネルディスカッション・ポスターセッション
- 第3章 本を読もう 楽しもう!学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシート
- 1.「本を読もう 楽しもう」ハンドブックの表紙・目次の使い方
- 1 「本を読もう 楽しもう」ハンドブック・表紙
- 2 「本を読もう 楽しもう」ハンドブック・目次
- 2.「本を読む順序を知っているかな」の使い方
- 1 本を読む順序を知っているかな
- 3.「本の種類に合わせて読み方を変えよう」の使い方
- 1 作者別・筆者別にこだわって読もう
- 2 グレードに合った本を選ぼう(グレード別)
- 3 本の仲間に分けて(ジャンル別)
- 4 シリーズで読むとおもしろい(シリーズ別)
- 5 編集の意図を考えて読もう―新書・電子書籍・全集・連載・名作選・文庫
- 6 テーマは何だろう
- ―〇〇アルバム・〇〇ワールド・〇〇ランド・〇〇探検
- 4.「文学は楽しい」の使い方
- 1 イメージを広げて読んでいこう―物語・昔話・詩歌集
- 2 ファンタジーの世界にひたろう―ファンタジー
- 3 豊かな表現を味わおう―物語・科学読み物・語彙集・表現集
- 5.「調べて考えたことについて,深く読んでみよう」の使い方
- 1 人の生き方を学ぼう―伝記
- 2 ガイドブックを活用しよう―ブックリスト・説明書・マニュアル・入門書
- 3 本の解説を手がかりにしよう―作品解説
- 4 モデルを探そう―感想文集・意見文集
- 5 本を紹介したものを参考にしよう
- ―ブックガイド・ポスター・本の紹介リーフレット
- 6 筆者の体験と考えを結び付けて読もう―エッセイ
- 6.「読み方を工夫しよう」の使い方
- 1 比べて読むとおもしろい―比べ読み・重ね読み
- 2 目標を決めてチャレンジしよう―ブックウォ―ク・読書マラソン
- 3 評価しながら考えて読もう
- 4 文章の原作・原本(底本)と比べて違いを見つけよう
- 5 表やグラフと本文を比べながら考えよう
- 6 速く読もう・予想して読もう
- 7 疑問をもって読もう
- 8 本を分析して読もう
- 9 関係付けて読もう
- 7.「本を使っていろいろな活動をしよう」の使い方
- 1 物語のあらすじのまとめ方
- 2 登場人物を関係付けて
- 3 作者ってどんな人?
- 4 感想文って,このように書くんだよ―物語・科学読み物
- 5 好きな本を紹介,推薦しよう―物語・科学読み物
- 6 物語を読んで,楽しく表現しよう
- ―人形劇・紙芝居・音読劇・ストリーテリング・読み聞かせ
- 7 わくわくする読書活動―ブックトーク・説明会・読書クラブ・読書イベント
- 第4章 読書活動 必読書をステージ別で読んでいこう!学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシート
- 1.「読書活動 必読書をステージ別で読んでいこう」の使い方
- 1 「読書活動 必読書をステージ別で読んでいこう」ハンドブック・表紙
- 2 「読書活動 必読書をステージ別で読んでいこう」ハンドブック・目次
- 3 ステージ別必読書@
- 4 ステージ別必読書A
- 5 ステージ別必読書B
- 6 ステージ別必読書C
- 7 ステージ別必読書D
- 8 ステージ別必読書E
- 〈参考資料〉
- 1 「これからの学校図書館の整備充実について(報告)の概要」平成28年10月
- 2 「学校図書館ガイドライン」平成28年11月
- 3 「学校司書のモデルカリキュラム」平成28年11月
- 4 平成29年版 小学校学習指導要領―読解力・学校図書館に関する能力抜粋
まえがき
本書は,「学校図書館活用プロジェクト」の展開として,学校図書館活用を促すために,そのモデルとなる学校図書館掲示ポスター&活用ポイントシートを示したものです。先に刊行した児童・生徒にとって活用しやすく,読解力・読書力を向上させる学校図書館の改造方法を提案した『学校図書館改造プロジェクト』(井上一郎編著,明治図書,2013年)の第2弾となります。学校図書館を改造し,今度はどのように活用すべきかを具体化する企図をもって次のように編集しています。
(1) 学校図書館を活用するために必要なポスター&ポイントシートのモデルを示し,次のような内容で編集しています。
@ 学校図書館の利用の方法−「学校図書館を活用しよう」
A 本を利用した調べ方・伝え方の方法−「調べて発表しよう」
B 本の楽しみ方や読み方の方法−「本を読もう 楽しもう」
C 必読書を用いた読書活動及びリスト例−「読書活動 必読書をステージ別で読んでいこう」
(2) 図解したポスター&ポイントシートは,次のような役割と活用を可能にする内容とする。
@ 学校図書館の掲示ポスターとして活用する。
A 児童・生徒が学習を進める時に,必要な汎用的内容のポイントシートとして配布する教材開発の参考にする。
B 児童・生徒に対する指導テキストとして活用する。
C ハンドブックとして綴じて配布する。
D ステージごとに目標となる本を読破してステップアップする目標読書としての「ステージ読書」を支援するブックリストの実例として提供し,各学校や教室での編集の参考とする。
「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」(中央教育審議会,平成28年12月21日)及び平成29年3月告示の学習指導要領では,「なにができるようになるか」という「育成すべき資質・能力」を目標として示し,その指導方法=学習方法として「どのように学ぶか」というアクティブ・ラーニングを展開するカリキュラム・マネジメントを求めました。このようなアクティブ・ラーニングの展開において最も重要な場が学校図書館です。学習空間は,教室から学校図書館,公共図書館,博物館,美術館,公民館,各種資料館,地域社会等に拡大すべき時が来ています。さらには,必要な取材力として,インターネットで調べる,フィールドワークする,インタビューする等,学校以外の時間においても活動すべき時期が来ています。このような状況こそアクティブ・ラーニングのよい面を生かしていると言えましょう。実生活の中から単元が生まれ,単元を通して実生活を変えていくような「シームレスの学習」(縫い目のない連続的な学習)を目指すことが重要です。
学校図書館を施設面から改造する,本の配架及び選書を進める,司書を配置する,ICTと連携するといった改革は,広く見ればハード面の改革になります。ソフト面から見ると学校図書館をどのように活用するかという課題が残されています。いくら立派な施設や環境が整っても,活用しなければ意味がありません。そこで,すぐにも次のような取り組みを進めてもらいたいと考えています。
大きく考えると,二つあります。第一は,学校図書館という空間を利用した「学校図書館で行う授業」(図書館授業)の展開です。学校図書館は,本の貸借のみならず,大きな机と豊富な図書資料,実物,ICTといったよい環境が広がっています。アクティブ・ラーニングを行うためには,こんなよい空間は学校の中では他にありません。学級担任,学校司書,司書教諭が連携し合い,効果的な授業を行うことで知識・技能の飛躍的な向上が学力向上につながることが期待されます。
第二は,児童・生徒がアクティブ・ラーニングを行うためには,利用指導が不可欠です。ただ,利用の仕方や貸借の方法等をガイダンスするだけでは,児童一人一人の日常的な学習活動をサポートするのは難しいでしょう。ポイントシートをまとめた「学校図書館ハンドブック」をいつも手元に持ち,たえず参考にしながら,アクティブ・ラーニングすることが可能となるように教材開発することが必要となってくるのです。また,どの子も基本図書を知り,読破する目標を定め,文化的にも知識的にも読書水準を安定させることが,不読者をなくしていく契機となるはずです。
第一については,『学校図書館改造プロジェクト』において,「学校図書館を使いこなす! 教科別授業アイデア」を提案しています。各教科等を網羅し,教室で,学校図書館で本を活用するアイデアと単元構想を行っています。本書は,第二の課題について,学習者の立場に立って教材開発したものということになります。実際に,一つの小学校で配布し,活用の様子と成果を考察した上で本書の効果と意義を深めて刊行することにしました。教師が本書を参考に教材開発する時のイメージ化に役立つようにビジュアルなポイントシートを具現しています。
既に,学習者が「何ができるようになるか」という視点からワークシート集『小学校国語 「汎用的能力」を高める!アクティブ・ラーニングサポートワーク』(明治図書,2015年)と,ポイントシート集『アクティブ・ラーニングをサポートする!小学校教室掲示ポスター&言語能力アップシート事典』(明治図書,2017年)を刊行しています。本書とともに3冊の本を活用し,アクティブ・ラーニングの実現に取り組んでほしいと願っています。なお,読書量を劇的に向上させる目標読書の一つのプログラムとして『ブックウォークで子どもが変わる』(井上一郎編,明治図書,2005年)も刊行していますので,展開方法やワークシートを参考にし,読書量アップに役立ててください。
本書は,井上が編集企画,趣旨の構想,ポスター&ポイントシートの内容の構想を行い,古川元視が実際に取り上げるポスター&ポイントシートの原案及びデザイン化を行うようにして共同執筆しました。まえがき及び序章は井上が,実際の活用法は古川が執筆しました。配布して試行した内容を基盤に,刊行に合わせ,新学習指導要領の考え方や内容,今後必要な21世紀の学力に応じられるような内容へと高めていきました。刊行にあたっては,明治図書編集部木山麻衣子編集長,奥野仁美氏にお世話になりました。記して謝意を表します。
2017年5月 /井上 一郎
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- 明治図書
- 電子版があってよかった。2025/1/2430代・小学校教員
- 電子版があって良かった。2024/7/2130代・小学校教員
- 学校図書館に特化した教育書を初めて見たため。校務分掌で図書主任になったときに役立ちそうだと思った。2021/4/2130代・小学校教員
- 学校図書館での具体的な取り組みが書いてある点がよい。印刷して児童へ配布できるハンドブックが載っており,その活用ポイントが明確にされている点がよい。2017/8/440代・小学校教員