- はじめに
- 序章 AI と向き合うためのマインドセット
- 01 対話型 AI と向き合う
- 02 対話型 AI の利便性と注意点
- 03 対話型 AI の近年の動向と正しい活用法
- 第1章 文部科学省ガイドライン(暫定版)要点チェック
- 01 教員の AI リテラシーを高めることが第一歩
- 02 対話型 AI の適切な活用例と適切でない活用例
- 03 情報活用能力の育成強化
- 04 対話型 AI の教育利用の進め方
- 05 対話型 AI の校務利用の推進
- 06 教育現場における対話型 AI 活用に関する3つの留意点
- 07 今後の国の取り組みの方向性から見た本書の位置づけ
- 第2章 これで安心 学校での対話型 AI 活用Q&A
- 基本編
- Q 対話型 AI とは何ですか?
- Q 対話型 AI 活用のリスクと心構えにはどのようなものがありますか?
- Q 対話型 AI の回答には偏った内容が含まれることがありますか?
- Q 対話型 AI の特性として注意する現象はありますか?
- Q 対話型 AI の基本操作がわかりません。
- Q はじめて対話型 AI を使う場合,どのような質問をすればいいですか?
- Q 対話型 AI へ質問をする時のポイントはありますか?
- Q 対話型 AI の回答内容を洗練させる方法はありますか?
- Q 対話型 AI を使った逆質問とはどのような方法ですか?
- Q 対話型 AI に関する著作権について詳しく知りたいです。
- Q ファクトチェックとは何ですか?
- Q 対話型 AI を使うことで新たな視点を得ることができますか?
- Q 対話型 AI を使って歴史上の人物同士で議論させることはできますか?
- Q 個人情報に該当する情報,またその取り扱いについて教えてください。
- Q 対話型 AI を使うと思考力は伸びないのですか?
- Q 対話型 AI を使うと表現力は伸びませんか?
- Q 子どもが対話型 AI の回答をそのまま使うことを防ぐ方法とは?
- Q 自分が知らない分野において,対話型 AI を活用してもいいですか?
- Q 対話型 AI の使用は依存性がありますか?
- Q 対話型 AI が使われているか見抜く方法はありますか?
- 校務編
- Q 対話型 AI を校務で活用する際の注意点はありますか?
- Q 校務の中で対話型 AI 活用に向いているものは何ですか?
- Q 学級経営に対話型 AI を活用できますか?
- Q 授業準備に対話型 AI を活用できますか?
- Q 対話型 AI でアイデアを練る時のコツはありますか?
- Q 対話型 AI を使って授業参観の準備はできますか?
- Q 対話型 AI を使って学習指導案をつくることはできますか?
- Q 授業改善に対話型 AI を活用できますか?
- Q 対話型 AI が提案するアイデアを活かせる校務はありますか?
- Q 所見の作成に対話型 AI を使ってもいいですか?
- Q 対話型 AI は ICT に関するサポートができるのでしょうか?
- Q 研究発表や研修発表を考える時に対話型 AI を活用できますか?
- Q 保護者対応に対話型 AI を活用できますか?
- Q 対話型 AI は,学校行事案の内容を洗練することに役立ちますか?
- 授業編
- Q 対話型 AI を授業で活用する際の注意点はありますか?
- Q 対話型 AI の使用について保護者からの同意を得たいです。
- Q 日本語を母語としない子への指導に対話型 AI は使えますか?
- Q 生き物の観察に AI を使うことはできますか?
- Q 対話型 AI の将来的な活用に向けて,どのような能力が必要でしょうか?
- Q どのようにして情報活用能力を育むのでしょうか?
- 日常生活編
- Q 対話型 AI はプライベートでも活用できますか?
- Q 退屈な休日を対話型 AI により充実させることはできますか?
- Q 私生活の相談に対話型 AI を活用できますか?
- Q 対話型 AI を使って英会話を上達させることはできますか?
- Q 対話型 AI にどんなことでも相談していいのでしょうか?
- 保護者の方へ
- Q 保護者への対話型 AI 使用の啓発はどのようにすればいいですか?
- Q 家庭で子どもが対話型 AI を活用する際の進め方を知りたいです。
- Q 家庭で子どもが対話型 AI を使用する際のルールはありますか?
- Q 対話型 AI を活用して家庭で学びを深める方法はありますか?
- Q 生活技能を身に付けるために対話型 AI は役に立ちますか?
- Q 対話型 AI を子どもの不登校の相談に活用してよいですか?
- Q 先生への苦情の伝え方を対話型 AI に聞いてもよいでしょうか?
- 第3章 そのまま使える 汎用性抜群のプロンプト・質問例
- 01 難しい説明を簡単な内容に変える質問
- 02 授業の流れを作成する時の質問
- 03 学年打ち合わせ(学年会)の資料を作成する時の質問
- 04 信頼性のある回答を得やすくする質問
- 05 忙しい時にあなたがするべきことを対話型 AI に考えさせる質問
- 06 対話型 AI を活用して伝える力を高める2つの質問
- 07 学級懇談会の流れをつくる質問
- 08 クラブ・部活動・委員会の活動内容を考える質問
- 09 お楽しみ会の劇や漫才の台本を作成する質問
- 10 アンケートを作成する質問
- おわりに
はじめに
〈本書を手に取ったあなたができるようになること〉
・対話型 AI の驚くべき進化と仕組みを理解することができる
・対話型 AI 活用のメリットとリスクがわかる
・対話型 AI 活用の実践的なヒントやアイデアがわかる
⇒仕事もプライベートもレベルアップし,毎日がもっと魅力的になる
OpenAI 社の ChatGPT をはじめとする対話型 AI は私たちの生活を豊かにするパートナーといえます。ソフトバンクグループ株式会社の孫正義会長も AI 活用の必要性を訴えています。
「AI(人工知能)を拒否するか積極的に受け入れるかで,これから決定的な差が出てくる」
「AGI(汎用 AI,引用者註)はあまりにもパワフルで危険だから,規制すべきだ。でも,だからといって使わないのは自動車や電気を使わないという主張に等しい」(孫正義)1)
今後,対話型 AI を活用するか否かによって,仕事でもプライベートでも大きな差が開きます。対話型 AI を使わない手はないでしょう。一方で,AI を危惧する声も上がっています。
「AI による(人類)絶滅のリスクを軽減することは,パンデミックや核戦争などと並び,世界の優先事項であるべきだ」(サム・アルトマン)2)
これは ChatGPT を開発した OpenAI 社の CEO であるサム・アルトマンが2023年5月に共同声明として発表したものです。ChatGPT の開発者自身が AI を脅威に感じているのです。そのため,開発が進みすぎる前に AI に対する規制が必要となります。
学校教員は,新しいアイデアを取り入れやすい環境にあります。勉強会や研修会,SNS などで紹介されている実践を取り入れた経験がある方もいると思います。しかし,対話型 AI 活用においては,その気軽さが命取りになると考えています。対話型 AI は未来に希望をもたらす一方で,誤った使用によって破滅をもたらす危険性が潜んでいます。
私たちは,現役教員かつ研究者の立場から教育現場における対話型 AI の適切な活用法を広める緊急性を感じ,本書を執筆することを決意しました。本書は,教育現場における対話型 AI 活用についてQ&A形式で記しています。私たちのこれまでの教員経験,そして大学院進学により培った研究能力をもとにして,教育現場で対話型 AI を活用する際の留意点,具体的な活用方法を示しています。本書の内容は読者が対話型 AI を活用しながら,読み進めることを想定して執筆しています。第3章では,すぐに使える対話型 AI への質問例を紹介しています。まずは対話型 AI に触れてみましょう。対話型 AI を活用しながら本書を読み進めることで,対話型 AI についての理解がより深まります。本書を読み,対話型 AI を安全に活用し,あなたの仕事とプライベートに革新的な変化をもたらしましょう。
/筆野 元・村上 仁志
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- 明治図書
- AIを日々の教育にどう活用していくかについては、最近気になっていたことです。的確に書かれてあり大変に参考になりました。自分自身がAIを利用していくことで教育活動にいかしていきたいと思います。2024/5/2460代・中学校教諭