- 推薦の言葉
- はじめに
- 本書の使い方
- 第1章 「書きたい」を実現! 必ず書ける効果的な書字支援
- 1「楽しい活動」だから書けるようになる
- ○「書きたい」ことば
- ○「伝えたい」思い
- ○「書く」は楽し……、「見る」も楽し……
- ○書字支援の出発点
- ○本書に込めた思い
- 2 Q&Aで解決!書字支援のよくある悩み
- Q1 文字が大きくなってしまいます。
- Q2 形をとらえるのが苦手です。
- Q3 不器用で手指がうまく動きません。
- Q4 ノートへの視写や聴写で、注意することは何ですか。
- Q5 口伴奏の効果について教えてください。
- Q6 身体でとらえることには、どんな意味があるのでしょうか。
- Q7 形よく書ける必要があるでしょうか。
- Q8 文字を読むことと文字を書くことは、どう関係していますか。
- Q9 「ことば」が増えません。書くことによって解決できるでしょうか。
- Q10 落ち着いて学習に集中できず、特に書字には興味がないようです。
- 第2章 文字を書くのが苦手な子どものための「ひらがな・カタカナ」ラクラク支援ワーク
- ひらがな
- ひらがな指導アドバイス
- 1 つのだせ、やりだせ 【つ】【の】
- 2 いりぐち、とんとん 【い】【り】
- 3 ひっくりかえって、へー 【く】【へ】
- 4 うまく、たったよ 【う】
- 5 つやつや、まゆ 【や】
- 6 とって、とられて 【と】
- 7 てを、そえて 【て】【そ】
- 8 こま、このまま 【こ】【ま】
- 9 もしも〜し 【し】【も】
- 10 きれいに、さいた 【さ】【き】
- 11 えーん、えん 【え】【ん】
- 12 ないた、あかおに 【な】【た】
- 13 ふらふら、だんす 【ふ】【ら】
- 14 にく、やけた 【に】【け】
- 15 ほら、はなだよ 【は】【ほ】
- 16 すーっとよことび、きゅうせんかい 【す】【せ】
- 17 おむすび、ぎゅぎゅ 【む】【お】
- 18 どうろを、ぶるるる 【る】【ろ】
- 19 みて、さんりんしゃ 【み】
- 20 いぬは、だめ 【め】【ぬ】
- 21 ちいさくあかい、だるまさん 【あ】【ち】
- 22 よいは、よいたね 【よ】
- 23 かた、とんとん 【か】
- 24 われた、せんべい 【わ】【れ】
- 25 ねこのおねだり 【ね】
- 26 いちご、ひとつぶ 【ひ】
- 27 ゆったり、ゆっくり 【ゆ】
- 28 いしを、とぶ 【を】
- カタカナ
- カタカナ指導アドバイス
- 1 めっ、だめ! 【メ】
- 2 「はーい」のこえ 【ノ】【イ】【ハ】
- 3 たてよこ、えんぴつ 【エ】
- 4 りんご、そっくり 【リ】【ソ】【ツ】
- 5 みかんのしる 【ミ】【ン】【シ】
- 6 にらを、いためる 【ニ】【ラ】【ヲ】
- 7 れーすのるーる 【レ】【ル】
- 8 うふふと、わらう 【フ】【ワ】【ウ】
- 9 あたまも、まっしろ 【マ】【ア】
- 10 たけ、くろす 【ク】【タ】【ケ】
- 11 なえのつち 【ナ】【チ】
- 12 ささのは、さらさら 【サ】
- 13 てがみを、もって 【テ】【モ】
- 14 すかーとのぬの 【ス】【ヌ】
- 15 ねぎま、だいすき 【キ】
- 16 はやさ、せいかいいち 【ヤ】【セ】
- 17 ほどう、おーらい 【オ】【ホ】
- 18 こっぷをよこに、ゆっくりと 【コ】【ユ】【ヨ】
- 19 ろっかーは、どこ? 【ロ】
- 20 したむきのとげ 【ト】【ム】
- 21 へいも、へっちゃら 【ヘ】
- 22 ひこうき、みえた 【ヒ】
- 23 かえるが、かえる 【カ】
- 24 いいね、やじろべえ 【ネ】
- あいうえお索引
- ひらがな
- カタカナ
推薦の言葉
帝京大学大学院教職研究科/同 医学部小児科 /藤井 靖史
所謂、読み書き障害と言われる子どもは、日本には3%程度いると言われている。読み書きが苦手な子どもは、学習の楽しさに触れることなく学習嫌いになってしまうことが見受けられる。それは、読み書きができないために学習内容が理解できないことが関与していると思われるが、「上手く」書けないために、書いても他人に認めてもらえないことにより、字を書くこと、学ぶことの楽しさを経験できないことも大きな要因ではないかと思われる。
本書は、「書く」ことの苦手な子どもへの支援を目的に編集されたワークブックである。
一人ひとり、「書く」ことが苦手な理由は様々である。認知面(形のとらえ方、音と形の一致)、運動面(筆や鉛筆の持ち方や筆の運び)、あるいは気持ちの問題も関与する。第1章では、そうした「書く」ことにつまずく理由が、Q&Aスタイルで専門用語を使わずに分かりやすく解説されている。そして、第2章では、ひらがな・カタカナの一文字ずつについて具体的な支援方法が分かりやすく示されており、文字を書くことが苦手な子どもをもった保護者にも家庭での学習支援に役立てられる内容となっている。また、小学校の教師にとっても、「読み書き障害」の児童の理解と指導に様々なヒントが与えられるのではないだろうか。
本書は「書く」ことの指導書ではあるが、そもそも人間にとっての「書く」ことの意味についても、筆者である杉ア哲子先生の考えが述べられている。第1章は、授産施設で作業をする、「書く」ことに嫌悪感さえ抱いていたKさんとのかかわりから書き始められているのだが、杉ア哲子先生とのかかわりの中で、Kさんが次第に「書く」ことに興味を覚え、やがて「書く」ことを楽しむようになった過程が記されている。本書に示された、何の「ために書く」のかという問いかけは、人にとって非常に重要で本質にかかわる問いではないであろうか。文字が情報の伝達手段である以上、他人に理解されるように書くことが重要であることは当たり前ではあるが、そもそもは純粋に文字を「書く」ことの楽しさがもっと大切にされるべきであることを杉ア哲子先生は強調されており、改めて「書く」ことの指導の在り方を考えさせられる。
本書はワークブックとして、非常に簡潔に分かりやすくまとめられていているが、単なる指導書としてではなく、「書く」ことの意味を考えさせられる内容になっている。「書く」ことが苦手な子どもの指導や支援にあたる保護者や教師に是非とも一読をお勧めしたい。
似た文字が並べてあって区別しながら書けるなと思いました。
コメント一覧へ