- 第1章 統計の授業づくりに向けて
- 1節 統計指導を一層充実する必要性
- 1 社会の動向
- 2 教育の動向
- 3 学習指導要領の改訂
- 2節 各学年における統計の指導内容とポイント
- 1 小学校の統計の指導内容とポイント
- 2 中学校の統計の指導内容とポイント
- 3節 統計指導における教材研究の方法
- 1 データの集め方
- 2 データカードの活用
- 3 アンケート調査
- 4節 統計指導におけるICTの活用
- 1 ICTの有効な活用のあり方
- 2 表計算の活用
- 3 統計グラフ作成ソフト(フリーソフト)の活用
- 第2章 データの活用の授業実践例
- 小学1年[習得]絵グラフをつかったかずしらべ
- どんぐりの数を調べて特徴を捉えよう
- 小学2年[習得・活用]データカードを使った資料の再整理と読み
- 育てたい野菜を決めよう
- 小学3年[活用]複数の棒グラフを結び付けた推論
- 3年2組のけがを減らそう
- 小学4年[活用]適切なグラフを使った資料の考察
- みんな元気! 健康大作戦
- 小学5年[活用]データに対する多面的・批判的な考察
- 目指せ! 「おすすめの本」読破
- 小学6年[習得・活用]代表値を使った多面的な読み取り
- どれくらい本を借りたのだろう?
- 中学1年[習得]相対度数や累積度数の必要性と意味
- 今年度と昨年度の1年生の学習時間を比較しよう
- 中学1年[活用]データを根拠にした多面的・批判的な考察
- 「ボールつかみどりゲーム」の景品の得点を考えよう
- 中学2年[習得]ドットプロットを用いた箱ひげ図の導入
- 数字探しゲームの結果をまとめてみよう
- 中学2年[活用]複数の箱ひげ図を用いた批判的な考察
- 一番暑い都市はどこだろう?
- 中学3年[活用]箱ひげ図を用いた母集団の推定
- ハンドボール投げの記録の傾向を推定しよう
- 用語解説編 統計の森へようこそ
- 1 データの種類
- 質的データ
- 量的データ
- 時系列データ
- 尺度によるデータの種類の細分化
- 2 データを整理する表
- 1次元表(小2),2次元表(小3・小4)
- 度数分布表(小6)
- 累積相対度数分布表(中1)
- 2次元の度数分布表(高校)
- 3 データを視覚化するグラフ
- 絵グラフ(小1),記号を用いたグラフ(小2)
- 棒グラフ(小3)
- 折れ線グラフ(小4)
- 複合グラフ(小4)
- 円グラフ,帯グラフ(小5)
- 幹葉図
- パレート図
- ドットプロット(小6)
- ヒストグラム(柱状グラフ)(小6),度数分布多角形(中1)
- 累積度数グラフ
- 箱ひげ図(中2)
- 散布図(高校)
- 回帰直線
- 4 データの代表値
- 平均値(小6)
- 中央値(小6)
- 最頻値(小6)
- 5 データの散らばりを把握する統計量
- 範囲(中1)
- 四分位範囲(中2)
- 分散・標準偏差(高校)
- 正規分布・標準正規分布(高校)
- 相関係数(高校)
- 6 データの一部から全体を把握する方法@―標本調査
- 全数調査と標本調査(中3)
- 標本の取り出し方
- 標本誤差の検討(高校)
- 7 データの一部から全体を把握する方法A―推定・検定
- 点推定と区間推定(高校)
- 仮説検定の考え(高校)
- 仮説検定(高校)
- 書籍紹介
- 引用・参考文献
はじめに
これからを生き抜く児童・生徒たちが大人になって活躍する時代は,どんな世界になっているでしょうか。今まで以上に,量(Volume),多様性(Variety),速度(Velocity)の3つの特徴をもつビッグデータに囲まれた生活をすることになるでしょう。そして,データを表・グラフ・代表値などに加工して主張する「情報を発信する側」,あるいは,発信された統計にかかわる主張を読み取る「情報を受信する側」のどちらの立場になったとしても,多面的・批判的に解釈したり判断したりする能力が一層必要になるでしょう。
このような時代の要請を受け,平成29年告示の学習指導要領では,小学校算数・中学校数学において統計・確率分野の内容が「データの活用」領域として統一・充実されました。
本書では,上記の背景を基にして,統計の授業づくりの参考になるように構成しました。
第1章では,統計指導を一層充実する必要性や,各学年における統計の指導内容とポイントについて解説しています。統計を十分に学んでこなかった方は,巻末の用語解説を適宜参考にしていただければと思います。
第2章では,優れた実践例(小学校6本,中学校5本)を現場の先生に執筆いただき,各実践例の最後に実践から学ぶポイントを記述しました。小中連携・小中接続の推進が叫ばれている中,算数・数学の統計指導の系統性を実感していただければと思います。
先生やこれから先生になる学生の皆さんの参考になれば幸いです。
2019年6月 /松元 新一郎
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- 明治図書