- はじめに
- 第1章 授業をウマくこなすための基本術
- どんな授業も休み時間には勝てない
- 「スペシャル」な授業はいらない
- 教科書なしで、1000時間も授業できるか!
- 「早口」で子どもを乗せろ
- 「無駄な動き」が実は、子どもたちを満足させる
- 教師の腹だけがグーと鳴っていないか?
- 授業は「小さな活動」を寄せ集めて作れ
- 授業は「流れ」じゃない、いかに子どもを「監視」するかだ
- 「ハッタリ」をかましてでも「監視」していることを示せ
- 指示を「ちょっと」変えるだけで授業は成功する
- 挙手指名を捨てれば、全員が授業に参加する
- 「楽しい」と思い込ませれば、手抜き授業も成り立つ
- 第2章 クラス全員を乗せてしまう「微細」授業術
- 授業の最初に教室の空気を「支配」せよ
- チャイムと同時に授業は始めてしまえ
- 「負けたフリ」で子どもをやる気にさせよ
- 「誰でも答えられる質問」で全員を巻き込め
- 指示は「ゲーム」と称して乗せよ
- 勉強ができなくても威張れるシカケを作れ
- 「内容」がダメでも「演出」で子どもは乗せられる
- 「演出」のよさは「順番」が決める
- どうしようもない子はごまかしてしまえ
- 1時間の授業で100回時計を見れば終了時刻が守れる
- 第3章 教師生活を生き抜くための「危機回避」術
- 「悪口を言われるのもお給料の内」とあきらめよ
- 「せこい手」も「汚い手」も使え
- 「教えたくないこと」は教えるな
- 「褒める貯金」をしてから、叱れ
- 「後で」シメるな、「先に」シメとけ
- 何をするかは教師が決め、クラスに君臨せよ
- 言い続けさえすれば、かなう
- たかがシャーペン? 許すとクラスは壊れる
- 理屈じゃない「シンプル」さが一番の策略
- 「質」は捨て「量」だけ求めよ
- 教師の「好き嫌い」は捨ててしまえ
- 「普通」で十分、「オリジナリティ」は隠せ
- ワンランク上の「策略」あるシメ方とは?
- 教師が「夏休みが大好き」で何が悪い!
- 「先生」なんて偉いもんじゃない、「エンターテイナー」たれ
- 大人ブラックのススメ
はじめに
2匹目のドジョウがいた。
第1作『策略―ブラック学級づくり 子どもの心を奪う!クラス担任術』が、売れた。驚くほど、売れた。2015年、2016年の明治図書ベストセラーランキング第1位になってしまったほどだ。早くも1万部を突破。見事なホームランである。
「2匹目のドジョウを狙うのは格好悪すぎる」と、嫌々書いた第2作『策略プレミアム―ブラック保護者・職員室対応術』も、売れた。もちろん、第1作ほどではない。それでも、現在6000部。教育書としては、ヒットと言えるだろう。
2匹目のドジョウは、確かにいたのだ。
では、3匹目のドジョウはいるのか? そんな知的好奇心から、とりあえず本書の執筆に取りかかってみることにする。
アクティブ・ラーニング、全盛の時代である。某M出版から刊行される教育書のタイトルにも『アクティブ・ラーニング』をつけたものが多い。
理由は、簡単。『アクティブ・ラーニング』をタイトルにつけておけば、売れるからだ。たとえば、某M出版の「総合ランキング」である。2016年7月28日(私の誕生日)のランキングでは、上位10位の内、9の本に『アクティブ・ラーニング』とつけられていた。ベスト10の内、9! まさに、時代は「アクティブ・ラーニング・バブル」なのだ。
『ブラック』と『アクティブ・ラーニング』が合わされば、まさに最強。鬼に金棒。『策略ブラック―アクティブ・ラーニングの授業』なんてタイトルなら、それだけで売れそうだ。
しかし、本書が対象としているのは、「普通」の授業である。年間1000時間を超える授業の多くは、「普通」の授業だからだ。そして、つまらない「普通」の授業に子どもたちを乗せるには「策略」が必要だからだ。
タイトルは、ずばり『策略―ブラック授業づくり つまらない普通の授業にはブラックペッパーをかけて』。今回も本書を担当してくださる某M出版の佐藤智恵氏がつけてくださったタイトルだ。佐藤氏は、非常にセンスのある方だと思う。
さらに第3章では、「教師生活を生き抜くための『危機回避』術」と題して、第1作、第2作で書けなかった「策略」について書いてみる。
『ブラック』シリーズも、さすがに本書が最後の予定である。そこで、若手に伝えたいことは、全て書ききっておきたいと思ったからだ。
でも、この本も売れたら、『帰って来た―策略ブラック』と銘打って出すかもね。その辺りは、割り切った大人のブラックな対応で。
では、今回も世間を敵に回すことを覚悟しつつ、少数の『ブラック』愛好家のために、筆を進めてみたいと思う。
最後に、この言葉を仲間たちに捧ぐ。
全ての教師よ。厳しい現場を生き抜くために、「黒くなれ!」
「日本一のお笑い教師」改め「腹黒教師」 /中村 健一
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