- はじめに
- 第1章 個別最適な学びと協働的な学びの研修の必要性
- 01 個別最適な学びと協働的な学びって何?
- 02 研修となると難しい……
- 03 ワークショップの紹介の仕方について
- COLUMN つらかった官制研修の思い出
- 第2章 アイスブレイクのワークショップ
- 01 多様性を感じることができる グミグミグミ
- 02 共有&協働を体感する カードゲーム&ボードゲーム
- 03 名前を大事にする ネームアート
- 04 コミュニケーションを豊かにする 絵本の表紙絵づくり
- 05 親密さを高める 意外な共通点探し
- 06 心も体もリラックスする 5分間瞑想チャレンジ
- 07 出会いの場を活性化させる キーワード・サークルづくり
- 第3章 最上位目標を大事にするワークショップ
- 01 答申を読んでみよう!!
- 02 最上位目標をもとに考えよう
- 03 個人目標を決めて,最上位目標を達成しよう
- COLUMN 個人目標を達成しながら係活動に挑戦しよう
- 第4章 マインドセットづくりのワークショップ
- 01 マンガの名言からマインドセットを探せ
- 02 教育書から紙芝居をつくってみよう
- 03 あなたは誰にどんな本をプレゼントしますか
- 04 あなたの教師ストーリーを教えてください
- 05 リーダーシップについて考えよう
- 06 憧れの人と同じマインドセット
- 07 嫌いなところはいいところ
- 08 ハッピーマジックワードを考えよう
- COLUMN 私の教師ストーリーを振り返る
- 第5章 子ども中心の学びを体験するワークショップ
- 01 自由進度学習を体験してみよう
- 02 ランチで問いづくり
- 03 「小さな道徳」授業づくりをしてみよう
- 04 「とっておきの話」をつくってみよう
- 05 たき火の映像を見ながら対話をしよう
- COLUMN ランチで問いづくり〜ファミリー編〜
- 第6章 チームワークを高めるワークショップ
- 01 新聞紙から考えよう
- 02 リアル脱出ゲームをやってみよう
- 03 新聞紙ファッションショー
- 04 絵本の謎を解き明かせ
- 05 さくっと働き方改革
- 06 さくっと授業改革
- 07 お気に入りの○○を探せ
- COLUMN 本を読み合うことから生まれる関係性とは
- 第7章 個別最適な学び・協働的な学びの一体的な充実を進めるスクールクリエイター
- 01 スクールクリエイターって何!?
- 02 スクールクリエイター研修の立ち上げ
- 03 国内・国外視察研修へ
- 04 スクールクリエイターの実践紹介@ 子どもも大人もわくわくする学校を目指して
- 05 スクールクリエイターの実践紹介A 「できた!」「もっとやりたい!」と自信をもっていきいきと学びに向かう子どもの育成
- 06 スクールクリエイターの実践紹介B 対話的に合意形成や課題解決ができるファシリテーターの育成
- 第8章 研修実況中継!
- ステップ1 アイスブレイク
- ステップ2 本日の問いをつくる
- ステップ3 個別最適な学びについて確認する
- ステップ4 個別最適な学びの進め方について紹介する
- ステップ5 チームワークを高めるアクティビティを行う
- ステップ6 本日の研修内容で生かしたいことを交流する
- COLUMN プロジェクト型校内研修
- おわりに
- 参考文献
はじめに
みなさん,こんにちは。私は長野県の大日向小学校でグループリーダー(いわゆる学級担任)をしている岩本歩です。大日向小学校といえば,日本初のイエナプランスクールとしてご存知の方が多いと思います。
前著は,イエナプラン教育を参考にした自由進度学習の実践本でしたが,今回は個別最適な学びと協働的な学びをスタートアップ(起業)できるワークショップのアイデア集を執筆しました。本書を参考にしていただければ,校内研究,学年での研究,教育センターでの研修,フリースクールスタッフ研修,地域の保護者サークル交流会などで幅広く活用できると思っています。
自己紹介に戻りまして,以前は,イエナプラン教育を参考にした教育実践で全国的に知られている名古屋市立山吹小学校の研究主任として,研修の立ち上げをしてきました。教育哲学者の苫野一徳先生からは,「公教育の希望」といわれている学校です。
その後は,名古屋市教育委員会の新しい学校づくり推進室(2024年現在は,新しい学校づくり推進課)の指導主事を2年間務めていました。
ナゴヤ・スクール・イノベーション事業のプロジェクトにおいて「スクールクリエイター」と称し,社会,学校,人を幸せにする「つくりて」となる先生を育てる取り組みを行いました。スクールクリエイターは,オランダを訪れてリヒテルズ直子さんよりイエナプラン教育の概要を学んだり,現地のイエナプランスクールを視察したりしました。また,海外視察だけではなく,大日向小学校や奈良県の奈良女子大学附属小学校など先進的な実践をしている学校に行き,学級づくり・学校づくりについても学びました。
そしてスクールクリエイターたちは,学んだことを踏まえて,名古屋市内や全国の先生たちに向けて学習会を開催しました。学習会では,ワークショップを行って,自ら学んできたことを発信しました。当日は大賑わいでした。
私自身は,名古屋市内だけではなく,オンライン,大学,県外の自治体,フリースクールなどのワークショップ研修を行っています。
依頼される内容としては,「個別最適な学びと協働的な学びをどのような考えで進めるのか」「個別最適な学びを自分で体験してみたい」などの声がとても多く,実際に何度か研修を行ってきました。
これらの私が取り組んだ実践内容は,2023年に発売された前著『イエナプラン教育を取り入れた自由進度学習』(明治図書)に書きました。公立学校でのイエナプラン教育を参考にした実践を数多く行ってきたことについて詳しくまとめましたので,ぜひ読んでみてください。
今回は,名古屋市教育委員会の新しい学校づくり推進室の指導主事として取り組んできた研修内容をまとめてみました。
また,「いえなごやサークル」というイエナプラン教育を学ぶ民間団体で現役の先生,民間団体の方向けに開いてきたワークショップから,合計で30個のアイデアをまとめてみました。
本書を活用すれば,自治体,学校,学級,フリースクール,民間団体のサークルなどでも「個別最適な学びと協働的な学びのワークショップ」を行うことができると思います。スタートアップするきっかけになるはずです。
ぜひ参考にしてみてほしいと思います。
第1章では,「個別最適な学びと協働的な学びの研修の必要性」について紹介します。なぜこのような研修が必要とされているのかについてお伝えします。
第2章では,「アイスブレイクのワークショップ」について紹介しています。ワークショップを行おうと思うと,場がカチカチに凍っていることはありませんか。場が和み,温かい雰囲気でワークショップを始めることができるようなアイデアを紹介したいと思います。
第3章の「最上位目標を大事にするワークショップ」では,最上位目標をつくるためのワークショップを紹介します。組織にとって最上位の目標があることで,どのような方法で実践していけばいいのか立ち戻ることができます。
第4章の「マインドセットづくりのワークショップ」では,最上位目標に向かって取り組んでいく上で必要な心構え,いわゆるマインドセットづくりができるワークショップの事例を紹介します。
第5章の「子ども中心の学びを体験するワークショップ」では,実際の個別最適な学びと協働的な学びについて体験できるワークショップを紹介します。
第6章の「チームワークを高めるワークショップ」では,個別最適な学びを支えていく上で大事にしたい「協働的な学び」について体験できるワークショップを紹介します。
第7章の「スクールクリエイターの取り組み」では,名古屋市教育委員会の指導主事時代に立ち上げたスクールクリエイター研修の内容と,その研修で学んだ実践者がどのような取り組みをしたのか紹介します。(やや自治体担当者向けの内容になっていますが,実践内容はみなさんにとって参考になると思っています。)
第8章の「研修実況中継!」では,私自身が90分の研修において上記で紹介した事例をどのように組み合わせて行ってきたかを紹介しています。
最後までお付き合いいただけますと幸いです。
また,必要な箇所を活用していただき,みなさんの目の前にいる子どもたちならびに先生方,保護者の方々が幸せになりますように。
合言葉は「スタートアップ♥」
/岩本 歩
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- 明治図書
- 校内研修で人権同和教育の研修などがあるがその研修のもち方などで参考になった。2024/10/1250代 小学校教諭