- はじめに
- わかる!楽しい!毎日の授業で本当に役立つネタ
- 1 ネタをより生かすために
- 2 心理的安全性が高い数学教室を
- わかる!楽しい!中学2年の数学授業のネタ
- 式の計算
- 式の計算
- 説明 1 なぜ文字式を使うの?
- 説明 2 一次式や二次式をつくろう
- 課題 3 縦に並べても計算できる?
- 説明 4 スモールステップで計算しよう
- 教具 5 テンポよく計算しよう
- 文字式の利用
- 説明 6 2桁の整数を文字で表そう
- 課題 7 等式変形の流れを説明しよう
- 課題 8 カレンダーの規則を説明しよう
- 課題 9 説明の間違いを見つけよう
- 課題 10 どちらがたくさん入るかな?
- 課題 11 どの道を通ると一番近道かな?
- 探究 12 数の並びの規則性を見つけよう
- 探究 13 誕生日を当てよう
- 探究 14 1年生にもわかるようにレポートをまとめよう
- 連立方程式
- 連立方程式
- 課題 15 部分練習に取り組もう
- 課題 16 式変形に絞ってトレーニングしよう
- 課題 17 加減法や代入法を使わずに解を求めよう
- 課題 18 解き方を3通り以上見つけよう
- 説明 19 なぜ「分母をはらう」というの?
- 課題 20 係数を整数にしよう/
- 課題 21 連立方程式を使うのはどんなとき?
- 連立方程式の利用
- 課題 22 利用の問題を立式でストップしよう
- 説明 23 式を見ただけで考え方がわかる?
- 説明 24 表を使って式を立てよう
- 課題 25 比の式を変形しよう
- 探究 26 連立方程式を使うのにふさわしい場面は?
- 課題 27 机の高さは何p?
- 教具 28 電車が「通過する」ってどういうこと?
- 課題 29 2人が出会うとはどういうこと?
- 課題 30 どちらがお得?
- 探究 31 連立方程式で解く問題をつくろう
- 探究 32 3つの文字を含む連立方程式を解こう
- 教具 33 コンピュータに「解けません」と言わせよう
- 一次関数
- 一次関数とグラフ
- 説明 34 表から一次関数か判断しよう
- 説明 35 変化の割合を具体的にイメージしよう
- 説明 36 変化の割合とグラフの形の関係を考えよう
- 課題 37 グラフの変化を説明しよう
- 教具 38 一次関数のグラフはどう変化する?
- 課題 39 グラフの読みかきの力を身につけよう
- 教具 40 コンピュータはグラフをどのようにかくのかな?
- 説明 41 一次関数のグラフかな?
- 課題 42 2つのグラフが表していることは?
- 一次関数と方程式
- 探究 43 a,b,cが0のときのグラフの形は?
- 説明 44 方程式の解を見える化しよう
- 探究 45 2直線の交点はどこにある?
- 課題 46 なぜ2直線の交点を連立方程式で求められるの?
- 説明 47 A=B=Cの方程式をグラフに表そう
- 一次関数の利用
- 教具 48 動点の動きを視覚化しよう
- 課題 49 電気料金のグラフから会話を想像しよう
- 探究 50 どんなときにこのグラフになる?
- 探究 51 利益を最大にしよう
- 図形の調べ方
- 平行と合同
- 課題 52 どうして三角定規セットで平行線がかけるの?
- 課題 53 角の求め方を見つけよう
- 探究 54 補助線の背景を考えよう
- 教具 55 作図ツールで図形を動かそう
- 説明 56 鋭角三角形はどんな図形?
- 課題 57 多角形の内角の和を求めよう
- 説明 58 多角形の外角の和を確かめよう
- 探究 59 なぜ一瞬で角度を求められる?
- 課題 60 星形の図形の内部の角の和を求めよう
- 探究 61 どうして常に角度が同じ?
- 課題 62 三角形が合同になる条件は?
- 課題 63 合同条件でない条件では合同にならない?
- 課題 64 △ABC≡△PQRを示すには?
- 証明
- 教具 65 定理集をつくろう
- 説明 66 仮定は青信号,結論は赤信号
- 教具 67 根拠カードを使って証明しよう
- 説明 68 三段論法を使って証明しよう
- 図形の性質と証明
- 三角形
- 説明 69 次はどんな三角形について考える?
- 説明 70 性質と条件の違いを区別しよう
- 課題 71 折ってできる図形の秘密を探ろう@
- 課題 72 折ってできる図形の秘密を探ろうA
- 説明 73 逆は正しい?
- 説明 74 数学の世界での正しいとは?
- 課題 75 どうしていつも60°になるの?
- 説明 76 直角三角形の斜辺以外はなんていうの?
- 課題 77 合同になる理由を選ぼう
- 課題 78 三角形の垂直二等分線が1点で交わるのはなぜ?
- 課題 79 三角形の角の二等分線が1点で交わるのはなぜ?
- 課題 80 ぴったり塗れる図形はどれ?
- 四角形
- 課題 81 定義・定理をしっかり定着させよう
- 課題 82 条件を変えて平行四辺形を作図しよう
- 課題 83 平行四辺形になる条件を満たしている?
- 教具 84 平行四辺形の頂点を自由に動かそう
- 探究 85 フライングカーペットがいつも地面と平行なのはなぜ?
- 場合の数と確率
- 場合の数と確率
- 説明 86 「同様に確からしい」とはどういうこと?
- 説明 87 もれや重なりがないように数えよう
- 課題 88 2つのさいころを投げたときの確率を求めよう
- 課題 89 2枚の硬貨を投げたときの確率を求めよう
- 課題 90 ○の倍数になる確率を求めよう
- 課題 91 どちらの方が起こりやすい?
- 説明 92 起こらない確率はどうやって求める?
- 課題 93 確率がになる例を探そう
- 課題 94 3人のじゃんけんで「あいこ」になる確率は?
- 教具 95 同じ誕生日の人がいる確率は?
- 探究 96 モンティホール問題に挑戦しよう
- 探究 97 あみだくじは本当に平等?
- 箱ひげ図とデータの活用
- 箱ひげ図
- 説明 98 四分位数は何を表している?
- 説明 99 四分位範囲のよさを知ろう
- 説明 100 箱ひげ図のよさを知ろう
- 課題 101 箱ひげ図をかこう
- 教具 102 コンピュータで箱ひげ図をつくろう@
- 教具 103 コンピュータで箱ひげ図をつくろうA
- 課題 104 箱ひげ図から元のデータを推測しよう
- 課題 105 データを集めて箱ひげ図をつくろう
- 課題 106 箱ひげ図から読み取ろう
- 課題 107 通信速度が速いのはどの会社?
- 課題 108 どの選手を選ぶ?@
- 課題 109 どの選手を選ぶ?A
- 探究 110 批判的に考察して分析しよう
はじめに
ありがたいことに,全国各地で数学授業づくりに関する講演をさせていただいています。
そのときに結構な頻度であるのが,2014年3月に発刊した『わかる!楽しい!中学校数学授業のネタ100』の書籍を持参され,「サインしてください」と言われることです。著者としてこんなにうれしいことはありません。
「玉置先生,この本は私の数学授業バイブルです。職員室と自宅の机上に各学年1冊ずつ置いてあります」
「この本の傷み具合を見ると,何度も本を開いていることがわかっていただけますよね。数学授業づくりにこんなに役立つ本は他にありません」
などと言ってくださる方もいて,心の中が喜びでいっぱいになることがあります。
それと同時に,発刊してから10年以上経ったことから,新たなネタをそろえて新版を出す機会があるといいなと思っていました。そうした中,明治図書出版の矢口郁雄さんから「新版を出しませんか」と声をかけていただきました。上記のように読者からうれしい声をいただけるのも,矢口さんが前作を親しみやすく活用しやすい書籍に仕上げてくださったからです。その矢口さんからの新版発刊の相談には,二つ返事で了解しました。
今回は110本の数学授業ネタを提案しました。110本のうち95本はまったくの新ネタです(残りの15本は,前作に収録したネタに改良を加えたものです)。つまり,前作をお持ちの方は,数学ネタを200本近く手に入れることになります。どうぞ存分にご活用ください。
本書では,各単元とも「説明ネタ」「課題ネタ」「教具ネタ」「探究ネタ」で構成しました。前作の「習得ネタ」は「説明ネタ」の中に包括し,新たに「探究ネタ」のカテゴリーをつくりました。「探究ネタ」を提案したのは,様々な理由があります。その理由の1つは,数学は現実問題を解決するために役立つ学問であり,探究ネタによって生徒に数学が現実世界と密接に関連していることを実感させたいという思いがあったからです。「教具ネタ」は,1人1台の情報端末が活用できる状況であることを前提としています。前作から学習環境がかなり変化していることを改めて実感します。
また,単なるネタ(問題や説明)の紹介にとどまらず,そのネタを使って授業をする際の教師の心得,生徒の反応例とその生かし方,数学的な見方・考え方とのつながりなども記載しています。1つのネタは前作同様に1ページにまとめ,日常授業で使いやすいようにしました。
さらに,110本のネタを執筆するにあたって,執筆者(玉置崇・芝田俊彦・山本龍一・松井大樹)で,数学授業勉強会を開きました。この原稿で,若い先生方にネタの価値,そのネタを生かす授業イメージなどが伝わるかどうかをしっかり検討しました。ベテランの先生方には,生徒とともにつくる数学授業の楽しさやおもしろさがより伝わるように,模擬授業などもしながらネタを練り上げました。
こうして自信をもって世に出せる本になったと自負しています。拙著を活用して,全国各地で生徒とともにつくる知的で楽しく充実した数学授業が実践されることを執筆者一同祈念しています。
2025年1月 /玉置 崇
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- 明治図書