- はじめに
- 1章 「理解」の本質
- 1 「分かる」とはどういうことか(1)
- 2 「分かる」とはどういうことか(2)
- 2章 「三つの力」で読解力を高める
- 1 「言いかえる力」を高める(1)
- 2 「言いかえる力」を高める(2)
- 3 「くらべる力」を高める(1)
- 4 「くらべる力」を高める(2)
- 5 「たどる力」を高める(1)
- 6 「たどる力」を高める(2)
- 3章 国語教師が持つべき気構えとは
- 1 「言語活動」とは、ズバリ何のことか?
- 2 算数のように国語を教えよ!
- 3 視野を広げる三つの方法
- 4 「読解」の本質を再確認する
- 4章 テストとは授業の指標である
- 1 テストを作れてこそ、授業も作れる
- 2 「読む力」と「書く力」を比較する
- 5章 「書く力」を教え、評価する方法
- 1 「書く力」をいかにしてテストするか(1)
- 2 「書く力」をいかにしてテストするか(2)
- 3 「書く力」をいかにしてテストするか(3)
- 6章 能力を測れるテスト、測れないテスト
- 1 テスト作成における最重要キーワード
- 2 入試問題を見よ!(1) 類似したものごとの間の相違点を問う
- 3 入試問題を見よ!(2) 文学をテストするなかれ
- 7章 「総合力」への警鐘を鳴らす
- 1 総合力信仰から脱却せよ(1)
- 2 総合力信仰から脱却せよ(2)
- 8章 優れた「問い」を生み出すための要諦
- 1 価値ある「問い」を生み出す技術
- 2 テストとは「教師のテスト」である
- おわりに
はじめに
私は美辞麗句が嫌いだ。
教育界にはびこる美辞麗句には、いろいろある。
自主性尊重。豊かな関わり合い。学び合い。アクティブ・ラーニング。課題解決力。教科横断的学習。
どれも、うさんくさい。
ひとことで言えば、これらはいずれも「実体」がない。
そして、こと国語教育に関しての美辞麗句と言えば、「国語の答えは一つではない」という言葉がある。「国語」と「算数・数学」の違いを子どもたちに問うと、彼らは既成事実であるかのようにこの言葉を持ち出す。
根づいているのだ。冗談じゃない、と思う。
国語の答えは、一つである。
一つの正解を導き出すことのできない子どもが、多様な正解を導き出すことなどできない。一つの正解を引き出す問いを発することのできない教師が、多様な正解を生み出すことのできる子どもを育てることなどできない。
この本は、実体のある「技術」を追究した本だ。
読み終えたとき、「国語の正解は一つである」ということの意味が、確かな手ごたえとともにあなたの眼前に現れるであろう。
そのときから、あなたの授業が変わる。そして、子どもが変わる。
その日を目指して、じっくりと読み進めていただきたい。
ふくしま国語塾主宰 /福嶋 隆史
この本の内容は、二年分の雑誌連載記事に加筆修正を施したものである。
連載の時系列とこの本の各項の順序は、一致している。
『国語教育』(明治図書)二〇一三年四月号〜二〇一四年三月号
連載タイトル 「驚く効果! 子どもに読解の型をこう教える」
『国語教育』(明治図書)二〇一四年四月号〜二〇一五年三月号
連載タイトル 「テスト問題作成のバックヤード」
なお、教科書教材についての言及は全て光村図書出版による教科書を参照したものである(本文中では出版社名を表記していない)。
著者の主張と教え方の技術がシンプルに示されており 自学級において すぐに取り組める
既刊のワークと合わせて読むとなお分かりやすい