- はじめに
- 1章 主体的・対話的で深い学びを実現する!社会科授業デザイン
- 1 社会科での主体的・対話的で深い学びの実現
- 2 本書の読み方
- 2章 主体的・対話的で深い学びを実現する!社会科授業づくりの教科書 板書&展開プラン
- 1[縄文から古墳へ]
- 1 昔のことがどうしてわかるのか?
- (学習課題No.01・1時間構成)
- 2 縄文時代はどのような生活だったのか?
- (学習課題No.02・1時間構成)
- 3 弥生時代はどのような生活だったのか?
- (学習課題No.03・1時間構成)
- 4 米づくりによって,暮らしはどのように変わったか?
- (学習課題No.04・1時間構成)
- 5 どうして古墳がつくられたのか?
- (学習課題No.05・1時間構成)
- 6 クニはどのようにまとまっていったのだろうか?
- (学習課題No.06・1時間構成)
- 7 縄文から大和朝廷までをまとめよう!
- (学習課題No.07・1時間構成)
- 2[飛鳥から平安へ]
- 1 天皇中心の国づくりはどのように始まったのか?
- (学習課題No.08〜09・2時間構成)
- 2 聖徳太子が目指した政治は?
- (学習課題No.10・1時間構成)
- 3 天皇中心の国づくりはどのように続いたのか?
- (学習課題No.11・1時間構成)
- 4 奈良の大仏はなぜつくられたのか?
- (学習課題No.12・1時間構成)
- 5 鑑真はなぜ日本にやってきたのか?
- (学習課題No.13・1時間構成)
- 6 藤原氏はどのように力を付けたのか?
- (学習課題No.14・1時間構成)
- 7 貴族の暮らしはどんなものだったのか?
- (学習課題No.15・1時間構成)
- 8 飛鳥から平安までをまとめよう!
- (学習課題No.16・1時間構成)
- 3[鎌倉から室町へ〜武士の政治]
- 1 武士はどのように力を付けていったのか?
- (学習課題No17〜18・2時間構成)
- 2 頼朝はどのような政治を行ったのか?
- (学習課題No.19・1時間構成)
- 3 元と戦った幕府はどうなったのだろうか?
- (学習課題No.20・1時間構成)
- 4 室町時代にはどんな文化が生まれたのだろうか?
- (学習課題No.21〜22・2時間構成)
- 5 室町時代の文化はどのようにして広まったのだろうか?
- (学習課題No.23・1時間構成)
- 6 鎌倉から室町までをまとめよう!
- (学習課題No.24・1時間構成)
- 4[戦国から安土桃山へ〜3人の武将と天下統一]
- 1 戦国時代って,どういう時代だったのだろうか?
- (学習課題No.25〜26・2時間構成)
- 2 なぜ,信長は領地を広げていくことができたのか?
- (学習課題No.27・1時間構成)
- 3 秀吉は天下統一後,どのような国づくりを目指したのか?
- (学習課題No.28・1時間構成)
- 4 家康は天下統一後,どのような国づくりを目指したのか?
- (学習課題No.29・1時間構成)
- 5 天下統一についてまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No.30・1時間構成)
- 5[江戸幕府と政治の安定]
- 1 江戸時代は,どうして265年も続いたのか?
- (学習課題No.31〜32・2時間構成)
- 2 全国各地の大名をどのように取り締まったのか?
- (学習課題No.33・1時間構成)
- 3 幕府はどのように百姓や町人を取り締まったのか?
- (学習課題No.34・1時間構成)
- 4 幕府はなぜ鎖国を行ったのか?
- (学習課題No.35・1時間構成)
- 5 江戸幕府についてまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No.36・1時間構成)
- 6[町人の文化と新しい学問]
- 1 江戸時代にはどうして多くの文化が生まれたのか?
- (学習課題No.37〜38・2時間構成)
- 2 江戸時代にはどうして多くの娯楽が楽しまれたのか?
- (学習課題No.39・1時間構成)
- 3 新しい学問は社会にどのような影響をもたらしたのか?
- (学習課題No.40・1時間構成)
- 4 江戸の文化についてまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No.41・1時間構成)
- 7[明治維新を進めた人々]
- 1 江戸の町並みが大きく変わったのはなぜだろうか?
- (学習課題No.42〜43・2時間構成)
- 2 ペリーの開国要求によって,日本にはどんな影響があったのか?
- (学習課題No.44・1時間構成)
- 3 明治政府はどのような国づくりを目指したのか?
- (学習課題No.45・1時間構成)
- 4 新政府の改革に,どのような不満があったのか?
- (学習課題No.46・1時間構成)
- 5 国会開設前に,どんな準備をしていったのか?
- (学習課題No.47・1時間構成)
- 6 明治維新の時代をまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No.48・1時間構成)
- 8[二つの戦争と日本の発展]
- 1 日本の立場が大きく変わっていったのはなぜだろうか?
- (学習課題No.49〜50・2時間構成)
- 2 二つの戦争によって,日本の立場はどのように変わったのか?
- (学習課題No.51・1時間構成)
- 3 条約改正はどのように行われたのか?
- (学習課題No.52・1時間構成)
- 4 日本はどのように世界に進出したのか?
- (学習課題No.53・1時間構成)
- 5 人々にはどのような不満があったのか?
- (学習課題No.54・1時間構成)
- 6 日清・日露戦争と大正時代をまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No.55・1時間構成)
- 9[太平洋戦争と人々の暮らし]
- 1 アジアの中で日本はどのような存在になっていったのか?
- (学習課題No.56〜57・2時間構成)
- 2 日本はなぜ,満州に進出したのか?
- (学習課題No.58・1時間構成)
- 3 戦争はどのように広がっていったのか?
- (学習課題No.59・1時間構成)
- 4 戦時中の国民はどのような思いだったのか?
- (学習課題No.60・1時間構成)
- 5 戦争はどのように終わったのか?
- (学習課題No.61・1時間構成)
- 6 15年戦争をまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No.62・1時間構成)
- 10[平和を目指した国づくり]
- 1 戦後の日本はどのようにして復興していったのか?
- (学習課題No.63〜64・2時間構成)
- 2 日本の政治はどのような改革を行ったのか?
- (学習課題No.65・1時間構成)
- 3 なぜ,日本はオリンピックを開催したのだろうか?
- (学習課題No.66・1時間構成)
- 4 新しい日本・これからの日本についてまとめ,新聞に書こう!
- (学習課題No67・1時間構成)
- 11[地方自治と私たちの暮らし]
- 1 現代の国づくりの様子を調べよう!
- (学習課題No.68〜69・2時間構成)
- 2 現代のまちづくりを調査しよう!
- (学習課題No.70〜71・2時間構成)
- 3 市民の声はどのように市政に届くのか?
- (学習課題No.72・1時間構成)
- 4 まちづくりにかかる費用はどのようにまかなわれているのか?
- (学習課題No.73・1時間構成)
- 5 キッズコメント…自分たちの考えを市長に提案しよう!
- (学習課題No.74・1時間構成)
- 12[現代の国づくり]
- 1 国の政治はどのように話し合われているのか?
- (学習課題No.75・1時間構成)
- 2 内閣の働きにはどのような役割があるのか?
- (学習課題No.76・1時間構成)
- 3 裁判所の働きにはどのような役割があるのか?
- (学習課題No.77・1時間構成)
- 13[私たちの暮らしと日本国憲法]
- 1 現代の国づくりのもとにあるのは何か?
- (学習課題No.78・1時間構成)
- 2 国民主権とはどのようなことだろうか?
- (学習課題No.79・1時間構成)
- 3 基本的人権の尊重はどのように実現しているか?
- (学習課題No.80・1時間構成)
- 4 平和主義はどのように実現しているか?
- (学習課題No.81・1時間構成)
- 5 日本国憲法の意義をスピーチしよう!
- (学習課題No.82・1時間構成)
- 14[日本とつながりの深い国々]
- 1 日本とつながりの深い国を探してみよう!
- (学習課題No.83・1時間構成)
- 2 日本とつながりの深い国を調べてまとめよう!
- (学習課題No.84〜86・3時間構成)
- 3 世界の人とともに生きていくためには?
- (学習課題No.87・1時間構成)
- 15[世界の中の日本]
- 1 世界にはどんな問題があるのか?
- (学習課題No.88・1時間構成)
- 2 国際連合はどのような働きをしているのか?
- (学習課題No.89・1時間構成)
- 3 日本はどのようにかかわっているのか?
- (学習課題No.90・1時間構成)
- 4 巨額のODAは本当に必要なのか?
- (学習課題No.91・1時間構成)
- 5 ユニセフはどのような働きをしているのか?
- (学習課題No.92・1時間構成)
- 6 2020年の東京オリンピックにはどんな願いが込められているのか?
- (学習課題No.93・1時間構成)
- 7 ワンミニッツビデオで平和な世界を訴えよう!
- (学習課題No.94・1時間構成)
- おわりに
はじめに
2016年夏,私にとって初めての単著『子ども熱中! 小学社会「アクティブ・ラーニング」授業モデル』を発刊することができた。私なりにこれまでの教師生活の中で培ってきた社会科学習のアクティブ・ラーニングを生む授業モデルを小学校3年生から6年生までの各単元でまとめたものである。この本を読むに当たり,社会科の授業でどのように子供たちが主体的・対話的で深い学びへと取り組んでいくのかがイメージできるように教師と子供の対話形式でまとめている。4学年全体の単元を網羅したことで多くの人々に手に取ってもらえる書となったことを嬉しく思う。
しかし一方で,書き進めていくうちに,もどかしさがあったことも事実である。もう少し,教材性について触れておきたい,もう少し単元の流れを書いておきたい,全授業の板書例を掲載したい…など,伝えたいことが膨らんできて,それをどのように整理しながらまとめていくかが悩みの種でもあった。紙面には限りがあるので仕方がない。ただ,機会あれば,各学年の1時間ずつの授業の流れを説明できれば…と考えていた。
したがって,この著書の執筆依頼をいただいたことを大変ありがたく感じている。前著でカバーできなかった1時間の授業展開や板書,発問,評価を余すところなく書き記したつもりである。本書は第6学年の全時間社会科授業案である。
そんな折,2016年8月に中教審教育課程部会より「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」が報告された。「アクティブ・ラーニング」には「主体的・対話的で深い学び」というねらいが定められ,授業におけるアクティブ・ラーニングの視点が明確になった。「主体的な学び」は,見通しをもち,自らを振り返りながら次につなげていくこと。「対話的な学び」は,協働だけではなく,先生や地域の人との対話,先哲の考えを通じ,自分の考えを広げていくこと。そして,その上で教科における概念や考え方を活用した「見方・考え方」を働かせ問題を解決していくことが「深い学び」と読み取ることができる。
そして,2017年3月についに新学習指導要領が公示された。前述したアクティブ・ラーニングの視点が教科・特別活動・総合的な学習の時間を横断する横糸とするならば,各教科の縦糸が「教科の見方・考え方を働かせた資質・能力の育成」であり,新学習指導要領では,それが目標に(1)知識及び技能,(2)思考力,判断力,表現力等,(3)学びに向かう力,人間性等という形でわかりやすく明示されている。
この「主体的・対話的で深い学び」を本書でどのように表していくか。もちろん,それらは切り離して考えるべきものではないだろうし,方法論的な「型」を生み出すべきものでもない。ただ,書籍として説明するということになるとどうしても本書を手に取ってくれた先生たちがわかりやすく理解できるような内容構成にしたいと考え,あえて本書では1時間の授業,1時間の問題解決を重視した。そして,その中に,「主体的な学び」を生み出す場面,「対話的な学び」を生み出す場面,「深い学び」を生み出す場面を位置付けている。「このようなパターン通りにはうまくいかない」とお叱りを受けるかもしれない。それはごもっともである。しかし,私はこれから教師になろうとする若い先生や,社会科の授業がどうしてもうまくいかないと悩んでおられる先生,アクティブ・ラーニングの視点で授業がしたいと考えている先生たちが,手に取ってすぐに実践できるように執筆をさせてもらった。
本書は6年生の内容である。6年生では縦糸となる社会科における資質・能力が以下のように整理された。ここに簡潔にまとめる。
(1) 政治の考え方と仕組みや働き,国家及び社会の発展に大きな働きをした先人の業績や優れた文化遺産,我が国と関係の深い国の生活や国際社会における我が国の役割の理解。各種の基礎的資料を通して,情報を適切に調べまとめる技能。
(2) 社会的事象の特色や相互の関連,意味を多角的に考える力,社会に見られる課題を把握して,その解決に向けて社会への関わり方を選択・判断する力,考えたことや選択・判断したことを説明したり,それらを基に議論したりする力。
(3) 社会的事象について,主体的に学習の問題を解決しようとする態度や,よりよい社会を考え学習したことを社会生活に生かそうとする態度。多角的な思考や理解を通して,歴史や伝統を大切にして国を愛する心情,国民としての自覚や平和を願い世界の人々と共に生きることの大切さについての自覚。
6年生社会科では歴史的背景や政治的背景が中心となり,教師もまた深い知識が必要となる。そのため,各項目では深い教材化ができるように学習内容を詳細に記したつもりである。授業づくりの手引きとしても活用していただければと考えている。本書をもとに授業を実践することで,子供たちの「アクティブ・ラーニング」を生み出す姿を見ることができると信じている。読者である先生たち自身が,本書をもとに実践し,うまくいったところ,うまくいかなかったところを加除修正しながら,自身の「見方・考え方」を広げていただければ,それは願ってもないことである。
/朝倉 一民
わかりやすいです。
コメント一覧へ