- はじめに
- Introduction
- なぜ基本語を身につけることは重要なのか
- 基本語力とは何か
- 「英語=日本語」式理解の限界
- コアとコア・イメージから基本語の意味を理解する
- 基本語の授業をデザインする
- 本書の使い方
- Chapter1 基本動詞の指導
- be 何かがどこかにある
- have 自分のところに何かをもつ
- take 何かを自分のところに取り込む
- give 自分のところから何かを出す
- get ある状態になる(する)
- make 何かに手を加えて何かを作る
- break 力を加えて,形・機能・流れをコワス
- cut 鋭利なもので切る
- go 視点が置かれているところから離れる
- come 視点が置かれているところに移動する
- leave 持って行かないで(そのままの状態にして)去る
- run ある方向に,連続して,すばやくなめらかに動く
- catch 動いているものをパッとつかまえる
- do Aに対してBをする
- hold 何かを一時的におさえておく
- keep 自分のところに比較的長い間保つ
- put 何かをどこかに位置させる
- set 定められた位置に据える
- bring 何かを手にしてある場所に移動させる
- carry 何かを身につけて持ち歩く
- look 視線を向ける
- see 何かを視野にとらえる
- listen 耳を傾ける
- hear 聴覚器官が働き,聞こえる
- speak 言語音を出す
- talk 言語でやりとりをする
- say ある内容を言う
- tell 相手に内容を伝える
- push 押す力を加える
- press 押しつける
- pull 力を入れてぐいっと引く
- draw ゆっくりなめらかに引く
- close 端と端を近づけて閉じる
- shut すき間なくピシャッと閉める
- fall 落下する
- drop ぽとんと落ちる(落とす)
- lift まっすぐに持ち上げる
- raise 手にしているものを現状よりも高くする
- remain 周囲に変化があっても残る
- stay 他の場所に行かず,そこに残る
- clear 邪魔なものを取り除く
- clean 汚れがなくきれいにする
- Chapter2 前置詞の指導
- in 空間内に
- on 何かに接触して
- at 〜のところに(場所)
- by 近接して
- to 何かに向き合って
- with 何かとともに
- for 何かに向かって
- of 切っても切れない関係
- under 何かの下に
- over 弧を描くように覆って
- through 何かを通り抜けて
- across 平面を横切って
- along 何かに沿って
- around 何かの周囲に
- about 何かの周辺に,あたりに
- between 2つのものの間に
- above ある基準よりも高い位置に
- below ある基準よりも低い位置に
- against 何かに対抗して
- up ある基準よりも上の方に移動する
- down ある基準よりも下の方に移動する
- out 空間の外に
- off 接触した状態から離れて
- away ある点から離れて
- back ある基準から後ろに
- エクササイズ解答
- おわりに
はじめに
実践的な英語コミュニケーション能力を身につける上で,基本語を使いこなす力(=基本語力)を身につけることは,必要不可欠です。しかし,多くの現場の先生方が基本語の重要性を認識されている一方,実際の授業で指導し切れているかと問われると,必ずしもそうとは言えない現状があります。
教科書や問題集で出てきた用例をその都度解説したり,辞書に載っている語義を1つずつ覚えたりする指導は,基本語の知識を身につける上で一定の効果がありますが,それを通して実際に基本語を使いこなす力が身についているかというと,疑問が残ります。
体系的・継続的な基本語指導を実践するためには,基本語の意味世界を生徒に魅力的に伝える力と,効果的なエクササイズをデザインする力が教師に求められます。本書は,主に中学生・高校生を担当されている先生方が,自信をもって基本語の指導を実践することができるような内容になっています。基本語という言葉を初めて耳にしたという方から,基本語の大切さを認識しているものの,実際の授業でどのように指導したら良いのか分からないといった問題意識を抱えている先生方にぜひ手に取って頂ければ幸いです。
本書では,数ある基本語の中から42の基本動詞と25の前置詞を精選し,それぞれの語の意味世界の解説,及び授業に即応できるエクササイズ例を紹介します。本書が,多くの生徒たちが基本語を様々なコミュニケーションの場面で活用できる力を身につける一助になれば幸いです。なお,本書の執筆にあたっては,恩師である慶應義塾大学の田中茂範先生に多大なるご助言とご指導を賜りました。また,明治図書出版の広川淳志さんには,本書の企画から製作までの全工程において,的確なアドバイスを頂きました。ここに心より御礼を申し上げます。
2017年10月 /森本 俊
イメージの図は良かった。